処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い

2016-06-02 07:47:35 | 

出版社 NHK出版

著者 西寺 郷太

形態 新書版205頁

定価 740円

 

                   

USA・フォー・アフリカによるアフリカ救済支援は音楽史上に残るビッグ・イベントだった。そこに至るアメリカン・ポップスの歴史を外観し、アーティスツを活写し、沸点の「ウィ・アー・ザ・ワールド」の光彩と落日を、偏愛とマニアックな博識で埋め尽くした好著あでる。

著者は1973年生まれ。ノーナ・リーブスのシンガーとして活躍する傍ら、作詞・作曲・プロデューサーとしても活躍する才人だが、文筆でも大いに名を高らしめるのではないか。楽曲誕生の年月日・生みの親・経過・影響・史的意義・系譜etc.何でもでもござれ。実に詳しい。

この著作から多くのことを知った。

・ロックン・ロールの歴史は、1955年のビル・ヘイリーと彼のコメッツによるヒット《ロック・アラウンド・ザ・ロック》から始まった。

・アメリカン・ポップスは映画音楽から始まった。

・1927年世界初の長編トーキー《ジャズ・シンガー》の主演を当代ブロード・ウェイの人気歌手アル・ ジョンスンが務めたことが象徴的。

・ジョージ・ガーシュインが楽譜のデモ演奏で糊塗していたマンハッタンの一隅《ティン・パン・アレイ》がポップすの源流、などなど。

確かに近年にアメリカ発にはパワーがないのは事実。その裏の事情には、それなりの理由と経緯があった。

自ら好きなことを仕事をし、興のままにその世界の成り立ちや歴史を辿り、それが自己の成長に繋がる。著者はとても幸せな人だと断じたら叱られるか。

 



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