高校時代の思い出で、お世話になった場所を書いていなかった。
高校から400mほどのところに病院があった。
その名を阿伎留(あきる)病院という。
地図で調べてみると、現在は公立阿伎留医療センターという名称に変わっている。
ゆきたんくは阿伎留病院が好きだった。
正確に言うと、阿伎留病院の売店が好きだった。
好きになったきっかけは、生涯唯一の骨折をしたことに始まる。
今は亡き、東京都立秋川高等学校の校舎と事務棟。この写真の奥400mのところに阿伎留病院があった。
バスケットボールをやっていた。
誰かがシュートを打った。
リバウンドしたボールを取ろうとして飛び上がった。
その時にゆきたんくより高く飛んだ奴に手にボールが触れた。
軌道が少し変わった。
そのボールはゆきたんくの手に収まらずに指の端を速いスピードでかすった。
その時に骨折をしてしまったようだ。
そして阿伎留病院の整形外科にお世話になる。
当然授業は休講して病院に迎う。
順番待ちで少し退屈である。
そんな時に目に入ったのが売店である。
今では珍しくなくなったが、アイスクリームのショーケースの中にチョコモナカアイスがあった。
ゆきたんくは、迷うことなく買って食べた。
友人たちは授業を受けている。
何か特権を得たような、気持ちの良さ。
何か体の調子が悪いなあと思ったらすぐに病院だ。
そして、調子が悪いという状況の中でアイスは必ず食べる。
まあ、高校の先生も馬鹿ではない。
ゆきたんくも何度もやっていばばれてしまうので、我慢が必要だった。
2か月に1回くらいは、そんなことをしていたと思う。
それは、高校2年秋、文化祭が終わって陸上競技部に入部するまで続いた。
それにしても、あの時のアイスは旨かった。
あの状況があってこその味だったと思う。