マダラ(真鱈)・タラ
炙り白子の寿司
【語源】
マダラの語源は背面に斑紋、すなわち、マダラ模様がある事から
呼ばれる。日本で水揚される鱈(たら)には、このマダラと
スケトウダラ、コマイの3種類があるが、タラと言えば、この
マダラだと思ってよい。
白子の柳川風
【旬】
「鱈」タラの字のとおり、身は雪のように白く、雪のちらつく
1~2月、冬が旬である。
白子焼き(昆布のせ)
白子の天ぷら
【うんちく】
タラは非常に大食漢でエビ・蟹・タコ・貝など、何でも食べてし
まう。「鱈腹食う」とか、「矢鱈(やたら)」とか、「出鱈目(
でたらめ)」という言葉がこの魚から出来たとか・・・!
食欲もさることながら、性欲もすさまじく、マダラは一生に
10回ほど産卵し、一度に産む数は、なんと200~500万粒。
美味しいものを鱈腹食って・・・・・・!うらやましい人生(
魚生?)ですね!
マダラの卵・・・真子
たら子、明太子は実はこのマダラではなく、スケトウダラの卵巣。
マダラの卵巣は「真子(まこ)」と呼ばれ、煮付けなどにされ、
かなり美味。
市場では、この真子のことを「きん○ま」と言う恥ずかしい通称
で呼ばれています。(見た目そのまま・・・・)
白子の湯引き
卵はスケトウダラに負けますが、精巣、白子は最高級品。
高値で流通します。また、味もよく、湯引きや鍋などで食されます。
また「鱈は馬の息でも煮える」と言われるほど火のとおりが早く、
鱈料理のコツは火を通しすぎない事とか・・・!
鱈と白子こがしバターソース(フレンチ)
白子汁
【ブランド・産地】
ブランド化されていないが、下北半島、津軽海峡に面する青森県
脇野沢村で漁獲されるマダラは質が良いことで知られる。
干し鱈
また、歴史も古く、それは江戸時代までさかのぼる・・・・!
青森から、江戸の市場までこのマダラを「新鱈」と呼び、運んで
いました。「新鱈」とは腹をさかずに、口からエラ、内臓を取り
出し、塩を腹に詰め込んだ塩蔵品。
腹を切らない事から切腹を嫌う武家に珍重され、年越しや初午の
祝膳には欠かせなかったとか・・・。
また、東北地方では冬季の神事の際の供え物にもされている。
白子の柚子茶碗蒸し
【産地ならではの漁師料理】
タラは煮付け、塩焼き、フライ、バター焼き、鍋など、料理方法は
様々ですが、鮮度の良いものは昆布〆が最高に美味しい。
白子は湯引きして、ポン酢で・・・最高。
郷土料理では、干し鱈・棒鱈と、えび芋を炊き合わせた「芋棒
(いもぼう)」は京料理として有名。
また、青森県の漁師料理「じゃっぱ汁」もうまい。「じゃっぱ」と
は捨てる部分を意味する。頭、中骨、肝、エラ、胃袋、白子などを
大根やネギなどと味噌味で煮る料理。肝はすりつぶして、溶かし
込みます・・・・!聞くだけで美味しそうでしょ!
真鱈のじゃっぱ汁
そして、地元の漁師さんに鱈鍋のコツを聞いてきました。
「鱈を鍋にする時は下準備が命。タラの切身は真っ白になるくらい
塩をふりかけて、30分ほど寝かす。そしてよく水洗いし、鍋へ
入れるんじゃ。こうする事によって、よりタラの旨みを引き出せる
んじゃ・・・・」と! 試してみる価値あり!ですね。
マダラの切身
タラ鍋(肝、白子たっぷり)
【栄養と効果・健康】
脂肪の含有量が極端に少ない白身魚で、消化吸収もよい。
ダイエット食、幼児の離乳食などに向く食材です。
ミネラル類はカリウム・カルシウム・鉄・亜鉛をバランスよく
含み、ビタミンはB群が多め。一方、絶品の白子は、身よりミネ
ラル、ビタミンに富んでいるが、コレステロールも多い。
食べ過ぎには注意が必要です。
真鱈子のにこごり
白子のフライ
白子を使ったフレンチ
真鱈の煮付け
白子の塩辛
白子の明太子焼き
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