私は現役サラリーマン時代は、音楽業界のあるレコード会社に35年近く勤めて、
何かと週刊誌の音楽情報専門誌の『オリコン』、ビジネス全般として『日経ビジネス』、
月刊誌の『日経トレンディ』、
そしてテレビ・CM・音楽・映画界などの『日経エンタテイメント』を購入し、精読していた。
或いは、もとより音楽の業界紙も読んでいた・・。
私は2004年(平成16年)の秋に定年退職後、年金生活をしてきたので、
久々に最近の音楽は・・と思いながら今回の『NHK紅白歌合戦出場選考の“新基準” 、
サブスク歌手全盛時代のデメリットシニアの心に響く歌・・』の記事を、
読んでしまった。
無断であるが、記事を転載させて頂く。
《・・19日、第72回NHK紅白歌合戦の出場歌手43組の発表があり、
白組初登場は6組、紅組は4組となった。
特に菅田将暉と有村架純(28歳)がダブル主演した映画「花束みたいな恋をした」の主題歌で
話題となったロックユニット「Awesome City Club(オーサムシティークラブ)」や
ニコニコ動画初の歌い手で、YouTube登録者数は322万人を誇る「まふまふ」、
17年に発表した「猫」が昨年からロングヒットしている「DISH//」など
ネットや若者に支持されている初出場歌手が目立った。
ネットの反応は、<報じられた名前だけは、いろんなとこで見たけど、曲を知らなかった>
<サブスクでよく目にするけど、TVでも街中でも、聴いたことがない>
<紅白の発表で、初めて名前を知った>と、
サブスクリプション(定額聴き放題)やYouTubeの再生回数で1億回再生を突破しても、
「誰もが知っているヒット曲」という認識には至っていない。
昨年の紅白初出場となったYOASOBI「夜に駆ける」や瑛人「香水」、
NiziUの「Make you happy」などのヒット曲は、すべて配信シングルで、
いずれもサブスク再生数(定額聴き放題)が2億回を突破しており、
「サブスクでの再生回数2億超え」が、最近の紅白出場の新基準となっていることがうかがえる。
音楽は、サブスク(定額聴き放題)で「聴く」時代となり、
YouTubeやTikTokなどのSNSで「知る」時代となった。
今年9月に公開されたビルボードジャパンのチャートにおけるストリーミングの集計で、
ここ最近のリリースで2億回を超えた楽曲は、
Adoの「うっせぇわ」、
優里の「ドライフラワー」、
Awesome City Clubの「勿忘(わすれな)」、
平井大の「Stand by me, Stand by you.」、
DISH//の「猫」などがある。
確かに“大ヒット”なのだろうが、ピンとこない人も多いようだ。
「定額制にすることで、新たな曲と出合いやすい時代になっていますが、
サブスク(定額聴き放題)は、購入数ではなく、あくまで再生回数でしかありません。
つまり、楽曲をコンスタントに買い続けるような熱烈なファンが生まれにくく、
『なんとなく知ってるけど、そこまでの思い入れがない』、
『続けて音楽を聴くほどの熱量はない』、
『一発屋アーティストが生まれやすい』
といった負の側面もサブスクには存在しています」(音楽ライター)
サブスク(定額聴き放題)で音楽を聴く層は、
自分で好きなメディアを選別する傾向もあり、必ずしもテレビ視聴には結びつかない。
今後、誰もが見て盛り上がれる紅白歌合戦をつくっていくことは
ますます至難の業になっていきそうだ。
国民的アーティストが生まれにくくなって久しい。
テレビから「音楽の流行」が生まれる時代が終焉を迎えようとしているようだ。・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
浦島太郎のような真情と感じたり、
或いは歌を忘れたカナリアのような心情となり、苦笑してしまった・・。
満二十歳となり、まもなく大学2年の時に中退し、
アルバイト、契約社員をしながら映画、文学青年の真似事をしたが、やがて敗退した。
そして何とか大手の民間会社に中途入社する為に、
あえて苦手な理数系のコンピュータの専門学校に一年通い、
困苦することも多かったが、卒業した。
やがて1970年〈昭和45年〉の春、この当時は大手の音響・映像のメーカーに何とか中途入社でき、
そして音楽事業本部のある部署に配属されたのは、満25歳であった。
まもなく音楽事業本部のあるひとつの大きなレーベルが、外資の要請でレコード専門会社として独立し、
私はこの新設されたレコード会社に転籍させられたりした。
こうした中で、制作に直接かかわらないコンピュータを活用した情報畑を
20年近く配属されたり、経理畑、営業畑などで奮戦した。
この間、幾たびのリストラの中、何とか障害レースを乗り越えたりした。
こうした中で、1998年(平成10年)に中小業の多い音楽業界全体の売上げピークとなり、
この少し前の年から各社がリストラ烈風となり、やがて私も出向となり、
各レコード会社が委託している音楽商品のCD、DVDなどを扱う物流会社に勤めたりした。
そして遠方地に5年半ばかり通勤し、何とか2004年(平成16年)の秋に出向先で、
定年を迎えることができたので、敗残者のような七転八起のサラリーマン航路を過ごした。
このように私のつたないサラリーマン時代であり、もとより一流大学を卒業され、大企業、中央官庁などに
38年前後を邁進し栄達されたエリートとは、遥かに遠い存在であり、
何かと半生記は自慢史が多い中で、私は砂漠にある一粒の砂に過ぎない、と感じ深めたりしている。
このように悪戦苦闘の多い中で、敗残者のような状況であったした中、
この当時は大企業も盛んにリストラが実施されていた。
こうした中で、私が定年後に新たな職場を探しても、これといった突出した技術もなく、
何よりも遠い勤務先の出向先で、私なりに奮闘して体力も気力も使い果たしてしまい、
その直後から年金生活を始めた・・。
確か15年前の年金生活3年生の頃、退職後初めて月刊誌の『日経エンタテイメント』を購入し、
特別付録として、『10年間がまるわかり! テレビ・CM・音楽・映画・ゲーム ヒットランキング BOOK』を読み、
溜息を重ねたりした・・。
こうした中で、『エンタ界はこの10年で何が変わったのか?』と記載されていた中で、
《お茶の間で楽しむ時代から、個人で楽しむ時代に》という見出しであって、
私なりにこの当時の10年を思い浮かべながら、精読した。
執筆されたお方は、麻生香太郎さんと思われるが、無断であるが、引用させて頂く。
《・・10年前の1997年と現代に比べ、
エンタテインメント業界を大きく変えたのは、やはりツールの変化だろう。
音楽を聴くハードは、CD/MDウォークマンからiPodへ。
テレビは、ブラウン管から液晶テレビへ。
録画は、VHSビデオからDVDレコーダーへ。
撮影は、銀塩カメラからデジタル・カメラへ。
バソコンは、1家に1台から1人1台に近づき、
ケータイも進化して、将来は映像配信までに視野に入っている。
ワンセグ・チューナーも最早珍しくない。
ゲーム機では、DSがヒットし、男の子だけでなく、女の子から大人までが持っている。
つまりは、テレビも音楽も映画もゲームも
『基本的には1人で、いつでもどこでも誰にも邪魔されず楽しみたい』ということだ。・・》
この事は真摯に考えれば考える程、正鵠である。
最も私は、ゲーム、ケータイを知らない人である上、
iPodは利用したこともなく、恥ずかしながら使えないでいる。
かくして、余りに大きな変貌した時代だった、と実感している。
私は時代遅れの老ボーイとなってしまったが、今でも、ときおり魅了されたアーティストには、
CD、DVD販売店からカタログ商品を購入している。
特にアルバムの場合は、アーティスト自身が創作された曲に対する思い、曲順のこだわりがあるから、
そのアーティストを知るには、最適と確信している。
私は魅了されたアーティストに対しては、アルバム等の発売された曲を時系列に、深い思いを寄せている。
そのアーティストの人生の軌跡を確認する上で、欠かせないからである・・。
最近のお若い人達は、こうした思いはどうしているのだろうか、
と余計なことを思ったりしている。
私は定年退職をしてから、早や丸17年と歳月が流れているが、
レコード、カセット、CD、DVDを3000枚前後があったりしたが、
甥や友人に上げたりしてきた・・。
そして日本大震災後、老後のことを配慮して、やむなく整理した結果、
1000枚前後となってしまい、やがてレコード、カセットは処分してしまい、
CD、DVDをその日に応じて聴いたりしている。
こうした中で、ときおりYouTubeで、きまぐれに好きな曲を視聴したりしている。
現役サラリーマン時代は、時のベストテンのあまたの歌は
職務さながら聴いたりしていたが、
ここ数年のヒット作品としては、あいみょんさんの『マリーゴールド』に、
魅了される以外は殆ど無知であり、微苦笑したりしている。