司馬遼太郎、講談社文庫、全4巻。
放送中の大河ドラマ『 軍師官兵衛 』に刺激され読む気になる。
官兵衛もさることながら、秀吉、信長のひととなりや思想・性格・行動が、ともに生きていた如くに活写されている。また、戦国大名たちの一時の興亡のさまがよく判る。
しかしながら、東野圭吾、誉田哲也、池井戸潤など、今日の人気作家に比べると、運びが如何にもまだるっこい。周到微細な取材の上に作者の縦横な想像力が駆使されてるのだから当然か。 重厚さは圧倒的だ。
つい最近まで司馬遼太郎は同時代の作家だった。が時を経、今は私にとって、大仏次郎や山岡荘八のような存在になっている。司馬遼は歴史になってしまった。
さて、来年の大河ドラマは『花燃ゆ』。松陰の妹の文がヒロインとか。今度は『世に棲む日々』を読むことになるか。
『龍馬伝』では『龍馬がゆく』を読んだように。もう4年も前になるのか。