夢屋庭園の片隅に『スズラン』が咲き始めました。私、夢屋が幼学舎に通園
していた頃、亡き祖母に持って行かされた記憶がありますので、彼これ40年
以上、同じ場所に毎年咲いていることになります。私が大きくなったのか、
スズランが小さくなったのか…。手入れもしていないので根が混み過ぎて、
株が小さくなってしまったようです。
秋口には、植え替えてやろうかと思うのですが、雪囲いの時期に重なり、ど
うしても、なおざりになってしまいます。耳学問で、スズランには毒がある
位の知識はありますので、採って食べようなどとは思いませんが、夢屋庭園
には、半世紀以上、同じ季節そして同じ場所に芽吹く植物があります。
斑入りの『オオバギボウシ』、鑑賞用です。驚きは、我が家の古老の父親、
つまり、私、夢屋の祖父が植えたものだそうですから、彼これ70年近く
ここに居座っております。
そして、『ギンボ(オオバギボウシ)』、我が在所では『ギンボ』と呼んで
葉柄を「水煮さば缶」と煮込んで食べます。これもまた肥料をやるでもなく
毎年、出てくるのですが、昔から大きな疑問がありまして…。私自身は、
『ギンボ』と『ウルイ』は、似て非なるものと教えられてきました。
ところが、ネット植物図鑑では、「ウルイ=オオバギボウシ」とひとくくり
です。せいぜいが、野生の「オオバギボウシ」と「バイケイソウ」を誤って
食べないように…「バイケイソウ」には毒があるから…ということ位です。
これが、夢屋農園の片隅で「根わさび」に押されながらも、細々と生き
残っている『ウルイ』なのですが、どうも違いが分からない。『ウルイ』
は、葉柄の根元が白い。(これは、遮光栽培するからで、本質的ではない)
『ウルイ』は、お浸しで食べる。(ギンボも食えないわけではない)
やはり、ここは古老の出番である。
「ギンボとウルイは、どごが違うなや?」
「ギンボは家の裏さででっぺ(生えているだろう)、ウルイは、畑の南さ
あっぺ(あるだろう)」
「んだなぁ、ギンボは葉脈が細かく、ウルイは葉っぱが少し大ぶりだ。」
「的確なご教示、ありがとうございます。」
ん~。確かに我が家で言う『ウルイ』の葉柄は、『ギンボ』より肉厚である
ような気がします。葉も全体的に大ぶりであることは間違いありません。
しかし、「種(シュ)」の違いまでは無いような気がします。品種登録され
た栽培品ではありませんから、在来種が累代栽培された結果、変異・特性を
そのまま作り分けしているのかもしれません。
いずれにせよ、亡き祖母がやっていた『ウルイ』の遮光栽培を再興するため
には、今年、細々と残る『ウルイ』を株分けし、来年に備えなければなりま
せん。同時に家の裏にある『ギンボ』を同一条件下で栽培すれば、私の悩み
は、即座に解決するはずです。
悩みを解決するのに1年がかり、これもまた悠長な話ですが、遺伝子鑑定
するほどの問題でもないので、ゆっくりやりますわ…。