夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

嵐のコンサートチケット 高値転売容疑で25歳の女を逮捕を知り、やがて過ぎし年、ダフ屋に遭遇した苦い想いで・・。

2016-09-16 15:23:41 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住む年金生活し、
恥ずかしながら年男のまもなく下旬に誕生日を迎えると満72歳を迎える身である。

先程、ネットでニュースを見ている中、
【 嵐のコンサートチケット 高値転売容疑で25歳の女を逮捕 】と見出しを見て、
悪しき人がいるよなぁ・・と思いながら、クリックして記事を読んでしまった。

この記事は、『NHK NEWS WEB』が9月15日に配信されていた記事のひとつであり、
無断ながら転載させて頂く。

《・・人気アイドルグループ「嵐」のコンサートチケットを、インターネットのサイトで高値で転売したとして、
香川県の25歳の女が、古物営業法違反の疑いで、警察に逮捕されました。
            

警察は、女が2年前からチケットの転売を繰り返し、
1000万円以上の売り上げを得ていたと見て、さらに詳しく調べています。

逮捕されたのは香川県善通寺市のブリーダー、山中いづみ容疑者(25)です。

警察の調べによりますと山中容疑者は、みずから購入した人気アイドルグループ「嵐」のコンサートチケット5枚を、
去年11月から12月にかけてインターネットのサイトを通じて札幌市などの女性3人に、
定価の1.6倍にあたる総額およそ7万円で転売したとして、古物営業法違反の疑いが持たれています。

去年12月、札幌市の20代の女性から「嵐のチケットが高値で販売されている」という情報が寄せられ、
警察が捜査したところ、山中容疑者がチケットを大量に売買していることが分かったということです。

調べに対し山中容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているということです。
警察は、山中容疑者が2年前からおよそ300枚のチケットを売買し、
1000万円以上の売り上げを得ていたと見て、さらに詳しく調べています。・・》

注)原文にあえて改行を多くした。
            

私はたまたま音楽業界のあるレコード会社に35年近く勤めて2004年の秋に定年退職した身であり、
この後も何かと音楽業界の動向に習性のように注視しているひとりである。

こうした中、ここ10年はコンサート・ライブが活性し、ネットでチケット券が発売される業者も出現したり、
これを悪用して、一部の方が投機目的の買占めて、やがて高額転売する状況となっている・・。

過ぎし9月12日、国内有数56組のアーティストたちが、
「チケット高額転売取引の防止」共同声明をを、2つの国内音楽イベントが開催されてきた。
もとより純真なファンがチケットを定額で購入して、コンサートを鑑賞して頂く主旨であった。

私は記事を読み終わった後、音楽業界で最も販売実績(CD+DVD)とコンサート動員も突出している『嵐』を利用して、
チケットを高値で転売したり、
《・・2年前からチケットの転売を繰り返し、1000万円以上の売り上げを得ていた・・》と知り、
悪しき女の人、と思ったりした。

そして昔はダフ屋・・昨今はネットで高額転売かょ・・と苦笑を重ねたりした。
やがて私は、過ぎし30年近く前の頃、ダフ屋に遭遇した苦い想いを思い馳せたりした・・。
            

誰しも本、映画、音楽等で、ふとしたきっかけで、その作者にのめり込むことがあると思う。

私も音楽に於いて、ひとりのアーティストの出会いもそのような形であった。

私はあるレコード会社に勤め、この当時は情報畑に所属し、
平成元年の初め、昭和天皇が崩御された後、昭和から平成と年号の変換、
そして四月から消費税の対応で、睡眠時間を削りながら奮闘していた・・。

1月のある日曜日、昼過ぎまで寝過してしまい、パジャマ姿でぐったりしていた。
日曜日の夕方、疲れきった私は、パジャマ姿で家内が買物に行くのを見送ったりした。
そして足早に過ぎていく、夕陽を見ていた・・。

お茶を淹れた後、カセット・テープをラジカセに何気なしかけた。
そして、何曲目から、人の尊厳を問うかのように、流れ聴こえてきた・・。

♪エレーン
  生きていてもいいですかと 誰も問いたい
 エレーン
  その答を誰もが知っているから 誰も問えない・・(略)・・【『エレーン』 作詞、作曲・中島みゆき 】

私は聴きなが感極まって、目頭が熱くなり、涙があふれ出た・・。
            

このカセットテープは、倉本聰(くらもと・そう)・監督・脚本の『時計』オリジナル・サウンドトラックであり、
私の勤務する会社から発売され、試聴用として頂いたのを、初めて聴いたのであった。

この映画に使用された音楽は、金子由香利さんの『時は過ぎてゆく』、五輪真弓さんの『恋人よ』、
中島みゆきさんの『エレーン』、浜田麻里さんの『ハート・ライン』、高橋真梨子さんの『モノローグの九月』、
北原ミレイの『石狩挽歌』、森昌子さんの『越冬つばめ』等であった。

このように各レコード会社の所属する有数な歌手を使用したので、
発売先が問題があったが、テーマ曲が金子由香利さんであり、私の勤務先の会社で決まった、
と上司から聞いたりしていた。

私は初めて中島みゆきさんを心に留めたのは、この曲からである。

中島みゆきさんは他社に所属していたが、勤務先の関係より、
中島みゆきさんの名と曲ぐらいは、制作に直接に関係のない情報畑の私でも、
私の務め先でアイドル歌手用に、何曲か作詞・作曲をして頂だしたりしてきた。

たとえば、♪記念にください ボタンをひとつ 青い空に捨てます・・(略)・・【『春なのに』 作詞、作曲・中島みゆき 】
私からみれば、感性のあるシンガーソングライタのひとり程度だった・・。

そして『時代』、『わかれのうた』、『悪女』にしても、
当然知っていたが、何事もなく私の心は通りすぎて行ったのであったが、
心の中に溶け込んできたのは、この『エレーン』をきっかけとなった。
            

多くの方が魅了されたアーティストに対し、
初期作品から聴いてみたいと思うように、私の場合も同様だった。

中島みゆきさんのデビューアルバムの『私の声が聴こえますか』から『回帰熱』までのアルバムは、
私はまたたくまに購入した。
そして、多岐にわたる分野を書き分ける才能の豊かさには、圧倒された。

今、思い出しても、この当時に百回以上聴いた曲は、『アザミのララバイ』、『歌をあなたに』、『時代』、『冬を待つ季節』、『忘れるものならば』、
『ホームにて』、『時はながれて』、 『玲子』、『おまえの家』、『世情』、『根雪』、『小石のように』、『エレーン』、『異国』、『夜曲』、
『肩に降る雨』、『HALF』、『白鳥の歌が聴こえる』、『クリスマスソングを唄うように』、『ローリング』、『黄砂に吹かれて』、『群集』、
『儀式(セレモニー)』であったりした。

こうした中、随筆集も求めて精読したが、文体は軽く、随所とらえる感覚が鋭いところがある程度だったが、
意識的に、読みやすく工夫をしている、と解釈した。
放送は、わずかしか聴いていなかったが、随筆と同様と判断した。

そして、中島みゆきさんに関しての評論本も購入して読んだりした。

こうした結果として、中島みゆきさんの生命線は、やはり作詞・作曲、そして歌につきる、と深く思いながら、
コンサートを観る機会を待ち焦(こ)がれたりした。
            

コンサートまでの道のりは、遠かった・・。

平成元年(1989)11月、業界の注目の中で、『夜会』が公演された。

公演場所は、渋谷の東急文化村のシスターコクーンに於いて、
音楽と演劇を融合した形で行なわれると発表されていたので、
業界の内外の各専門家の間にも、無視できないような空気につつまれていた。

前売りの予約は好調だと聞いたりしていた。

私は予約も取れず、キャンセル待ちをわずかな望みを託して、勤務先の六本木から退社後、渋谷に行き、
やがて文化村に近づくと、花屋から『歌姫』が流れて聴こえてきた。

♪握りこぶしの中にあるように見せた夢を
 もう2年 もう10年 忘れすてるまで ・・(略)・・【『歌姫』作詞、作曲・中島みゆき 】


路上では、高校生らしい女の子の三人が、中島みゆきさんが工藤静香さんに
提供してヒットした『黄砂に吹かれて』を大きな声で唄っていた・・。

♪黄砂に吹かれて 聴こえる歌は
 忘れたくて忘れた 失くしたくて失くした ・・(略)・・【『黄砂に吹かれて』作詞、作曲・中島みゆき 】

この周囲の街は、中島みゆき、に染まっていた・・。
            

私はやはり『夜会』の人気は凄いと感じながら、シスターコクーン等のキップ売り場の窓口で、
『この公演の最終日まで完売でして、キャンセル待ちをされても、ダメだと思いますが・・』
と云われて、やはりね、と無念ながら公演場所を後にした。

そして、まもなく30歳前後ぐらいの男と女の二人に囲まれた。
『兄さん・・さぁ・・キップ欲しいだろう・・』
と30歳前後ぐらいの男が私に言った。

『いくら・・』
と私は、乾いた声で答えた。

そして私は定額の倍額程度まで覚悟していたが、相手方は三倍を超す値段だった。

『こんなに凄い人気のある公演にしたら、安いよ・・考えている場合じゃねえょ・・
兄さんさぁ、うかうかしていると、公演が始まっちゃうよ・・』
と追い討ちをかけてきた。

私はあきらめた・・。

私は歩き始めると、背後から声がした。
『お買い得だょ!!』
振り向くと、先程の30歳前後ぐらいの男から、若い二十代の男女のふたりが購入していた。

私は肩を落とし、『歌姫』の聴こえてくる街を抜け、渋谷の駅に向かった。
私は悔(くや)しさも隠し切れず、だけど中年は何かとお金がいるし・・家に帰って酒を呑もう、と思ったりした。
            

余談であるが、第一回 『夜会』の公演の鑑賞に敗退した私は、      
翌年、平成2年はコンサートのキップを手に入れる方法を模索した。

やがて雑誌『ぴあ』等で検討した結果、まもなくファンクラブに入会した。
確か10月頃だった、と思う。第2回の『夜会』を申し込んだ。

抽選の結果、念願のキップを手に入れ、最近は、行いが良かった、と思い、ときおり独り微笑んだりした。
そして公演日は平成2年11月29日であり、私は少し高揚しながら鑑賞した。

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 シニア日記ブログへにほんブログ村
人気ブログランキングへ

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする