夫は、昔からちょっと不思議ちゃんなところがある。
昨日、帰宅した夫が
「今、歩いてたらさぁ」
と話し出した。
夫は車を車道に停めて、15mぐらいのドライブウェイを歩いて家に帰ってくる。
そのドライブウェイを歩いているときに、「何か声がして」立ち止まったのだという。
勝手に腕が動いて、両手に提げたランチボックスと水筒を、上腕を鍛えるときのように持ち上げたり下げたりした。
「あ、また自動太極拳かなと思ったらさ、それは家に持ち込まないで、全部手放して置いておけ、て言うんだよ」
「ランチボックスと水筒を?」
「違う違う。今日あったネガティブな出来事とか思いとか」
「(* ̄- ̄)ふ~ん」
「で、勝手に動く腕の体操をしていたら、おへその前に、こう、すっごいきれいなオーラがまあるく見えた」
「へえー、オーラが (* ̄- ̄) それで?」
「なんかすごいよかったよ」
「そりゃよかったねえ」
なんだかよくわからないけど、よかったそうなのでよかった。
こんな夫が、ふわふわ生きているかというとそうでもない。
スーパーに行ったら、ロメインレタスの棚の前で夫が
「1パウンドが5ドル48セントになってる!」
と言う。
実は私は、スーパーではほとんど値段を見ないで買うので、物の値段をよく知らない。
貧乏性にできている私は、値段を見ると、お金がなくなってしまうという恐れに取りつかれてしまい、恐ろしいことに実際にそうなっていく過去の実績がある。
そして50円でも安いものを探し、「品質より、欲しいものより、安いものが似合う私」というふうに、自己価値が下がってしまうオマケ付き。
それで、せめてスーパーでは値札を気にせずに買う、という訓練をしているうちに、本当に値段に疎くなってしまったというわけなのだ。
「私、ロメインレタスがいくらか知らない」
と私が言うと、
「えー、値段見ないの?僕はいつもしっかり見てる。一昨日までは3ドルだった」
うちの不思議ちゃんはふわふわちゃんではないらしい。