鈴木大地・スポーツ庁長官は、2017年3月、5年かけて、スポーツが嫌いな中学生を現在の半分に減らす、という目標を「スポーツ基本計画」の中で打出したという。
スポ庁の昨年度の調査で、運動やスポーツが「嫌い」か「やや嫌い」な中学生が16.4%存在し、微増傾向にあり、このままでは将来、運動しない大人が増えてしまうとして、8%にするという事らしい。
これを知って、なんと軽率な長官なのだろうと感じるとともに、このまま彼の思うままにさせてはならないと感じた。なぜなら、スポ庁長官がその立場と役割の理解を、誤解ではなく、意図的に曲解変質させているからであり、それは現行の憲法体制(立憲主義、国民主権)に立脚せず、政府(行政)が保障しなければならないはずの、憲法で定めている個人の人権を軽視否定する姿勢を打出しており、スポ庁長官(安倍政権)の理想(思惑)を実現する事を目的としていると思われるからである。
その理想(思惑)とは、一人の例外も許さずすべての中学生がスポ庁(安倍政権)の指導に基づいて、学校教育において、運動やスポーツに対し疑問を持つ事なく不平不満を言う事なく積極的に従い勤しむ体制を支持する意識を醸成する事なのである。
「このままでは将来、運動しない大人が増えてしまう」としているが、この判断こそが、これまで人生を歩んできた大人とはまったく思えない、また、人間は一人一人が異なる体質を有している事はもちろんの事、人格を有している事をまったく理解できていない(つまり、人間はみんな同じであると決めつけている)、非科学的な誤った分析判断であり、極めて説得力のない、国民を欺瞞する事を目的とする分析判断といえる。また、国民(中学生)の生のダイナミックな意識を理解しようと考えない点で、独善的で傲慢な支配者的な押し付け姿勢であり、この姿勢は敗戦までの大日本帝国政府官僚軍人の姿勢と同質のものでもある。
そのために、様々な方面から、スポ庁に対する反発が巻き起こっているのである。
(2017年7月30日投稿)