夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

新型コロナ禍の中、夫婦高齢者無職世帯の家計収支の変貌、77歳の私は学び、苦笑して・・。

2021-12-04 15:38:31 | 喜寿の頃からの思い
昨夜、講談社の公式サイトのひとつの【現代ビジネス】を見ている中で、
『「老後資金2000万円問題」が、じつは「まったく新たな展開」を迎えていた・・・! 』、
と題された見出しを見たりした。

こうした中、我が家の生計は原則として、
私たち夫婦は、お互いに厚生年金とわずかな企業年金を頂いた範囲で、
日常生活を過ごすことを原則としている。

そして耐久品の購入、冠婚葬祭、そして私たち夫婦の共通趣味の国内旅行に関しては、
程々の貯金を取り崩して、丸17年間を過ごしてきた・・




過ぎし年、私が定年退職後のセカンドライフについて、家内と話し合ったのは、
定年退職時の5年前のリストラ烈風の中、私は出向となったのは55歳の時であった。

もとより老後の資金の予定額も必要で、経済にも疎(うと)い私は、
経済ジャーナリストの荻原博子さんなどの数多く著名人の寄稿文を読んだりした。

そしてデフレ経済の蔓延している中、定年時に持家(マンションか戸建て)のローンは返済完了となり、
預貯金が3000万円あれば、公的年金を受け取りながら堅実に年金生活をし、
少しづつ取り崩して生活すれば、少しゆとりのある年金生活ができるかしら、と学んだりした。

このように私は、経済ジャーナリストの荻原博子さんを信頼し、
何かと年金生活のお金に関しての指針のような御方と感じ深めてきた・・。

そして今回の記事は、荻原博子さんの寄稿文と知り、
ご教示をお願い致します、と心の中で呟(つぶや)くように記事を精読してしまった。

この記事は、【現代ビジネス】に於いて、12月3日に配信され、
無断ながら、荻原博子さんの寄稿文の殆どを転載させて頂く。

☆「老後資金2000万円問題」の今

『老後の資金がありません!』という映画が話題になっています。

それは、老後のお金に不安を持っている人が、たくさんいるからでしょう。

老後のお金については3年前、
金融庁の審議会が「老後資金が2000万円不足する」という報告書を出し、大騒ぎになりました。

この報告書は、総務省統計局の調査をもとにしたもので、
高齢者世帯は、収入に比べて、支出が月に約5万円多く、
これが30年続くと、生活費だけで約2000万円のお金が不足するから、
貯蓄を切り崩して、いかなくてはならないというものでした。

この話を聞いて老後資金を作るために、
慌てて投資を始めた人も多いのではないでしょうか。
中には詐欺まがいの怪しい「儲け話」に騙されてしまった人もいるかもしれません。

第21回 市場ワーキンググループ 厚生労働省提出資料より

 

ところが、新型コロナ禍で、状況が一変しました。

「老後2000万円不足問題」で衝撃を受けた高齢者が、
新型コロナを期に、お金を使わずに貯め込むようになったのです。

外出が減り、娯楽費や交際費が大幅に減っただけでなく、
19万1880円だった社会保障給付費が、21万9976円へと約2万円増えています。

2020年は、一人10万円の現金給付があったので、
この一部が貯蓄に回ったのではないかとも推測されます。

結果、2020年の総務省の調査では、月約5万円だった赤字が消えただけでなく、
一転して1111円の黒字となったのです。

つまり、あれだけ大騒ぎした「2000万円問題」というのは、
一時的な統計結果を元にした計算上の「問題」だったというわけなのです。

では、これからは同じようなことにはならないのでしょうか。

2020年は色々な点で特別な要因があったのは事実ですが、
この状況は、今後も続く可能性が高いと、私は考えています。
つまり「2000万円問題」が再び騒がれることはないのではないか、ということです。


新型コロナが終息し、リベンジ消費が始まるなどと言われていますが、
それは極めて限定的でしょう。

なぜなら、コロナ禍で多くの人が
「自分の身は、自分で守らなくては、政府もあてにならない」と感じたからです。

菅義偉前首相が所信表明演説で強調した「自助」の精神は、
皮肉なことに、コロナになった人を入院させることすらできなかった政府の無策を目の当たりにして、
多くの人の心に刻み込まれたような気がします。

つまり、今後も支出が増える可能性は低いのです。

 
 

☆65歳を過ぎても働く!

一方、収入の方はどうでしょう。

あまり知られていないかも知れませんが、
新型コロナ禍の中で、老後の働き方に関わる大きな制度の変化がありました。

高齢者を働かせるための法律改正が行われたことです。

これまで高齢者は65歳までは、本人が望めば、会社に勤められることになっていました。
この高齢者雇用安定法がバージョンアップし、
2021年4月からは、企業への努力義務ではありますが、
本人が望めば70歳まで働けるようになりました。

2022年4月からは、60歳から65歳までの年金カットも緩和されるので、
稼げるだけ稼ぐという人も増えるでしょう。

さらに、年金を遅らせてもらう繰り下げ支給の年齢も、70歳から75歳になりました
(対象は、2022年4月1日以降に70歳に到達する人)。

加えて、65歳以降に働くと、今までよりも年金が有利にもらえる改正も行われました。

つまり、国を挙げて高齢者に「働け!」という環境を整えたということです。

これについて「死ぬまで働けと言うことか」と文句をいう人もいますが、
働くことを義務づけているわけではありません。

むしろ働いて収入をアップさせたい高齢者にとっては、
悪い話ばかりではないでしょう。

高齢者でも、働いて稼ぐ人が増えることが予想され、
いっぽうで自分の身を自分で守るために、消費をセーブすれば、
高齢者家庭の5万円の生活費不足は、解消され続けるでしょう。

 

☆「介護費用」は、ひとり500万円を確保

新型コロナを期に、幸いなことに(?)、
家計の「老後2000万円不足問題」は解消したかに見えますが、
すべてが解決したわけではありません。

忘れてはいけないのは、老後には、生活費だけでなく、
老後に特有のお金がかかるということです。

それは、「介護費用」と「医療費」です。

先程の「老後2000万円不足問題」というのは、生活費に限った話です。

それが解消したとしても、それで「生きていくことはできる」としても、
それ以外に老後には「介護費用」や「医療費」の準備が必要ということです。

では、実際に、どれくらい準備しておけばいいのでしょうか。

「介護費用」については、生命保険文化センターが
「生命保険に関する全国実態調査」というアンケートを実施しています。

これによると、一時的にかかったお金が平均69万円、
月々かかったお金が平均7・8万円。介護期間は平均54・5ヶ月でした。


これから計算すると、平均的な介護状況なら、
ひとりあたり約500万円、夫婦で1000万円ということなります。

 

☆老後の「医療費」は200万円を確保

一方の「医療費」については、高齢者の方は、
それほど心配する必要はないと思います。

日本では、医療費は基本的には本人が3割負担で、
70歳になると2割負担という人が多く、75歳以上だと1割負担という人が多いからです。

しかも、「高額療養費制度」で、さらに負担額が減ります。

表は、70歳以上の負担額です。


年収が約370万円までなら、100万円の入院費がかかろうが、
200万円の入院費がかかろうが、健康保険の対象内なら月5万7600円。

夫婦で同じ保険なら、家族合算できるので2人で最大5万7600円。
しかも入院が長引くと、4ヶ月目からは4万4400円になります。

今は病院も、そんなに長く入院させてくれないし、
長引いたら、介護に回されますから、
老後の医療費は200万円を目処に準備すればいいと考えておけばいいでしょう。

ここに葬式その他もろもろのことを考えると、
「介護費用」と「医療費」と「その他」で、1500万円くらいは
イザという時のために準備しておきたいということです。


総務省統計局の調査では、家族が2人以上で、
世帯主が65歳以上で無職の世帯の貯蓄額は、平均で2292万円です。

今のご老人は、退職金もソコソコもらっていますから貯金を持っています。
介護やその他に費用がかかっても、
ある程度は対応できると言っていいかもしれません。 (略)・・ 》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。 
 
 

今回、私が信愛している経済ジャーナリストの荻原博子さんの寄稿文を読み、
これからの多事多難の時代になっても、堅実に人生の晩秋期を過ごせば、
生活苦にならないであろう、
と思い深めたりした・・。

もとより裕福な御方は、お金に心配なく、安楽に過ごせ、
不幸にして、所得が低い「住民税非課税世帯」に対し、言葉はない。

厚生労働省は、年金受給者のモデル世帯を『夫婦で約22万円』と設定しているが、
夫の年金が、年211万円(月額約17・5万円)より少なく、
妻の国民年金が月額約6・5万円程度であれば、住民税非課税となる、
と私は学び、驚嘆したりしてきた。

そして住民税非課税の対象者は、約3100万人などと推計され、
そこには多くの年金受給者が含まれていると学び、震撼させられてきた。

住民税非課税世帯で年金受給者は、年金から天引きされる健康保険料や介護保険料などの負担も少なく、
医療費が抑えられる『高額療養費制度』の自己負担上限額も低くなる、
と学んできたので、多少の救済策が実施されてきた。



私は35年近いサラリーマンの悪戦苦闘の多い人生航路を卒業し、
一流大学を卒業され、大企業、中央官庁などに38年前後を邁進し
栄達されたエリートとは、遥かに遠い存在であり、無縁である。

こうした中で、サラリーマンの平均のような通信簿『3』の中庸に似た存在であり、
栄進された御方もほんの一部がいたが、
特にリストラ烈風で退職を余儀なくされた御方には、哀歓を増し、
痛みを感じ深めてきたので、住民税非課税世帯には、ご容赦を願いたい。
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