時間の問題と覚悟はしていたが、遂に太宰府市で感染者1号が出た。60年代女性の会社員という。市のホームページによると、症状、経過、行動歴はこうである。
3月22日 発熱(38度)があったため、A医療機関を受診
3月23日 症状が持続し、A医療機関を再受診
4月 3日 発熱と解熱を繰り返したため、B医療機関を受診
4月 4日 発熱(39度)、咳があったため、B医療機関を再受診
4月 6日 症状が持続したため、A医療機関を再受診し、肺炎あり、
筑紫保健福祉環境事務所の帰国者・接触者相談センターに連絡し、検体を採取。
4月08日 PCR検査の結果、新型コロナウイルス陽性が判明し、県内の感染症指定医療機関に入院予定。
・海外渡航歴なし
・発症後は終日マスクを着用。
・現在の症状:咳、倦怠感あり。
・濃厚接触者:家族3名について調査中。
発熱から陽性請確定まで、実に17日間も掛かっており、その間2つの医療機関を5回も訪れている。これが、今の日本のコロナ対応の実態である。
濃厚接触者が家族だけとは思えないし、どの地区の、どの医療機関なのかが全く分からない。
今、病院に行くのが一番怖い。信じられないような軽率且つ無責任な医者のニュースも相次いでいる。命を賭して治療にあったっている全国の医療関係者に対し、全く申し訳が立たない醜態である。
武漢での発症まで、毎日のように大型クルーズ船を降りた数千人の中国人が訪れていた太宰府天満宮だから、今まで発症がないのが、むしろ不思議だった。
しかし、いざ感染者が出てしまうと、こんなAとかBとか伏せられると、全ての病院に近寄れないことになる。
勿論、感染者や検査が遅れた医療機関をバッシングするつもりは毛頭ないが、無防備で自己防衛の手段も限られた住民、ましてや高齢者にとっては必要最低限の情報である。いいのかな、こんなことで?
美容院の帰りに立ち寄った行きつけの鮨屋の大将が、「どうも西の方らしかですよ」と言った。幸い、我が家は太宰府市の東の方である。
4月に入ってからの80代以上の感染者は僅か4%、最も多いのが30代、次いで20代、40代という。働く人が少ない世代だし、不要不急の外出自粛を一番忠実に守っている世代だから当然の結果であるが、重篤化・死亡を怖れるのもまたこの世代なのである。そして、コロナウイルス性肺炎の死者の7割強が男性なのである。
美容院も休業に入るという。そうなると、多分理髪店(我々の世代には「床屋さん」というほうがしっくりくる)も休みになるのだろう。ホームセンターでバリカン買って、カミさんに坊主頭にしてもらうことになりそうだ。
緊急事態宣言で、食料品店などを除き、次々に休業・閉店に追い込まれている。寿司屋の大将も「1か月が限度ですたい。それ以上長引いたら、もう店閉めるしかなかですもんね!」と嘆いていた。
「手ぬるかですもんね!テーブル叩いて訴えるぐらいのことばせな、あげなてれ~とした話し方で、誰が言うこと聞くもんですか!」
次々に店が閉まっても、銀行は営業を続けるという。慌てておろすほどの大金はないが、この際コロナマスクで顔隠して、銀行強盗でもやるか……「怪盗コロナ参上!!」
そんな戯言を言いながら、カミさんと助六をつまんでいた。
(2020年4月:写真:怪盗コロナ)