太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

母の日

2020-05-09 16:38:35 | 日記
日本は今日が母の日で、こちらは明日が母の日だ。
母の日に向けて、数日前から少しずつ店が再オープンし始めたが、
近所のショッピングモールはまだ閉まっているし、レストランもテイクアウトのみ。
多くの人が、今年はいつもと違う母の日を過ごすのではないかな。

土曜で夫が休みなので、一緒に日本食スーパーに行き、
そこで見事な薔薇のブーケを見つけて買った。
1日早いけれど、フレッシュなほうがいいと思い、シュートメにプレゼントした。
明日、渡すつもりだったプレゼントも、一緒に。



シュートメが好きな、フランスのプロバンス地方の景色を、コラージュで作った。
義両親は毎年、夏にヨーロッパを1か月半ほどかけて旅行するのだけれど、
今年はコロナウィルス騒ぎのため、キャンセルした。
今年は見ることができないフランスを、せめて近くに置いて、楽しんでもらえたらいいと思う。

実家の母には、今年は初めてなにもしなかった。
先月の母の誕生日にはプレゼントを贈ったけれど、グループホームはまだ面会禁止で、
姉も母の通院のときにしか母には会えない。

日本の母の日である今日、
私は瞑想をして、母に会いに行った。
母を、暖かい光で包んで、
母が、笑顔で、幸せに満たされているのを感じて。



私は母に、母親であることをずっと求めてきた。
自分で作った呪縛から離れて、自分自身を生きることに決めたとき、
こうしてほしかった、ああしてほしくなかったということにつまづいて
私が無理なことを言い、母を傷つけたであろう手紙を書いた。
母はそのあと、しばらく何も言ってこなかったが、
私が実家に行ったとき、母はお昼なのに、私が好きなものをいくつも作って待っていた。

私は今の夫と再婚して、最初の流産をしたばかりだった。
当時、通っていたエンジェルリーディングのセラピストに、母との宿題を終わらせるときだ、と言われた。
「母に高額なものをねだる」というミッションが出たのだが、ものすごく気が進まなかったので、
しばしグズグズして、おそるおそるやってみたら案の定、凄い反撃にあった。

私を待っていた母は、私にそっと封筒を渡した。
ミッションにあったような額には及ばなかったけど、母が父に言わずにできる
精いっぱいのお金が入っていた。
返そうと何度も思い、それを堪えて受け取った。
母が作ったご馳走を食べていたら、父が帰ってきて、これから二人で繁華街へ行くという。
二人を車に乗せ、繁華街の近くで二人を下ろした。
信号待ちをしている母が、私を何度も振り返り、笑った。

私はワーワー泣きながら、そのままデパートに行き、ティファニーに寄って、
母がくれたお金を全部使って、ネックレスを買った。
私は気づいたのだ。
母は、母親という役をやらされているだけの、女の子なのだ。
母は、母にできる最善と信じることを、一生懸命にやってきた。
ザアッと私の心から、固まった蝋がはがれた。

その後、セラピストのセッションがあったとき、そのネックレスを見て
「あー・・ミッションは失敗、だったかな」
と言ったけれど、心で「ばっきゃろー!」と叫んでいた。
もう、そんなこたぁどうでもよかった。
母との宿題が終わらなくても、べつにもういいじゃないか。
それで私が母親になれないのだとしても、それならそれでけっこう。


あの時に買った、ティファニーのネックレスを出して眺めてみる。
おかあさん、ごめんね。
おかあさん、ありがとう。
一生懸命、私たちを育ててくれて、ありがとうございました。