神奈川のお医者さん廻りから帰ると、背中がミシミシ痛む。しばらく動けなかった。やはり、病院は疲れる。病院はマスクをした人ばかり、新幹線も物々しいマスクをした外国人観光客が多い。どんどん増えていく患者数が怖い。久しぶりの神奈川行きでなんとなく気持ちが不安定になる。長浜を離れるからだろうか。住んでいた街は味気なく感じた。住むには便利だったが、ただ住んでいただけのように思う。心弾ませて出かけるところはなかった。
NHKの大河ドラマの影響か岐阜から滋賀にかけて興味を持たれた人が多い。私がとんでもない田舎に越したと思った人も、まさに「いや、いいところだね」と言う。この地域にはドラマがある。特に室町時代の後期からは京都も近いゆえに面白いところだ。北陸から京都や岐阜や尾張に抜けるところで、大名たちが城を築いている。そして、血で血を洗う戦いがあったところだ。私が湖北に魅かれたのは、そんな中での村民たちが守った仏の姿だった。その仏たちがいまも村民のよって守られている。小谷城からみる湖北の町はまさにその歴史を感じさせる。
岐阜から小谷城址に来ていた人が「いいですね、小谷は豪姫人気があって。まさにお豪さまですね」と。そんな歴史話を聞きながら、「嫁ぐ覚悟」があり、運命に流されながらも生きる女性の強さを感じる。
結婚って、短刀をもって嫁ぐ覚悟いるのよね。自害するということではなくて、その責任は自分にあるということかな。何が起ころうが、自分が選んだ人なのだから。