館野泉さんのCDを聴いて感動し、今度は、バッハのシャコンヌの聴き比べをしてみようと、我が家のCDを探してみました。
まず、同じブラームスの左手のピアノ編曲が、うちにもありました。
旧共産圏で不遇の時代をすごし、50歳でデビューしたというアナトール・ウゴルスキの96年の録音のCD。ほかにはブラームスのピアノソナタ1番と2番が入っています(グラモフォン POCG-1999)。
次に、同じピアノ版ですが、両手を使ったブゾーニの編曲によるもので、ピアニストはミケランジェリ。夫は、これはすごくいいからと言っていましたが、かなり昔の録音の復刻版みたい。1948年とあるので、ステレオ録音じゃないし、なんとも・・。EMIの「Great Recoedings of the Century」シリーズで、ブラームスのパガニーニの主題による変奏曲とシューマンの曲が入っています(EMI 7243-5-62757-2-0)。
こちらはギター版。生演奏も何度も聴いたとこがある、クラシックギタリスト福田進一さんのCD。その名も、「シャコンヌ~福田進一・プレイズ・バッハ」です。彼本人の編曲で、このCDの最初に入っています。上野の文化会館で生で聴いたときも、鳥肌が立ちました(DENON COCQ-83384)。
こちらが彼の公式サイト。
オリジナルのヴァイオリンでの演奏は、モダン楽器ではムローヴァとクレメル、バロックヴァイオリンではクイケン、寺神戸亮、桐山建志あわせて5種類。もっと探せば、まだ家にあったとは思うのですが・・。
モダン楽器でも、クレメルとムローヴァは随分と違って聞こえます。ムローヴァは、パリで古楽の演奏を好んで聞いていたそうで、その片鱗が感じられます。透き通った演奏は心を打ちますね。とてもセンスがいいと思う。この曲は、確かに難しい曲ですが、人によっては思い切り力をこめて演奏することも多く、私はよくうんざりさせられます。この曲は、その難しさを感じさせないくらい、平穏にすーっと弾くほうが、音楽的にも素晴らしく響くと思うのです。録音がないのが残念ですが、私が毎年聴いているバロックヴァイオリン奏者阿部千春さんの演奏スタイルは抜群です。難なく天使のように弾いてしまうのです。
同じ理由で、とてもいい演奏が、桐山建志さんの演奏。彼のCDは、こちらに載っています。私が持っているのはその名も「シャコンヌ」。気負いのない、自然で美しい、一番好きな演奏です。そうそう、彼の奥さんはオーボエの尾崎温子さんです。バロックオーボエもモダンオーボエも両方、天才的な演奏家です。BCJメンバー。私の知り合いのオーボエ吹きは、「天はニ物を与えず」なんていうのですが、そんなことありません。彼女、桐山さんと結婚してからきれいになりましたよ。
ピアノ演奏は、やはり、ブゾーニ編曲は、モノラルで聴いたからだけじゃなく、余りいい編曲ではないような気がします。ただ、派手で重厚さばかり際立たせていて、好きではありません。そして、ブラームス編曲のウゴルスキ、これはなかなか。ささやくような弱音が素晴らしいのです。舘野さんの次に、お薦め!
ピアノ編曲では、音を増やすとマイナスになる気がしたのですが、ギター編曲は、音を増やしても、マイナスには決してならないのが面白いですね。和声を考えた福田さんの編曲のうまさです。この演奏は、本当に素晴らしい。多くの人に聴いてもらいたいです。
というわけで、夫が留守の土曜の昼下がり、バッハのシャコンヌを聴き比べる至福の時間をすごしました。
シャコンヌ/桐山建志(ヴァイオリン) CAIL-728
J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集/ムローヴァ PHILIPS PHCP-5198
J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ ギドン・クレーメル PHILIPS 416 651-2
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ シギスヴァルト・クイケン EDITIO CLASSICA BVCD-1821~22
J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全6曲)寺神戸亮 DENON COCQ-83387-88
まず、同じブラームスの左手のピアノ編曲が、うちにもありました。
旧共産圏で不遇の時代をすごし、50歳でデビューしたというアナトール・ウゴルスキの96年の録音のCD。ほかにはブラームスのピアノソナタ1番と2番が入っています(グラモフォン POCG-1999)。
次に、同じピアノ版ですが、両手を使ったブゾーニの編曲によるもので、ピアニストはミケランジェリ。夫は、これはすごくいいからと言っていましたが、かなり昔の録音の復刻版みたい。1948年とあるので、ステレオ録音じゃないし、なんとも・・。EMIの「Great Recoedings of the Century」シリーズで、ブラームスのパガニーニの主題による変奏曲とシューマンの曲が入っています(EMI 7243-5-62757-2-0)。
こちらはギター版。生演奏も何度も聴いたとこがある、クラシックギタリスト福田進一さんのCD。その名も、「シャコンヌ~福田進一・プレイズ・バッハ」です。彼本人の編曲で、このCDの最初に入っています。上野の文化会館で生で聴いたときも、鳥肌が立ちました(DENON COCQ-83384)。
こちらが彼の公式サイト。
オリジナルのヴァイオリンでの演奏は、モダン楽器ではムローヴァとクレメル、バロックヴァイオリンではクイケン、寺神戸亮、桐山建志あわせて5種類。もっと探せば、まだ家にあったとは思うのですが・・。
モダン楽器でも、クレメルとムローヴァは随分と違って聞こえます。ムローヴァは、パリで古楽の演奏を好んで聞いていたそうで、その片鱗が感じられます。透き通った演奏は心を打ちますね。とてもセンスがいいと思う。この曲は、確かに難しい曲ですが、人によっては思い切り力をこめて演奏することも多く、私はよくうんざりさせられます。この曲は、その難しさを感じさせないくらい、平穏にすーっと弾くほうが、音楽的にも素晴らしく響くと思うのです。録音がないのが残念ですが、私が毎年聴いているバロックヴァイオリン奏者阿部千春さんの演奏スタイルは抜群です。難なく天使のように弾いてしまうのです。
同じ理由で、とてもいい演奏が、桐山建志さんの演奏。彼のCDは、こちらに載っています。私が持っているのはその名も「シャコンヌ」。気負いのない、自然で美しい、一番好きな演奏です。そうそう、彼の奥さんはオーボエの尾崎温子さんです。バロックオーボエもモダンオーボエも両方、天才的な演奏家です。BCJメンバー。私の知り合いのオーボエ吹きは、「天はニ物を与えず」なんていうのですが、そんなことありません。彼女、桐山さんと結婚してからきれいになりましたよ。
ピアノ演奏は、やはり、ブゾーニ編曲は、モノラルで聴いたからだけじゃなく、余りいい編曲ではないような気がします。ただ、派手で重厚さばかり際立たせていて、好きではありません。そして、ブラームス編曲のウゴルスキ、これはなかなか。ささやくような弱音が素晴らしいのです。舘野さんの次に、お薦め!
ピアノ編曲では、音を増やすとマイナスになる気がしたのですが、ギター編曲は、音を増やしても、マイナスには決してならないのが面白いですね。和声を考えた福田さんの編曲のうまさです。この演奏は、本当に素晴らしい。多くの人に聴いてもらいたいです。
というわけで、夫が留守の土曜の昼下がり、バッハのシャコンヌを聴き比べる至福の時間をすごしました。
シャコンヌ/桐山建志(ヴァイオリン) CAIL-728
J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ集/ムローヴァ PHILIPS PHCP-5198
J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ ギドン・クレーメル PHILIPS 416 651-2
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ シギスヴァルト・クイケン EDITIO CLASSICA BVCD-1821~22
J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(全6曲)寺神戸亮 DENON COCQ-83387-88