つれづれなるままに心痛むあれこれ

知る事は幸福度を高める

ヒトラー・ナチ党政権と国民に対する外国放送聴取禁止法

2022-04-08 09:10:38 | メディア

 1939年9月1日、ヒトラー・ナチ党政権ポーランドに対する侵略戦争を開始した。ヒトラーは開戦後の国会演説で「平和のための攻撃」という言葉を使用し、「ポーランドは昨夜わが国を正規軍で攻撃してきた。我々は反撃を余儀なくされた。ポーランドが我々にそうせざるを得ないように仕向けた」と開戦理由を説明した。9月3日には英仏がドイツに宣戦布告し、第2次世界大戦が始まった。

 ヒトラー・ナチ党政権は、ポーランド侵略と同日に、ドイツ国民に向けて「臨時的ラジオ措置に関する通達」を発令した。ドイツ国民がこれ以前よりヒトラー・ナチ党政権が国民に流す情報に不信感を抱くものが出てきており、外国のラジオ放送を聴取し真実の情報を入手しようとする状況が出てきていたのである。ナチ党政権はそれを不都合と判断し、その情報入手を断とうとしたのである。

 その通達では、「現代の戦争では、敵国は軍事的な武器のみならず、国民に精神的な影響を与えて国民を無気力にするような手段も使用して戦う。そのための手段の一つがラジオである。敵国が送ってくる言葉は皆当然ながらであり、ドイツ国民に損害を与える目的のものである」と説明し、第1条では「外国の放送を意図的に聴取する事は禁じられる。これに違反すると、禁固刑に処される」とし、第2条では「ドイツ国民から忍耐力を奪うような外国放送のニュースを故意に広める者は、禁固刑に処され、特に悪質な事例においては死刑に処される」と定めた。

 この通達により、ドイツ国民は私生活を監視される事となり、密告者を生み出す事となった。

(2022年4月5日投稿)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする