太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

くも

2022-11-30 07:59:10 | 日記
蜘蛛は神様のお使い、と子供の頃に聞かされた。
母が言ったのか、祖母だったか、絵本で読んだかは覚えていない。
私が11歳の時に実家を建て替えたが、建て替える前の家は古く、大人の手のひらほどもある大きな蜘蛛がよく出現した。
すると箒を持ち出したりして大騒ぎをしつつも、外に逃がしていた。

聞いてみたことはないが、たぶん姉も妹も私と同じことを言うのではないか。
だから、蜘蛛は不気味で気持ち悪いことこの上ないのだけれど、駆除したくないと思う。
子供の頃、実家の近所の槙の樹が生えたところに、たくさんのジョロウグモが巣を張っており、背筋がゾクゾクするほど気味が悪かった。(なぜか槙の樹には蜘蛛が多い)
私はなるべく蜘蛛を見ないようにしてそこを早足で歩いた。
それでも、やはり蜘蛛は駆除したくないと思う。


ところが、同僚たちは平気で蜘蛛をやっつけてしまうので、心が痛む。
蜘蛛に対するこの考え方が日本的なのか、はたまた我が実家が特別なのだろうか。
小さな蜘蛛まで容赦ない。
せせらぎ(ゴのつく虫のこと)はやっつけてもよくて、蜘蛛は心が痛むというのも不公平だとは思うが、私の心の芯までしみこんでいるのだから仕方があるまい。

私は職場で蜘蛛を見つけると、誰かに見つかる前にそっと逃がすのである。