太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

洗濯日和

2018-02-06 07:37:33 | 日記
ハワイに住むようになってから洗濯物を外に干すことがなくなり、洗濯日和とは無縁になった。

ホノルルの下町に行くと、たまにアパートメントの軒下に洗濯物をロープで吊っている風景もみかけるが

殆どの家は乾燥機で乾かしているのではないだろうか。

特に私が住む地域は雨が多いから、常に空気がしっとりとしていて、たとえ外に干したとしても

パリっと乾くことはないと思う。


乾燥機を使えば、天気や時間に関係なく洗濯ができる。

仕事から帰ったら、その日に着たものを全部洗い、寝るまえにはすっかり乾いてしまう。

夫は毎日ジーンズを履いてゆくが、それも毎日洗い、翌日また同じジーンズを履いてゆくこともできる。

タオルも衣類もふんわりと仕上がるし、とても便利だ。

ほっかほかに温かいタオルを乾燥機から取り出すと、猫がそれを待っていて、

湯たんぽのようにそのタオルの上で丸くなる。



けれども、外で干した洗濯物のの匂いが懐かしく思うことがある。

私は目を閉じて、

太陽のエネルギーをいっぱいに吸った洗濯物に、鼻を押し付けて匂いを嗅ぐ自分を想像してみる。

日なたの匂いと、風の匂い、ぱりぱりに乾いた繊維の清らかな匂い。

冬の夕方など、いそいで帰宅して取り込んだ洗濯物は、かすかに冬の空気の匂いがした。

実家の母は、柔軟剤など使わなかったから、浴用の薄いタオルなどは乾かすと

ぱりぱりを通り越して、垢すりタオルなみにバリバリになった。

凍えるような冷たい風の吹く日は、そのタオルをてのひらに乗せると自力で立つほど固かったっけ。




降水確率は0%だったのに、夕立が降って洗濯物が台無しになったむなしさや、

雨が降ってきたのに、仕事で洗濯物を取り込むことができない悲しさや、

顔を拭くと痛いようなバリバリのタオルの感触ですら、なぜだかやけに恋しいときがある。









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