魴鯡(ホウボウ)
【語源】
海底を歩くと言うより、はっているように見えることから、
這う(はう)が転じてホウボウになったという説。
ボーボーと海底に響き渡るような音を出すことからその名が付いた
という説もあります。
ホウボウの出す音は、ウキブクロを筋肉で収縮させる事によって
出します。方法は違いますが同じように音を出す魚には、イシモチや
フグ、カサゴ、イサキ、アジなどがいます。音を出すのは相手を威嚇
したり、危険を仲間に知らせたり、放卵や放精の合図のためと考えら
れています。
【旬】
殿様に愛された魚。「君魚(きみうお)」とも呼ばれ、やんごとなき
人々に愛された魚です。味は淡白ですが、身が締まり鯛にも匹敵する、
非常に美味な白身魚です。
基本的に寒い季節が旬ですが、早春のホウボウの味は格別。
30cm前後のが特に脂ののりも良いです。
ホウボウの旬は、初春です。
ホウボウのにぎり寿司
【うんちく】
角張った大きく硬い頭を持ち、色は薄紫がかった美しい淡紅色です。
体の割に胸びれが大きく、その一部が3対の細い足のように変化して
います。胸びれを広げると縁は鮮やかな青色、内側はうぐいす色で青
い斑点が散っています。
この3対の足のようなヒレで海底を這うように移動することから、
這う(はう)が転じてホウボウと言う語源が有力です。
近縁種にカナガシラと言う魚がいますが、ホウボウよりも小型で
味も落ちます。
愛媛県の宇和島地方や北陸地方では、古くからめでたい魚として親し
まれてきましたが、これは、昔から赤ん坊の「お食い初め」などに
用いられ、ホウボウにちなんで「頭の骨が硬くなるように」、「夜泣
きをしないように」また、頭部の硬い骨板を鎧と兜にみたてて、「強
い子に育つように」いという願いが込められての事だそうです。
ホウボウをつかったフレンチ
【ブランド・産地】
ブランド化はされていません。主な産地は、東北地方、北陸地方、
九州などです。
ホウボウの刺身
【産地ならではの漁師料理】
料理方法は、和洋を問わない万能魚です。
鮮度の良いものは刺身が最高!その他椀だね、天ぷら、鍋なども美味
です。洋では、ブイヤベース、良いダシがでます。
しかし漁師さんは、「獲れたてのホウボウは刺身に限る。そして、
頭はじっくり煮込んで、煮こごりをつくるんじゃ。これがまた美味
い。ホウボウの煮こごりは知る人ぞ知る通な食べ方だよ~」・・と!
確かにゼラチン質の多い魚なので、煮こごりには向くかもしれませ
んね。
【栄養と効果・健康】
白身魚にしては脂質が多め。
ミネラル類もカルシウム・ナトリウム・カリウムなどを白身の割に
は多く含んでいます。
しかし、ビタミン類は全体的に少なめ・・・・!
変わった魚ですね~!
それだけに他にない味をかもし出すのかもしれませんね~。
ホウボウの胃袋と浮き袋の刺身
まずは押しとく~~~