処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

紀尾井坂

2011-01-16 23:13:44 | 身辺雑記

畏友が逝いて2ヶ月。現今の長寿国日本にあっては、実に急ぎ過ぎの生涯ではあった。

社会も人も精神も萎み続ける昨今の日本。もうしばらくはその中に身を置いて貰いたかった。そして何を見てどう動いて如何に変えたか、彼のその軌跡を目の当たりにしたかった。

           

七七日を終えて、夫人がお世話になった方々に認めた感謝状に添えられた歌である。

結婚後多忙ゆえ共に過ごす時間が必ずしも多くはなかった二人の、学生時代の至極の場所・紀尾井坂。青春と哀切と慕情を鮮やかに切り取っている。

 

   

     

呑むほどに酔うほどにカラオケより議論。その彼が初めて歌ったのは『黒の舟歌』。

「これ知っている?」 「面白いから読んでみる?」 と渡されたのが分厚い斎藤龍鳳の『なにが粋かよ』。

太宰治の情死をイメージした「武蔵野情話」が収録されたみなみらんぼうの『途上にて』も彼から知った。想い出は尽きない。

息を引きとる直前の未明に、携帯で連絡を取ろうとしたらしいと夫人。結果、果たせなかった。不実を詫びるしかない。一体、彼は何を語ろうとしたのだろうか。

「先に行くから・・・」、「やりたいことは全部やった・・・」、「ちょっと早すぎたかな・・・」果たして。

合掌。

コメント (1)
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