太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

同じ歳月

2017-05-05 07:58:00 | 日記
私と同じ年齢の同僚が、もうすぐ3人目の孫が生まれるという。

若くして子供を生めば、若くして孫をもつのは自然なことで、

私よりも若くても、すでに孫がいる同僚もいる。


しかし、昨日その話を聞いたとき思ったことがある。

彼女が子供を生み、育て、成人し、

その子供が結婚をし、さらに子供をもつのと同じだけの歳月を私も過ごしたのに、

いったい私は何をしていたんだろうか、ということである。



妹は人並みの年齢で結婚したが、私と姉は晩婚で、

とくに姉は親と離れて暮らしていたこともあり、両親はとても心配した。

どんどん結婚してゆく友人をよそに、うまくいかない恋愛ばかり繰り返していた姉が

母と言い争いになったときに言った。



「私だってずっと刑務所にいたわけじゃない。社会にいて、みんなと同じように人に会って

人とかかわって生きてきた。それでも縁がないのは私のせいじゃない」




親は、好きで結婚しないのだと思っていて、その気になれば結婚できるのだと思っている。

「誰と結婚したって同じだよ」

私も母に言われたことがある。

エリザベス・テイラーか五月みどりに言われるならまだしも、恋愛したこともなく最初のお見合いで結婚した母に

そんなことを言われたくはない、と憤慨した。

でも、恋愛のごたごたや泥沼を知らないのは母のせいではなく、

だからその母を責めるのもまた間違いだと今はわかる。



親に反発しながらも、私も何度となく思った。

「なんで私は普通にいかないんだろう」

普通というのは、適齢期(25歳)までに結婚し、子供を生み、幸せに暮らすことで

みんなにできることが、どうして私にはできないんだろうと思った。





私は29で、姉は38で結婚した。

晩婚・出戻りという言葉が死語になった今だったら、私達はあんなに傷つかなくて済んだだろうに。

晴れて結婚したら万々歳かと思いきや、そうでもなくて、

私がすったもんだしている間に、他の人たちは子供を生み、育て、

一旦壊してやり直して、ああやっとここまできた、と私が一息ついている間に、他の人たちは孫を待っている。

後ろを振り返っても、私が残してきたものはなく、

私という存在が、ここにあるだけである。

それがいやだ、というわけではない。

私はこの人生でよかったと心から思っている。

ただ、ふと、でもしみじみと「私はなにをしていたんだろうか」と思ったのである。





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