名宰相として名声をほしいままにした周恩来の後半生にスポットをあてた研究・分析の書。中国共産党創立時から、一貫して最高首脳であり続けた政治家の姿を豊富な資料を基に描いたもの。これまでイメージしてきた毛沢東と周恩来の像は、これにより若干の修正を迫られる。それにしても権力闘争の凄まじさには息を呑む。
「只可順守、不可逆取」(時勢に従い、逆らってはならない)を守り抜いてきた周恩来が、文革の混乱の収拾に身を投じたのは、中国の政治文化の伝統の中にある儒家の思想のゆえだったという。
「只可順守、不可逆取」(時勢に従い、逆らってはならない)を守り抜いてきた周恩来が、文革の混乱の収拾に身を投じたのは、中国の政治文化の伝統の中にある儒家の思想のゆえだったという。