世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

ガザミ・渡り蟹(ワタリガニ)

2019年04月28日 20時02分10秒 | Weblog


ガザミ・渡蟹(ワタリガニ)

【語源】
標準和名はガザミです。しかし、「ワタリガニ」の呼び名の方が、
知られています。

ボートのオールのような5番目の脚を巧みに操って泳ぎ、遠くへ移動
することから命名されたと思われます。
ガザミは月夜に群れをなして泳ぐことから「月夜ガニ」とも呼ばれ
ます。


「ガザミ」とはカニのハサミの略語。
ハサミを意味するカサメから来ているものと思われます。
一つのハサミは大きく、一つのハサミは小さい・・・、大きいほうの
ハサミで闘い、小さい方で餌を食べます。






   渡り蟹の蓮の葉包み蒸し料理(四川料理)


【旬】
ワタリガニは脚には身が少なく、胸肉すなわち脚の付根の肉を食べ
ます。
白い美しい身の成分は車エビと似ており、二杯酢につけて食べると、
ほの甘い肉汁が口中に広がり、幸せな気持ちなります。
この身を楽しむなら秋の雄。交尾後の太った雄が、最高です。


しかし、ワタリガニのもう一つの醍醐味は、鮮やかなオレンジ色を
した内子・外子(卵)とミソです。

雌は冬から初夏にかけ、甲羅の中に卵巣とミソが充実します。

マグロ君の見解では、旬は春とします。



     ワタリガニのほぐし身!卵も一緒に





【うんちく】
青森県以南の日本・韓国・台湾・中国大陸などの沿岸に分布します。
棲息水温は7~35度で、季節的な鉛直移動を行い、夏季は沿岸・湾内
の浅場に棲息し、冬季には沖合・湾外の深場に移動します。

良く似た仲間に「台湾ガザミ」がいます。甲の表面に白色の雲状模様
があるので、見分けはすぐつきます。



また、近年人気なのが脱皮後のガザミ・・・。
「ソフトシェル」と呼ばれ、殻ごと調理され食べられています。

敵から身を守るのに、自ら脚を切り落として逃げることを自切と言い
ます。
ワタリガニは活きがよいものほど自切します。
また、気も荒く、大きい方の爪を使ってすぐ喧嘩し、足がもげて
しまいます。
そこで、輸送中に自切しないように、また、喧嘩しないようにゴム
などで縛られて流通しています。




【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。
国産物の水揚量は、福岡、愛知、愛媛の順となっています。


【産地ならではの漁師料理】
ワタリガニの代表的な料理は味噌汁。すばらしく良い出汁が出ます。
鍋も最高!
しかし、漁師さんは、茹でてそのまま、しゃぶりつくのが好きな
様です。特に雌はこれが一番。

雄は味噌汁、雌は茹でて・・・・が漁師流です。

茹でる際は、水から茹でること。
そうしないと足がとれてしまいます。これは、他の蟹の場合も同じ
です。
兵庫県室津では、ガザミを使った「炊き込みご飯」が郷土料理として
あります。
蟹のエキスをしっかり吸ったご飯・・・・考えただけで美味そう~!

     茹でたワタリガニ

【栄養と効果・健康】
高たんぱく・低脂肪・低エネルギーのヘルシーな食材です。

特有の旨みの強さは、アラニン、グリシン、アルギニン、グルタミン
酸、イノシン酸をバランスよく含んでいるため。

タウリンも多く、血中のコレステロールを下げたり、血圧上昇を
防ぐ効果が期待できます。

まさに健康食ですね。



         ワタリガニの釜めし









 

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真魚鰹(マナガツオ)

2019年04月28日 07時59分24秒 | Weblog







真魚鰹(マナガツオ)

【語源】
マナガツオの語源は産卵期の6~7月に内湾へ移動し、秋に外洋に去
る習性がカツオと類似す為とか、カツオとは無縁だがカツオと同じ
位美味しいからとか、「マナ」は「真名」と書き、真のカツオの味
をあらわすからなど、諸説が多々ある。




     マナガツオを使った四川料理


【旬】
一年を通して美味しい魚。また、冷凍しても味が落ちにくい魚であ
る。俳句では冬の季語になっているが、旬は春。




       マナガツオの刺身(炙り)


【うんちく】
見た目はエイリアンみたな奴だが、味は一級品。
関西の料亭では白味噌を味りんで練ったものに漬け込み焼いて食べ
る。またこれが絶品。関東でのなじみは薄く、関西地方では、高級
魚としてもてはやされ、多く消費される。

両顎(あご)には小さな歯が並び、くらげ類を好んで食す。
マナガツオはくらげ類を食すため、内臓が小さく捨てるところが
ない。業界用語で「歩留りが非常に良い魚」の一つである。



      マナガツオの塩焼き

古来、子供の成長を祝う儀式の一つに「真魚始(まなはじめ)」と
言うのがあった。室町時代には生後101日目、江戸時代には120日目
に行われていました。現在で言う「お食い初め(くいぞめ)」。
代表的なのは鯛ですが、昔は鰹(カツオ)もめでたい魚とされて
いました。鰹の取れない地方ではこのマナガツオを代用していた
ようです。日本に馴染みの深~い由緒正しき魚。これも名前の由来
の一つです。


           マナガツオの煮付け


【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。特別な産地もありませんが、瀬戸内
海・九州熊本で多く漁獲されています。
流通しているマナガツオの中に「コウライマナガツオ」と言う輸入
物がありますが、この見分け方は、二つに別れた尾の下側が長く
伸びているのが輸入物(コウライマナガツオ)。同じ長さなのが、
本物のマナガツオです。


       マナガツオの刺身


【産地ならではの漁師料理】
漁師さんに「今まで食べた刺身で一番は?」と聞くと、多くの方は
このマナガツオかサワラと答えます。
「浮世草子 好色一代男」にも、「マナガツオの刺身が食いたい」
とあるくらい・・・。しかし、鮮度良く手に入れるのは苦労しそう
ですね。刺身はねっとり、脂がほどよくのり、美味いの一言でした。
日本酒ですかね~!


     まながつおの西京焼き

【栄養と効果・健康】
白身魚にしては脂肪分が多く、これが旨味をもたらしている。
健康に良いと近年注目されている一価不飽和脂肪酸を多く含んで
いる。ビタミンではAを比較的多く含んでおり、眼、お肌、粘膜に
良い働きを及ぼす。


マナガツオの情報ドシドシお待ちしています。


         マナガツオの切身









        マナガツオの刺身









        
         マナガツオのにぎり寿司




 







           マナガツオの天ぷら




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