夕食時に『トトロの都市伝説』を家族に披露しました。お返しに長女が、『TPPと生卵』の話題を提供してくれました。TPP(Trans-Pacific Partnership…環太平洋戦略的経済連携協定)に参加すると「卵かけご飯」が食べられなくなる。何じゃいそりゃ~? ネットで仕入れた話題らしい。
どうやら、生卵を食する文化は、日本とフィンランド辺りしかなく、いかなる貿易障壁をも取り除くというTPPの骨子から、サルモネラ菌に汚染された卵も自由に輸入され、恐くて生卵が食べられなくなるという発想らしいのですが、確証が得られません。JA全中(全国農業協同組合中央会)は、当然の如くTPPへの参加は反対であり、請願署名用紙が回って来た記憶がありますが、署名もせず回付した気がします。
第一、主義主張の本質が見えて来ない。反対論者は、TPPの加入によって日本農業は壊滅的な打撃を受けると主張されるが、既に日本の農業は、一定規模の農家を除けば壊滅しているのであります。食の安全を拝金主義が駆逐し、工業製品並みに規格を厳格化して付加価値を上げる。いくら安全な食品を生産しようと思っても、主要な食材が、レトルトとカップとスナックの子どもたちに、安全を押し売りしても何の意味があるのでありましょうや。「農の崩壊」というよりも「食文化」が崩壊してしまっているのであります。
『夢屋王国』内の農産物は、ほぼ無農薬栽培状態でありますが、だからといって高く売れるものではなく、ご近所や職場の同僚に配られて終わってしまう程度の量であります。
曲がったキュウリも含め、奇形果が出来上がれば、面白い話題にはなりますが、市場価値は無い状態になります。極論を発して、こうした奇形は放射能の影響では…?などと、無責任な解説をして下さる方も居る。どれだけのことを知っていて、どれだけのことを知らないのか。食べるという最終摂取者であるはずの「消費者」は、いつも問題が発生してから、事の実態を教えられるのであります。TPP…親米派と反米派の権力闘争(利害の争奪戦)にしか写らないのは、私だけでしょうか?