第四章 上高地は神降地であり
翌日、梓川の清流で目覚め、白樺の枝葉越しに清冽な流れを見つめたり、
そして朝の陽射しを受けた山すそを眺めたりしていた。
朝食後、『明神池コース』の散策に参加するまでの間、
河童橋から上流の50メートル前後の場所の遊歩道にたたずみ、
梓川の流れ、後方に陽射しを受けた穂高連峰の美景を観たりしていた。
尾根、雪が残っている沢筋を見つめたりし、
こうした景観があたかも額物に入った一幅の絵のようである。
私なりの構図を決めて、10数枚をデジカメで撮ったりしていた。
そして、ベンチに座り、煙草を喫いながら、
眺めていたが、見飽きることがない情景であった。
『明神池コース』に散策する人は、10数名であり、
私達は5名のグループとなって、NPGの若き女性のガイドに導かれて、
歩き出したのは9時であった・・。
左側に梓川を眺め、上流にある明神池への遊歩道であったが、
驚くほど平坦な路であった。
シラビソ、サワグルミ、ケショウ・ヤナギなどの樹木を眺めたり、
そして固い樹のイチイ、寒冷地に多いダテカンバも見つめたりしていた。
そして誰袖草(ダレソデグサ)、深山唐松草(ミヤマカラマツグサ)などと命名された
お洒落な草花をガイドさんより教示されて、
私は思わず微笑んだりした。
そして、この地域に6種類ほどの桜の樹種の中で、
最後に咲く白い花の終りを告げた顎(がく)がたわわに観られたのである。
こうした情景を眺め、樹木、草花を誉(ほめ)めながら、
1時間ほどの道程をゆったりと2時間ほどで歩き、
明神池の入り口周辺に到着した。
この地点でガイドさんと名残りほしく別れ、
私達夫婦は明神池に向かった。
この明神池は穂高神社の神域なので、
拝観料を払ったら、バンフレットを頂き、
明神池 神降池(かみこうち) と明示されていた。
明神池は、一之池と二之池に別れて折、一之池は水面に数多くの樹木もあった。
そして、柔らかな陽射しの中で、
マガモは子ガモを引率しながら、のんびりと遊泳したり、
岩魚もゆったりと水中を泳いでいた・・。
渡り鳥と知られているマガモであるが、
この地のマガモは飛び立つことがなく、この地で四季折々住みついている、
と教示させられたりした。
私はマガモにとっては、余程居心地の良いところかしら、
と思いながら眺めたりした。
この後、ニ之池に行ったが、岩があり、小島には白樺、松などが観られ、
私は生きている石庭と深く感じながら、この光景をしばらく見つめたりしていた。
下流にある河童橋までの帰路は、
左手に梓川を眺める治山林道と称された遊歩道を下った。
視界の開けた湿地帯には、レンゲ・ツツジ、シロバナ・シャクナゲを眺めたりし、
1時間半ほど歩き、河童橋に到着した後、
宿泊したロッジの前にあるベンチに座り、
休息をしていたら、若き女性のガイトさんが、
さりげなく呟(つぶ)いた言葉が思い出された。
『私・・神降地(かみこうち)という地名が・・
この地域一帯は相応しいと思うの・・』
私達夫婦は、食事処に入り、ビールを呑みながら、昼食としたが、
窓辺から梓川を眺めたりしていた・・。
http://www.gosenjaku.co.jp/meal/kappa.html
そして集合時間も近づいて来たので、
この上高地の光景に別れを感じはじめた・・。
《終り》
翌日、梓川の清流で目覚め、白樺の枝葉越しに清冽な流れを見つめたり、
そして朝の陽射しを受けた山すそを眺めたりしていた。
朝食後、『明神池コース』の散策に参加するまでの間、
河童橋から上流の50メートル前後の場所の遊歩道にたたずみ、
梓川の流れ、後方に陽射しを受けた穂高連峰の美景を観たりしていた。
尾根、雪が残っている沢筋を見つめたりし、
こうした景観があたかも額物に入った一幅の絵のようである。
私なりの構図を決めて、10数枚をデジカメで撮ったりしていた。
そして、ベンチに座り、煙草を喫いながら、
眺めていたが、見飽きることがない情景であった。
『明神池コース』に散策する人は、10数名であり、
私達は5名のグループとなって、NPGの若き女性のガイドに導かれて、
歩き出したのは9時であった・・。
左側に梓川を眺め、上流にある明神池への遊歩道であったが、
驚くほど平坦な路であった。
シラビソ、サワグルミ、ケショウ・ヤナギなどの樹木を眺めたり、
そして固い樹のイチイ、寒冷地に多いダテカンバも見つめたりしていた。
そして誰袖草(ダレソデグサ)、深山唐松草(ミヤマカラマツグサ)などと命名された
お洒落な草花をガイドさんより教示されて、
私は思わず微笑んだりした。
そして、この地域に6種類ほどの桜の樹種の中で、
最後に咲く白い花の終りを告げた顎(がく)がたわわに観られたのである。
こうした情景を眺め、樹木、草花を誉(ほめ)めながら、
1時間ほどの道程をゆったりと2時間ほどで歩き、
明神池の入り口周辺に到着した。
この地点でガイドさんと名残りほしく別れ、
私達夫婦は明神池に向かった。
この明神池は穂高神社の神域なので、
拝観料を払ったら、バンフレットを頂き、
明神池 神降池(かみこうち) と明示されていた。
明神池は、一之池と二之池に別れて折、一之池は水面に数多くの樹木もあった。
そして、柔らかな陽射しの中で、
マガモは子ガモを引率しながら、のんびりと遊泳したり、
岩魚もゆったりと水中を泳いでいた・・。
渡り鳥と知られているマガモであるが、
この地のマガモは飛び立つことがなく、この地で四季折々住みついている、
と教示させられたりした。
私はマガモにとっては、余程居心地の良いところかしら、
と思いながら眺めたりした。
この後、ニ之池に行ったが、岩があり、小島には白樺、松などが観られ、
私は生きている石庭と深く感じながら、この光景をしばらく見つめたりしていた。
下流にある河童橋までの帰路は、
左手に梓川を眺める治山林道と称された遊歩道を下った。
視界の開けた湿地帯には、レンゲ・ツツジ、シロバナ・シャクナゲを眺めたりし、
1時間半ほど歩き、河童橋に到着した後、
宿泊したロッジの前にあるベンチに座り、
休息をしていたら、若き女性のガイトさんが、
さりげなく呟(つぶ)いた言葉が思い出された。
『私・・神降地(かみこうち)という地名が・・
この地域一帯は相応しいと思うの・・』
私達夫婦は、食事処に入り、ビールを呑みながら、昼食としたが、
窓辺から梓川を眺めたりしていた・・。
http://www.gosenjaku.co.jp/meal/kappa.html
そして集合時間も近づいて来たので、
この上高地の光景に別れを感じはじめた・・。
《終り》