昨夜、ヤフージャパンより配信されたニュースを見ている中、
『 「自然死させてください」父が記した言葉…
終末期医療へ「リビングウィル」 残すなら元気なうちに 』、
と題された見出しを見たりした。
こうした中で、いつの日にか、どちらかがあの世に旅立つが、
何かと気弱な私は、末期に病院で治療を受けると思われるが、
出来る限り痛みが少なく、この世とサヨナラをしたい、と念願したりしている。
過ぎし18年前、漠然としながら、「ピンピンコロリ」と死去できれば・・
と思ったりしていた。
しかしながら11年前の頃、私は「ピンピンコロリ」は難しい、
とネットの記事で学んだりした・・。
がん医療の権威で終末期医療に詳しい大野竜三医師(愛知県がんセンター名誉総長)は、
『・・ピン・ピン・コロリ。それは中高年なら、誰もが願う生き方でしょう。
でも、そう簡単なことでは、ありません。
現実的に60歳以上の日本人がコロリと逝くとしたら、
心筋梗塞か、脳出血か、脳血栓かと思いますが、
救急搬送されれば、救命措置が施されるでしょう・・』
と私は学び、苦笑したりした。
この後、老衰死は、なぜ安らかに逝けるのか、
江別すずらん病院認知症疾患医療センター長の宮本礼子さんが、
公表された記事より学んだりしてきた。
飲み込む力も衰えます。
体が栄養を必要としていないのです。
飢えているわけではありません。
その時、点滴や経管栄養を行なわず、
食べられるだけ飲めるだけの自然な経過に任せることで、
老衰死を迎えられる。
脳内麻薬の一種である『β-エンドルフィン』や、
肝臓で生成され脳の栄養源となる『ケトン体』という脂肪酸の代謝産物が
増えることがわかっています。
これらには、鎮痛・鎮静作用があります。
そのため、眠るように死に至ると考えられています」・・》
何かしら痛みがないどころか、
この脳内麻薬によって快楽さえ感じながら、絶命すると考えられている、
と別の専門医師からも付記されていた。
このように学んできた私は、今回の《・・終末期医療へ「リビングウィル」、残すなら元気なうちに・・》って、
この記事は、読売新聞社の公式サイトの医療【 ヨミドクター 】に於いて、
11月23日に配信され、無断であるが記事の大半を転載させて頂く。
《・・
☆備える終活
今年1月に亡くなった実父が残した書類を読み返す熊谷幸恵さん(札幌市中央区で)
「死期が迫り、苦痛を訴える力もうせた状態になりましたら、
延命処置をせず、自然死させてください」
札幌市在住の熊谷幸恵さん(56歳)の父親が2017年に記した文書には、
終末期の医療の希望が明記されていた。
そして2020年7月、父親が重度の認知症を抱えて
江別すずらん病院(北海道江別市)に入院した際、この文書が病院に提出された。
医療現場では、技術の進歩で、自力で呼吸や食事ができなくなっても、
人工呼吸器で、体内に酸素を送り込んだり、
腹部に穴を開けて、管から栄養を胃の中へ入れたりする「延命処置」が行われている。
ただ、本人が望んでいるかどうか、わからないまま行われることも多い。
父親は11月になると、食べる量が減って、終末期に入り、
家族は、担当の宮本礼子医師と今後の栄養について話し合った。
その結果、本人の意思を尊重して、
点滴や、鼻や胃に入れた管から栄養を送る延命処置は、行われなかった。
そして今年1月、熊谷さんに見守られ、父親は穏やかな表情で亡くなった。
このように終末期の医療の希望について、
判断能力があるうちに、自分の考えを記しておく文書は、
「リビングウィル」と呼ばれる。
熊谷さんの父親は、自分自身の「死に方」について、日頃からよく話していた。
そのため、熊谷さんがリビングウィルに記載された意思を知った時に、
驚きはなかったという。
そして本人の意思を尊重したことで「よい死に方ができた」と納得しているという。
☆法的効力なし
ただ、リビングウィルの普及について、
日本尊厳死協会北海道支部長でもある宮本医師は
「患者側から提出されることは、まだとても少ない」と話す。
リビングウィルがないと、家族や医師は、延命を行うべきかどうかで迷う。
そのため「少しでも長く生きてほしい」と、延命処置を選ぶ家族が多くなる。
数多くの患者の終末期に立ち会ってきた江別すずらん病院の小野寺亮太・主任看護師は
「まだ元気だと思っているうちに、認知症になってしまい、
リビングウィルを残す機会を逃してしまう人も多い」と指摘する。
死期は、突然ふりかかることもある。
望む形で迎えたいなら「縁起でもない」、「まだ先のこと」と思わず、
早めに取り組みたい。
日本尊厳死協会などが、文例を紹介しているので参考になる。
ただ、リビングウィルには、法的効力はなく、
最終的な終末期医療の判断は、家族や医師に委ねられる。
事前に自分の希望を話し、理解してもらうことも大事だ。
厚生労働省も終末期医療について、本人が家族や医療・ケアチームと話し合う「人生会議」の普及を促している。(栗原守)
☆話し合い、考え共有が大事
日本臨床内科医会の近藤彰副会長に聞いた。
地域の「かかりつけ医」として、
人生の最期まで支え続ける医療活動を目指す日本臨床内科医会として、
独自に「私のリビングウィル」という冊子を作成して啓発活動をしています。
リビングウィルを通じて、患者の生きがいのある生、尊厳ある死についての考えを、
共有していきたいと考えています。
医療技術の発達により、人の死期は少しずつ先送りできるようになっています。
しかし、判断力が衰えていく中で、回復の希望がない延命処置を避けたいという人が、
多くを占めるようになっています。
そこで本人の意思決定能力があるうちに、
家族と医療・介護従事者を交えて話し合い、考えを共有することが大事です。
本人の価値観、死生観などを共有できれば、
本人に意思疎通の能力がなくなっても、家族や医師が迷うことなく、
終末期の対応ができます。
話し合いの中で、意見が変わっても構いません。
リビングウィルは、何回でも書き直しできます。
最大限の延命処置を望むという結論でも、問題ありません。
穏やかな表情で、望む形で臨終を迎えてもらうために、リビングウィルは大事な選択肢だと思います。(談)・・》