《・・また医療崩壊が起きてしまうのか。

若者に感染が広がっているオミクロン株が、
とうとう重症化しやすい高齢者へ、ジワジワと広がり始めている。

高齢者の感染が増えているのだ。
第5波でも最初に若者の感染者が増加し、遅れて高齢者に感染がうつっていった。
このままでは、第6波も同じ道をたどりかねない状況だ。


■医療崩壊招いた第5波再来か

全国で最も早くオミクロン株が拡大した沖縄県では、
70歳以上の感染者の割合は、4日時点で3・5%だったが、18日には8・3%に上昇。

沖縄県疫学統計・解析委員会によると、18日に367人だった入院者数は、
今週末までに650~750人に増える恐れがあるという。

東京都の70歳以上の感染者の割合は現状、約4%だが、
この先、沖縄同様、急速に拡大しかねない。

ヤバいのは、高齢者の感染が増えることで重症患者が増加し、医療逼迫を招くことだ。

既に東京都では19日時点で、国基準の重症者数が313人と、
1週間前から約1・5倍以上に増えている。

高齢者へのワクチンの2回目接種は、昨年7月末に対象の約8割が完了。
すでに約半年が経過しているから、予防効果が、ほとんど消えている恐れがある。



神戸大病院の研究チームが、3回目接種を済ませた医師65人を調査。
オミクロン株の感染を抑制する「中和抗体」の保有率は、
2回目のワクチン接種の2カ月後は23%だったが、6カ月だと5%に低下するという。

重症化しやすい高齢者の大半が、“ノーガード”状態になっているということだ。

昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)はこう言う。

「現状は、ワクチン接種対象外の子供や、社会活動が活発な若年層に感染が広がっています。
こうした若年層が家庭にウイルスを持ち込み、高齢者に感染させるリスクが高まってきています。

オミクロン株は、弱毒化しているといっても、
抵抗力の弱い高齢者が、重症化する可能性は拭いきれない。

重症患者が次々と入院することになれば、病床に余裕がなくなるだけでなく、
多くの医療従事者が対応に当たらざるを得ませんから、医療崩壊を起こす恐れがあるでしょう。
ブースター接種を早期に進める必要があります」

医療崩壊を招いた第5波のように、
入院できずに、自宅で死を迎える患者が出てしまっては最悪だ。・・ 》