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モーリシャス共和国へ移住させられたチャゴス諸島住民と最大の島ディエゴ・ガルシア

2020-09-23 21:51:38 | 米国の世界戦略

 岡山県の長鋪汽船所有の貨物船が2020年7月26日、モーリシャス共和国沖合でサンゴ礁に乗り上げ座礁し、重油約1000㌧を海に流出させる事故を起こした。

 モーリシャスは16世紀初めにポルトガル人が上陸した。1598年にはオランダ領となり、オランダ総督マウリッツにちなんで「モーリシャス」と名づけられた。1715年にはフランス領、1814年にはイギリス領となった。1967年に自治権を獲得し、68年に英連邦内の自治国として独立し今日にいたる。民族はインド系が約7割で圧倒的多数であるがクレオール(欧州人とアフリカ人の混血)、中国系、フランス系など多民族からなる。宗教もヒンドゥー教が半数以上である。

 ところで、チャゴス諸島も16世紀にポルトガル人が上陸し、1814年に英国が保護領とし、「モーリシャス」の一部として統治した。ところがイギリスは1965年には「チャゴス諸島」を「モーリシャス」から分離し、「イギリスインド洋」の領土に編入した。

 「チャゴス諸島」は60以上の島からなるが、その中で最大の島は「ディエゴ・ガルシア島」である。1966年にイギリスはその「ディエゴ・ガルシア島」を米国に貸す契約を結んだ。そして、米国はインド洋や中東に向けた軍事拠点として空軍基地を作っていった。その時、イギリスは「チャゴス諸島」の住民を諸島の外へ、主に「モーリシャス」へ強制的に移住させた。そのため、「チャゴス諸島」にはそれまでの定住民はまったくいなくなり、「ディエゴ・ガルシア島」の米軍関係者や建設作業員などだけしか定住していないところとなってしまったのである。

(2020年9月23日投稿)

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