太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

日本語脳スイッチ

2022-11-17 08:08:11 | 英語とか日本語の話
ある、ショックなことがあった。

昨日の夕方、職場で、クリーニング中につき使用禁止の札をかけて、バスルームの掃除をしていた。
直前に受けた電話が多少込み入った内容で、私は頭の中でそれを反芻していた。

そこに、日本人の旅行者が来て、
「tsukattemoiidesuka」
と言った。

なぜローマ字になっているかというと、私はその人が言っていることを音としては理解しているのに、その音に意味がまったく付いてこなかったのである。
たとえば、スペイン語を話しているというのはわかっても、どんな意味なのかはわからない、という感じに似ている。

私が呆然としてその人の顔を見ていたので、その人はもう1度
「使ってもいいですか」
と言った。
ようやく我に返ったものの、気の利いた言葉は出てこず、ひとつの個室のドアを指して
「Go ahead・・・(どうぞ)」
と、モソモソと言った。


ハワイに住み始めたばかりの頃、英語ではそういうことが起きた。
まだ私が、脳の英語スイッチをOFFにすることを知らずにいた時で、24時間ONになっていると、時にショートしてしまう。
そうなると、夫が聞いている
「What did you buy?(何を買ったの?)」
というごく簡単な英語の意味がまったく理解できなくなる。
夫が、単語をひとつひとつ区切って話しても、まだわからない。
今はもう、必要な時以外は英語脳スイッチはOFFにしているので、雑踏の中の誰かの会話は音にしか聞こえない。

しかし、それが日本語でも起こるとは思わなかった。



電話での英語の会話は、全神経を耳と脳に集中させねばならず、持てるだけの英語能力を使い切ってしまう。
電話を切ったあとも、その集中と緊張が続いていたのだと思う。
姉妹や友達とはメールのみで、日常に日本語をしゃべる機会が私にはない。
日本の友達と会うときには、当然まったく普通に話せる。
でも英語がみっちり詰まった中で、突然日本語が割り込んでくると、切り替えがうまくいかないのだろうか。
そうはいっても、私は40数年も日本語だけで生きてきて、ほぼ英語だけの生活になってまだ12年でしかない。
日本語脳なんて24時間ONになっているのが普通じゃないのか。


そして、いつも言うことだが、その分英語がめきめき上手になっちゃってる、というわけじゃないのが非常に残念なところ。
私の英語はもうとっくに頭打ちで、私は私のアイデンティティのためにも、日本語脳は24時間365日ONで死守せねばと思う。