題名とは何の関係もありませんが、恒例の夢屋庭園の花『マイヅルソウ』という山野草です。
『さなぶり』とは、我が在所で「田植え終い」を言います。「早苗」「振る舞い」の短縮系
ではないかと思うのですが、言語学や民族学を修めた訳ではないので、あくまで自論です。
昔は、手植えでしたから、大きな農家では手伝い徒が必要で、田植えが無事終了したことと、
今年の豊作祈願、さらに、自らの家族と手伝い徒への慰労が主目的の行事といえます。
男衆は酒を、女衆は御馳走をいただき、小さな切り餅を油で揚げた、手造りの「おかき」を
「フキ」の葉や「オオバギボウシ」の葉に包んで、家の子どもたちに振る舞われました。
時は廻り、機械植えが主流となった今でも、やはり田植えが終われば『さなぶり』と称して、
気持ばかりの御馳走と酒をいただきます。(さなぶりでなくとも毎晩頂いています…^^;)
今年は、我が家の古老が体調不良で入院してしまい、母は認知症でグループホーム。
息子のポン太郎君も神奈川の大学に行き、私ひとり。近所のS.H.さんにお願いし、6条植えの
田植え機で1時間半。いつもの年は、後始末は古老の役割でしたが、今年は角植えをし、苗箱
を洗って、水の調整をする。
4年ほど前までは、苗箱運びを私が担当し、角植えは古老が行ない、母が苗箱を洗うという
そこそこの分業が成立していたのですが、ひとりの作業は、初めてです。
古老のボケ防止にと続けてきた水田ですから、古老が動けなくなると、臨時代行の私がやるの…?
夕方、後片付けを終え、我が家の『さなぶり』は、初めて妻とふたりきりの行事となって
しまいました。それは、それなりに会話が成立しましたが…サビシイ…。