表記のことを、皆さんに報告しておきたい。特に心臓病を抱えた皆さんに。
この手記は09年11月2日にここで始めて、本年2月26日の第25回「ランナー断念」を持って終わっている。僕の不整脈は、言わば単発性の不整脈であって心臓・循環器に他の病気がなかったから、ここまで10年近くこの病気を薬などで管理しながらランナーを続けてこられた。これを書き始めた時、ランナー時代10年の最末期の手記という結末になるとは、僕にとって全く予期していなかったことだった。10年があけて慢性心房細動との診断。そこから2月と10月に、2回の心臓カテーテル手術。その間も2回目の後も主治医の許可を得て走っていたのだし、これからもそうだと信じていた。例えば去年12月29日、第24回「走れる」では、こうだ。
『さて、回復基調はさらに順調。日誌を拾うと、こんな調子だ。日に6000~9000歩の速歩き散歩が、3日に1度ほど。90往復ほどの階段登りが、週に1度ほど。そして、この24日、25日には散歩中に初めてそれぞれ1キロほど走ってみた。散歩や階段登りで走れる体力は何とか維持してきたから、心臓だけを心配しながら。その心臓もまったく異常はなさそうだった。無理をしない程度であるならば、辛うじてランナーではいられるのではないか。低速で良いから、心臓の疲れを見ながらほんの少しずつ距離を伸ばしてみたい。面白くなってきた』
さて、こんな日常が本年2月26日、突然の慢性心房細動発作、全身麻酔による除細動処置から、「ランナー断念」で終わりを告げねばならぬことになった。
その後しばらく静かにしていて手術跡が落ち着いたからなのかどうか(3ヶ月経てば落ち着くと聞いていた)、心房細動発作は、今日まで皆無である。1ヶ月に2~3回、「今、期外収縮が起こったかな」との自覚症状が出るが、それも1~2拍動欠如ぐらいのものだ。というか、このように「無理をしない程度」を確かめながらの運動に努めているということになるのかもしれない。僕の場合その運動の基本は、すぐ上に抜粋した第24回「走れる」とほぼ同じ程度である。18段の階段を70~120往復で週2回ほど、心拍数はその時の運動強度により異なるが平均135、時に145ほどだろう。これだとギターを1日3時間弾いても酸欠異常・筋肉痛はどこにも基本的に出ないし、細動による血栓防止などの薬も全く飲んでいない。心拍140になっても異常なしならば走れるのだが(時速9キロでそれぐらいではないか)、階段登りで自重した人生で行こうということだ。ただし、速歩き散歩の途中に1キロほど走ってみたりはする。もちろん心拍計を観ながら。
高校の同級生で去年同じカテーテル手術をした人がいるが、残念ながら彼の慢性心房細動は直らなかった。彼は、ワーファリンを飲みながら何年も手術を延ばしてきたのだ。こんなことから、慢性心房細動になったら早く手術をおすすめしたい。効き目に大きな差が出てくるということである。ランナーには心房細動が多いとは、主治医の言葉。ランナー諸氏、心拍の状態に十分に注意していることをお勧めしたい。また、単なる不整脈とか心房細動ならば、心拍を管理しながら結構走り続けられるものだということも申し添えたい。「心臓異常を怖がりすぎてそれまでの楽しみを減じ、体力を失っていくことも怖いことだと」。なお、僕の主治医は、こういう僕のやり方をいつも温かく見守ってくれていた。
この手記は09年11月2日にここで始めて、本年2月26日の第25回「ランナー断念」を持って終わっている。僕の不整脈は、言わば単発性の不整脈であって心臓・循環器に他の病気がなかったから、ここまで10年近くこの病気を薬などで管理しながらランナーを続けてこられた。これを書き始めた時、ランナー時代10年の最末期の手記という結末になるとは、僕にとって全く予期していなかったことだった。10年があけて慢性心房細動との診断。そこから2月と10月に、2回の心臓カテーテル手術。その間も2回目の後も主治医の許可を得て走っていたのだし、これからもそうだと信じていた。例えば去年12月29日、第24回「走れる」では、こうだ。
『さて、回復基調はさらに順調。日誌を拾うと、こんな調子だ。日に6000~9000歩の速歩き散歩が、3日に1度ほど。90往復ほどの階段登りが、週に1度ほど。そして、この24日、25日には散歩中に初めてそれぞれ1キロほど走ってみた。散歩や階段登りで走れる体力は何とか維持してきたから、心臓だけを心配しながら。その心臓もまったく異常はなさそうだった。無理をしない程度であるならば、辛うじてランナーではいられるのではないか。低速で良いから、心臓の疲れを見ながらほんの少しずつ距離を伸ばしてみたい。面白くなってきた』
さて、こんな日常が本年2月26日、突然の慢性心房細動発作、全身麻酔による除細動処置から、「ランナー断念」で終わりを告げねばならぬことになった。
その後しばらく静かにしていて手術跡が落ち着いたからなのかどうか(3ヶ月経てば落ち着くと聞いていた)、心房細動発作は、今日まで皆無である。1ヶ月に2~3回、「今、期外収縮が起こったかな」との自覚症状が出るが、それも1~2拍動欠如ぐらいのものだ。というか、このように「無理をしない程度」を確かめながらの運動に努めているということになるのかもしれない。僕の場合その運動の基本は、すぐ上に抜粋した第24回「走れる」とほぼ同じ程度である。18段の階段を70~120往復で週2回ほど、心拍数はその時の運動強度により異なるが平均135、時に145ほどだろう。これだとギターを1日3時間弾いても酸欠異常・筋肉痛はどこにも基本的に出ないし、細動による血栓防止などの薬も全く飲んでいない。心拍140になっても異常なしならば走れるのだが(時速9キロでそれぐらいではないか)、階段登りで自重した人生で行こうということだ。ただし、速歩き散歩の途中に1キロほど走ってみたりはする。もちろん心拍計を観ながら。
高校の同級生で去年同じカテーテル手術をした人がいるが、残念ながら彼の慢性心房細動は直らなかった。彼は、ワーファリンを飲みながら何年も手術を延ばしてきたのだ。こんなことから、慢性心房細動になったら早く手術をおすすめしたい。効き目に大きな差が出てくるということである。ランナーには心房細動が多いとは、主治医の言葉。ランナー諸氏、心拍の状態に十分に注意していることをお勧めしたい。また、単なる不整脈とか心房細動ならば、心拍を管理しながら結構走り続けられるものだということも申し添えたい。「心臓異常を怖がりすぎてそれまでの楽しみを減じ、体力を失っていくことも怖いことだと」。なお、僕の主治医は、こういう僕のやり方をいつも温かく見守ってくれていた。