蟋蟀庵便り

山野草、旅、昆虫、日常のつれづれなどに関するミニエッセイ。

「鼻の絆創膏」……いただき!

2020年04月30日 | 季節の便り・花篇

 気温が俄かに20度超えとなって、戻り寒波を跳ね除けた初夏がようやくやってきた。黄砂の飛来で空の青さは少し白けているが、背中の温もりはなんとも心地よい。
 さぁ、「不毛の戦い」始まりの銅鑼が鳴った。先日の庭木の裏の大掃除に続き、足腰の鈍い疲れが取れたところで、庭にチョボチョボと生え始めた雑草の始末に、午前中を費やした。コロ付きのガーデン・チェア-に腰を預けて前後左右に転がしながら、日照りが続いた後の硬くなった地面をスクレーパーで根こそぎ剥ぎ取っていく。これから秋が深まる迄、2か月に一度ほどの雑草との「不毛の戦い」が続くのだ。
 しかし、無心に土と触れるのは格好のストレス解消になる。額に流れる汗を拭いながら、2時間ほど雑草と戦って過ごした。

 早朝散歩の途中、先日不思議な蕾を見付けた玄関先を見ると、「シラー・ベルミアナ」が見事に咲いていた。あの奇怪な蕾から想像もつかない、美しい花だった。
 ご主人の出勤を見送りに出た奥さんに誘われて、お庭を見せていただくことになった。洋風に設えられた花壇は丁寧に手入れされ、肥えた土にいろいろな花が咲き誇っていた。庭のベンチで珈琲まで淹れていただき、小一時間話が弾んだ。
 帰り際に、以前頼まれていた包丁研ぎを思い出し、一本預かることにした。さすがに、包丁を下げたままで散歩はまずいだろう。散歩は改めてということにして、いったん帰宅した。

 一昨日、お江戸に住むエッセイストの友人から電話が架かってきた。
 「マスクが届きました。小さ過ぎてあまり役に立ちそうにないし、顔のデカい主人が着けると、マスクというより、まるで鼻の絆創膏です」 
 「それ、ブログ・ネタにいただきます!」

 こんな寸足らずで、汚れなど不良品が多いマスクを、思い付きのように配り始めた。使われた税金466億!どんな根拠で業者を定めたのか、またまたお友達のルートなのかという疑念が湧く。
 「アベノマスク?」
 「アベノオトモダチマスク?」
 国会中継を見ていると、「アベノマスク」をしているのは、殆どご本人だけである。いかに、宙に浮いた思い付きだったのかが露呈して、滑稽極まりない。声を嗄らして答弁するアベの姿は老残!
 慌てて回収し始めたという。国内メーカーに発注し直すとか?いずれにしろ、我が家に届くのは随分先になりそうだが、そんな「アベノマスク」なんか要らない!
 「しかしなァ、このマスクには1万円札が10枚、付録でついてくるらしいよ。将来、要介護となった時の、尿漏れパッドにでも使わせてもらうことにしようか?洗って何度も使えるそうだし」と、カミさんと笑い合った。もう、笑うしかない。
 コロナに殺されるのはイヤだ!アベの愚策のせいで殺されるのは、もっとイヤだ!!

 室井佑月の「思いつきか」という記事を、ネットで見付けた。
 「……安倍政権は医療費を削減させ病院の数を少なくし、研究などに使われていた費用も大胆に削ってきた。そのことも今回、慌てる要素の一つになっている。
 もう、安倍さんにはお辞めになっていただきたい。彼の思いつきは、かなりの確率で失敗している。人もたくさん亡くなっている今、責任を取るつもりもない彼が頭でいいんだろうか?
 布マスク配布とか(妊婦用では不良品が多かったらしいね。布はウイルスを通すしね)、急に学校を一斉に休校とか(その後感染者が増えたんですけど)、人との接触を8割減らせといってSNSで人気歌手とコラボした、ご自身が家でくつろぐ動画を投稿とか(いや、そういうことじゃなく、どのようにしたらそうできるのか? またその間の生活はどうするのか?を教えて欲しいんですが)。

 彼のいってることに、根拠らしい根拠が見えてこない。まるで、思いつきのよう。その思いつきに税金が使われる。あたしたちも、振りまわされる。
 そして、今は情報が大事なのに、バレるような嘘も平気だ。……」

 昨日の西日本新聞の「ニュース川柳」である。
      新品の 汚れマスクは 洗えます

 嗚呼、また書いてしまった(泣)
                   (2020年4月:写真:シラー・ベルミアナ)