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慰安婦訴訟のソウル中央地方法院判決に対する菅自公政権の反応:主権者国民は鵜呑みにせず主体的判断を

2021-01-12 00:32:03 | 慰安婦問題

 神聖天皇主権大日本帝国軍隊性奴隷とされた、現在「ナヌムの家」で暮らす韓国人女性ら12人が安倍自公日本政府に対して、一人当たり1億㌆の慰謝料を求めた訴訟の判決が2021年1月8日、ソウル中央地方法院(地裁)で言い渡された。日本軍性奴隷問題で日本政府を相手取った損害賠償請求訴訟で、韓国の司法が判断を示すのは初めてである。

 元日本軍性奴隷は2013年に地裁に民事調停を申し立てたが、安倍自公政権が応じなかったため、16年に提訴した。安倍自公政権は、賠償問題は1965年の日韓請求権協定解決済みとの立場をとっているとともに、「主権免除」(国家に対しては他国の裁判権は及ばないとする国際法上の原則)などを理由に、裁判自体を認めず訴状の受け取りを拒否したまま、法廷には一度も出席しなかった。

 そして、判決について、菅首相は「慰安婦問題については、1965年の日韓請求権協定において完全かつ最終的に解決済みである。我が国としては、このような判決が出される事は、断じて受け入れる事はできない」と訴訟却下を求めた。

 茂木外相は「国際法上の原則を否定した判決は極めて遺憾で、断じて受け入れられない」と韓国外相に抗議した。また、「国際法に違反するような常識では考えられない判決である。あらゆる選択肢を視野に入れて毅然と対応したい」と述べた。秋葉外務省事務次官は「極めて遺憾だ」と韓国駐日大使に抗議した。

 外務省幹部は「司法の暴走が目に余る。韓国政府が『日韓関係の戦後処理は解決済みだ』と、きちんと対外的に言わないからこうなってしまう」と述べた。

 早稲田大・萬歳寛之教授は「一般的な国際法上の認識では、主権免除は手続き上の判断であり、実体(中身)の判断とは別物だ。だが判決はそれを一緒にしてしまっており、違和感を感じる。65年の日韓請求権協定や2015年の日韓合意に照らしても、判決は不十分な内容と言わざるを得ない」と述べた。

 朝日新聞「社説」は、「安倍自公政権が結んだ合意を文在寅政権が評価せず、骨抜きにしてしまった事が最大の原因」「(韓国政府が)合意の意義を原告らに丁寧に説明していれば訴訟が避けられたかも」「韓国政府はまず、慰安婦合意を冷静に評価し直し、今回の訴訟の原告でもある元慰安婦らとの対話を進めるべき」と、客観的立場に立たず安倍自公政権側に傾いた主張を連ね、結論では、「日韓が和解のための最大の努力を尽したとは言いがたい。両政府の外交力が問われている」など、喧嘩両成敗無責任な批判に逃げている。

 主権者国民は、上記のような「主張」を鵜呑みにせず惑わされず判決そのものに触れ主体的に判断をする事が大切である。以下はソウル中央地方法院の判決についての「報道資料」である。

■ソウル中央地方法院大34民事部(裁判長部長判事金正坤)は2021.1.8慰安婦被害者裵○○ら計12人が日本国に対し提起した損害賠償請求訴訟において、原告らの請求をすべて認容し被告日本国が原告らに各1億㌆ずつ支払えという判決を宣告する。

■原告らの請求の要旨

原告らは日本帝国が侵略戦争中に組織的かつ計画的に運営していた「慰安婦」制度の被害者であり、日本帝国は第二次世界大戦中侵略戦争遂行のために組織的・計画的に「慰安婦」制度を設けて運営し、「慰安婦」を動員する過程で植民地として占領中であった韓半島に居住していた原告らを誘拐したり、拉致して韓半島の外に強制移動させ、原告を慰安所に監禁したまま常時暴力、拷問、性的暴力にさらした。このような一連の行為(以下「本件行為」という)は不法行為であることが明らかであり、これにより原告らが深刻な被害を受けたので、被告にその慰謝料の一部として各1億㌆の支払いを求める。

■判決要旨

ア 裁判権の有無(国家免除の適用可否)の判断:裁判権あり

 国家免除(または主権免除)は、国内裁判所が外国国家に対する訴訟について裁判権を持たないという国際慣習法である。19世紀後半から例外事由を認める相対的免除理論が台頭した。

 韓国大法院判決によっても私法的行為については、裁判権の行使が外国の主権的活動に対する不当な干渉となるおそれがあるなどの特別な事情がない限り、外国の私法行為について当該国家を被告として韓国の裁判所が裁判権を行使することができる。しかし、本件行為は私法的行為ではなく主権的行為である。

 国際司法裁判所(ICJ)は2012.2.3ドイツ対イタリアの事件で「国家免除に関する国際慣習法は、武力衝突の状況における国家の武装兵力及び関連機関による個人の生命、健康、財産侵害に関する民事訴訟手続きにおいても適用される」という趣旨の判決を宣告したことがある。

 しかし、本件の行為は日本帝国によって計画的、組織的に広範囲に強行された反人道的犯罪行為であって国際強行規範に違反するものであり、当時の日本帝国により不法占領中であった韓半島内で我が国民である原告らに対して強行されたものであって、たとえ本件行為が国家の主権的行為であっても国家免除を適用することができず、例外的に大韓民国裁判所に被告に対する裁判権があるといえる。

 その根拠としては、

1)韓国憲法第27条第1項、国連「世界人権宣言」第8条でも裁判を受ける権利を明らかにしている。権利救済の実効性が確保されていない場合、これは憲法上の裁判請求権を空虚にするものであるから、裁判を受ける権利は他の実体的基本権と合わせて充分に保護されて保障されるべき基本権である。

2)国家免除は手続的要件に関するものではあるが、手続法が不十分なことにより実体法上の権利や秩序が形骸化したり、歪曲されてはならないものである。

3)国家免除の理論は恒久的で固定的な価値ではなく、国際秩序の変動に応じて継続して修正されている。

4)1969年に締結された条約法に関するウィーン条約第53条によると、国際法規にも上位規範である「絶対規範」と下位規範の間に区別があり、下位規範は絶対規範を離脱してはならないとするのであり、ここにいう絶対規範の例として国連国際法委員会の2001年「国際違法行為に対する国家責任条約草案」の解説で挙示された奴隷制及び奴隷貿易禁止などを挙げることができる。

5)被告とされた国家が国際共同体の普遍的な価値を破壊し、反人権的行為により被害者に深刻な被害を加えた場合までも、最終的手段として選択された民事訴訟で裁判権が免除されると解釈することは不合理で不当な結果を導くことになる。すなわち、ある国家が他の国家の国民に対し、人道に反する重犯罪を犯さないようにした国際諸条約に違反しても、これを制裁することができなくなり、これにより人権を蹂躙された被害者は憲法で保障された裁判を受ける権利を奪われ自身の権利をまともに救済されない結果をもたらし、憲法を最上位規範とする法秩序全体の理念にも合致しない。「慰安婦」被害者らは日本、アメリカなどの裁判所に何度も民事訴訟を提起したが、すべて棄却又は却下された。請求権協定と2015年の「日本軍慰安婦被害者問題関連合意」も被害を受けた個人の賠償を包括することをできなかった。交渉力、政治力をもつことができない個人に過ぎない原告らとしては、本件の訴訟のほかに具体的に損害の賠償を受ける方法は見出しがたい。

6)国家免除の理論は、主権国家を尊重し、みだりに他国の裁判権に服従しないようにする意味をもつのであって、絶対規範(国際強行規範)に違反して他国の個人に大きな損害を与えた国が国家免除の理論の背後に隠れて賠償と補償を回避する機会を与えるために形成されたものではない。

イ 国際裁判管轄権の有無についての判断:管轄権がある

 不法行為の一部が韓半島内で行われ、原告らが大韓民国国民として現在大韓民国に居住している点、物的証拠はほとんど消失しており、基礎証拠資料はほとんど収集され、日本での現地証拠調査など必ずしも必要でない点、国際裁判管轄権は排他的なものではなく併存可能な点などに照らせば、大韓民国の本件の当事者ら及び紛争となった事案と実質的関連性があるといえるので、大韓民国の裁判所は本件について国際裁判管轄権を有する。

ウ 損害賠償責任の発生

 日本帝国は侵略戦争の遂行過程で軍人の士気高揚と苦情発生の低減、効率的統率を追求するために、いわゆる「慰安婦」を管理する方法を考案し、これを制度化して法令を整備し、軍と国家機関で組織的に計画を立てて人員を動員、確保し、歴史上前例のない「慰安所」を運営した。10代初中盤から20歳余に過ぎず、未成年又は成人になったばかりの原告らは「慰安婦」として動員された後、日本帝国の組織的直・間接的な統制下で強制的に一日に数十回日本の軍人たちの性的行為の対象となった。原告らは過酷な性行為による傷害、性病、望まない妊娠、安全性がまともに保証されていない産婦人科治療の危険を甘受せねばならず、常に暴力にさらされ、まともな衣食住を保証されなかった。原告らは最小限の自由も制圧され、監視下に生活した。終戦後も「慰安婦」だった前歴は被害を受けた当事者に不名誉な記憶として残り、いつまでも大きな精神的傷となり、このため原告らはその後社会への適応が困難であった。

 これは当時の日本帝国が批准した条約及び国際法規に違反したものであるだけでなく、第二次世界大戦後、東京裁判所憲章で処罰することを定めた「人道に反する犯罪」に該当する。

 したがって、本件行為は反人道的な不法行為に該当し、被告はこれにより原告らが被った精神的苦痛に対して賠償する義務がある。被告が支払うべき慰謝料は、少なくとも原告らに対し1億㌆以上とするのが妥当である(ただし、原告らが1人当たり各1億㌆のみを一部請求として請求したので、上記金額を超える部分については、判断しない)。

エ 損害賠償請求権消滅についての判断:消滅しない

 原告らの損害賠償請求権は、韓日両国間の1965年の請求権協定や2015年の日本軍慰安婦被害問題関連合意の対象に含まれていないので、請求権が消滅したとは言えない。[以上]

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ドイツ・フランクフルトに日本軍性奴隷制被害者を象徴する「平和の少女像」設置

2020-03-12 17:47:58 | 慰安婦問題

 2020年3月8日、ドイツ・フランクフルトに日本軍性奴隷制の被害者を象徴する「平和の少女像」が設置された。韓国人教会前で除幕式が行われた。式には現地の韓国人ら200人が参加した。また、慰安婦被害者である吉元玉(キル・ウォンスク)さんや、像を制作したキム・ウンソンさん、キム・ソギョンさんらが映像メッセージを寄せた。ドイツでは少女像の設置は今回2回目で、1体目は2017年3月にバイエルン州ヴィーゼントに設置された。欧州に設置された初めての少女像でもある。

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安倍自公政権は日本軍性奴隷制度隠滅だけでなく、正義連のウガンダ戦時性暴力被害者支援も妨害

2020-02-15 18:56:59 | 慰安婦問題

 安倍自公政権日本軍性奴隷制について、ダブルスタンダード(二重基準、二枚舌)の姿勢をとっている。表向き、制度が存在した事を認めている反面、その裏で(日本国民の目に触れにくいところで)それを認めない姿勢を貫いている。つまり、制度が存在した事実を否定し歴史から隠滅抹消しようとしており、また、世界各国の「戦時性奴隷」に対する動きへの対応においても、制度が存在した事実を認めないよう働きかける醜態をさらけ出している。その一例を紹介しよう。2019年1月28日に94歳で亡くなった元日本軍性奴隷・金福童さん(韓国)に関係した事柄である。

 金福童さんは14歳で日本軍性奴隷として連行され、広東、香港、マレーシア、インドネシア、シンガポールなど日本軍の侵略経路に従い移動させられた。1945年、シンガポールで日本軍第16軍の第10陸軍病院で看護師とされた末、米軍捕虜収容所に収監され、47年に帰郷した。1992年、「性奴隷」被害を公開後、世界各地で日本軍の性暴力の実態について証言、日本政府から心からの謝罪と賠償を求めて来た。戦時性暴力被害者支援のための「ナビ基金」(2012年)、日本の朝鮮学校の子どもへの奨学金支援金福童の希望」(2017年)を創出し、平和と人権尊重の道を切り開いた。

 2019年1月に金さんが亡くなった時には、世界中から「お悔やみ」の声が届いたが、安倍自公政府は無視したのである。そのうえ告別式(支援団体「正義記憶連帯」中心の「市民葬」で日本大使館近くの路上に霊柩車を止め、黙祷、弔辞読み上げ)について西村康稔官房副長官が2月1日午前の閣議後会見で「在韓国大使館の安寧を妨害、または威厳を侵害するものであれば、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らして問題がある。大使館の安寧が保たれる重要性は、平素から韓国側に申し入れている」と非常識極まりない発言をしたのである。

 また、金さんは「ナビ基金」で、アフリカ・ウガンダのシルビアさんが代表を務める戦時性暴力被害者の支援団体を支援し、「金福童センター」の建設を進めてきた。土地も購入し、2020年11月には完成予定であった。しかし、19年11月の着工式に「正義記憶連帯(正義連)」が参加すると、工事は中止となった。それは安倍自公政府がウガンダ政府に、「金福童センター」の設立を許可すれば、「支援を打ち切る」と脅したためであり、そのためウガンダ政府はシルビアさんに対し、命の危機に陥れるような恫喝をしてきたためである。安倍自公政府は、アフリカのウガンダでの「金福童センター」の建設計画をも中止させているのである。

 

 

 

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日本軍性奴隷制国家賠償請求訴訟で韓国高裁が強制調停を決定

2019-12-28 17:24:36 | 慰安婦問題

 2019年12月26日、2015年末に韓国朴槿恵政権と日本国安倍自公政権が政府間で交わした日本軍性奴隷制問題に関する「日韓合意」(条約ではない)に対する控訴審で、ソウル高裁が「強制調停」の決定を下した。決定内容は、「2015年の慰安婦合意が被害者中心主義の原則に反したもので、被害者が精神的苦痛を味わった事を国が謙虚に認め、合意が慰安婦被害者問題の真の解決にならない点を明確にする」とし、また「国は今後、被害者の尊厳と名誉を回復するための対内・対外的努力を継続する」としている。

 被害者たちは「慰安婦問題をめぐる合意により、人間の尊厳と価値、外交的に保護される権利、財産権などを侵害された」としている。

 被害者の代理人は「韓国政府がこの決定を受け入れ、日本政府に慰安婦問題に対する法的責任を認めさせ、被害者の尊厳と名誉が回復されるよう努力する事を期待する。合意に基づいて日本政府が拠出した10億円を速やかに返還する事を求める」とコメントしている。

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日本軍慰安婦被害者の損害賠償請求訴訟を安倍自公政権は拒否:首相は誠意を示し応じるべきだ

2019-12-17 19:14:32 | 慰安婦問題

 2019年5月21日、共同通信は、安倍自公政権外務省が、日本軍「慰安婦」制度被害者と遺族などが安倍自公政権を相手取って2016年にソウル地裁に起した損害賠償請求訴訟を「拒否する」という立場を韓国政府に伝えた、と報じた。

 日本軍「慰安婦」制度被害者と遺族など20人は朴槿恵政権下の2016年12月、「精神的、肉体的苦痛を強いられた」として安倍自公政権を相手取り訴訟を起こした。しかし、安倍自公政権は「国家に対して他国の裁判権は及ばないとする国際法上の原則『主権免除』」を理由に訴状の受け取りを拒否し、実質的な審理が始まらなかった。2019年3月、ソウル地裁はこの損害賠償訴訟に関して、安倍自公政権側に訴状が届いたとみなす「公示送達」の手続きを開始。5月8日、訴状と訴訟案内書の翻訳本を安倍自公政権に「公示送達」したところ、今度は訴訟を拒否するという態度に出たという事である。

 11月13日に第1回口頭弁論があったが、安倍自公政権は欠席した。原告側は「慰安婦問題といった国際社会にも知られる重大な人権侵害は、『主権免除』の適用外であり、被害者の個人請求権は侵害されない」と主張している。今後(地裁は次回期日を2月5日に指定)、国際人権法の専門家らを証人申請すると主張している。

 

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