24日朝の新聞で気になった記事の一つがこれ。「ドイツ10年債『札割れ』」。新発10年国債の入札で、金融機関応募金額が6割にとどまったのだそうだ。これを札割れというのだそうだ。あのドイツがと驚いたのだが、記事の中にもこうあった。
「欧州主要国で最も安定した財政基盤を持つ中核国ドイツにも欧州債務危機の悪影響が及んだ形だ」
この日本への悪影響の最たるモノが、24日夕刊の1面トップ記事になっている、これ。
『東証続落8200円割れ 2年8ヶ月ぶり安値 同時株安様相』
この文中にはこうあった。
「欧州で最も健全とみられていたドイツ国債の入札が不調に終わったことなどから、欧州の債務危機が深刻化するとの懸念が広がった。さらに中国の製造業景気指数の速報値が市場予想を下回り、世界景気の先行きに不安が高まっていることも相場の重しになっている。東京市場はほぼ全面安の展開で、主力株を中心に売られている。トヨタや野村ホールディングス、キャノンなどが一時年初来安値を更新した」
この同時株安は、事実には違いないのだが果たして「真実」?なのか、それとも、日米の大金融機関などが示し合わせてドイツ国債をあえて買わずに作為して見せた結果ではないのか。それこそユーロ関係債券の空売り大儲けをさらなる狙いにして。これが事実ならまた、こんなことが起こる。関係債券保有に耐えられない弱小機関が手放したものが、大金融機関の手にどんどん落ちていく。そうしてまた近くもっと大きい空売りを掛けて、さらに儲ける。日本でも、巨大金融機関だけの9月決算が、国債(転がし)で黒字になってきたと発表したのだから、陰謀論的勘ぐりとも言えないはずだ。
ところで、この結末はいったいどこまで行くのだろう。ヨーロッパ諸国は、「市場」によってさらに徹底的に搾取されるはずなのである。最も健全なはずのドイツでさえギリシャ、スペイン、イタリアへの救済、肩入れを通じてその対象になり始めたということなのだから。なんか底なしの恐怖。スペインは23%の失業率がさらに増えるだろうし、ギリシャも新政権の下で「公務員でワークシェアリング」を今のように続けることなどとうていできないだろう。失業者が増えて一般消費が減ると、さらに次のもっと大きい世界的不況が待っているという悪循環。この悪魔的人殺し車はいったい、どこまで回っていくのだろう。「東証続落 同時株安様相」も、そういうことを示しているはずだ。24日夕刊の当該記事は、こんな言葉で締めている。
「株などのリスクがある資産から資金逃避の流れが強まっている」