太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

怖いもの

2011-10-17 13:18:12 | 日記
子供の頃、夕方になると「オーーーー・・」という、多くの人の声が重なった音が、どこからともなく聞こえてきた。

それは、家から1キロほど離れた場所にある高校の、応援団の人達の発声練習が風に乗って聞こえてきたのだったが、

子供心に、それは気味の悪い、聞くと不安になる音だった。


理由もなく怖いものが、誰にでもあるのではないだろうか。


私が怖いものは、足が届かない深さの水急勾配の上り坂である。


海は好きでよく行くけれど、遠浅の海に限られる。

シュノーケルは、ライフジャケットを着て、ボディボードを持って、更に誰かについていてもらって

やっとおそるおそるやる程度。(重装備すぎてみっともないったらない)


海底の映像を見たり、ダイビングする人を見ると憧れるが、

マウイ島でシュノーケルをした時、ボートから海に飛び込んだら、足の下はただ青い青い水が

果てもなく広がっていて、胃をぎゅうーっと絞られるような恐怖感に襲われた。



溺れたこともないのに、理由もなくひたすら怖い。



急勾配の坂は、何度も同じ夢をみた。

車を運転しながら、あまりの勾配に、車の前輪が浮き上がってそのまま逆さまに落ちるのではないかと

ビクビクしていると、ついに前輪が浮き上がった・・という所で目が覚める。


過去世のどこかで体験した恐怖の記憶を、今世でも持ち続けているという話を聞いたことがある。

催眠退行で、その元となる体験を思い出すと、今の恐怖が消えるらしいのだけど。



私は虫が嫌いだが、怖いのとは違う。

嫌いと怖いは、違う。



リスが怖いという人がいた。

リンゴを前歯でかじったときの感触が怖くてたまらない、という人もいた。

リンゴをかじる想像をするだけで、寒気がするのだそうだ。

鳥全般が怖い人もいた。





海で溺れて、坂からころげおちた人生があったのかなーと想像しつつ、

急勾配の坂のある家を見るたびに、海でうっかり深い場所まで行ってしまうたびに、

胃をぎゅーッと絞られるような恐怖を味わっている。