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首領様、30歳の「決断力」を恐れる  文科系

2013年04月12日 14時02分03秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 30歳であれだけ強大な国家権力を持つって、どういう人格になるのか、自分の30歳の時を思い出しながら、あれこれと精一杯想像してみる。普通の世間でも「社長というのは本当に孤独なものだ。大会社になればなるほど」等とよく語られるようだが。

 初めは、おっかなびっくりで側近老人の言うことに耳を傾けるはず。おばさんの夫とか。でもやがて、その立場にならなければ見えて来ない自己のもの凄い権力に気づく。ところが、その権力を行使するに必要な知識はどれだけあるのだろう。立場上そんな要諦は誰も教えられない性質、内容のものだろうし、普通の50歳ほどの大人でも必要な知識の5割も持てれば大賢人と言うくらいのものではないか。常識で考えればろくに知識もなく、権力をひけらかし始めるのが関の山だろう。何しろ、血気盛んな30歳だ。スイス留学などで、一定世界を知っているとはいえ、事態は同じことだろう。どうせ甘やかされて育てられたのだろうし。何せ、神様の子どものように育てられてきたはずであって、「世間の右左」も分かってはいまい。忠臣と阿諛追従の輩の区別さえつくかどうか。

 こう見てくると、確かにチキンレース途上の暴走が、いかにも怖い。アメリカと共に進めてきたチキンレースに乗った以上は、「偉人としての決断力」も周囲には見せなければならないだろうし、若いほどに見せたくなる時もあるはずだろうし。なによりも、チキンレース途上に起こるはずの勘違いニアミスを恐れる。昨日も、日本国国交省の福岡だったかの航空管制関係で「北、ミサイル発射!」の報が国内各地29カ所に流れ、修正するのに数分かかっていた。

 いずれにせよ、とても困った事態であるのは確かだ。怖い、怖い。
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世界経済史の今を観る(10) 経済諸問題解決の方向③  文科系

2013年04月12日 09時47分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 世界経済諸問題解決の方向③ ワシントン・コンセンサスへの規制、運動  

②実体経済重視の方向(その2)

 グリーンニューディール政策には雇用対策も含まれているわけだが、雇用対策自身を現世界最大の経済課題と語る人はこんなことを言う。以下のこと以外には、雇用対策などないと語っている。いや、生きていればケインズもそう言うはずだと述べているのである。

『成長主義者は、成長すれば多くの経済問題が容易に解決されるのに、なぜ成長に疑問を呈するのかと懐疑者を責める。たしかに、毎年1%の成長でも30年続けば、2010年現在約480兆円の名目GDPは、30年後には約650兆円と、35%も増える。30年間の累積で見れば、わずか1%の成長で増加額の累計は2450兆円にも達する。この増加額の30%が財政収入になると仮定すれば、30年間で735兆円の自然増収が期待できる。数字だけを見れば、こんな”美味しい”話になぜ疑問を呈するのかと、成長主義者が懐疑者を責めるのは当然のように見える。
 しかし、あらためて考えてほしい。こんな”美味しい”話を本当に信じてよいのだろうか。(中略)
 私はこうした成長論こそ、現代の日本における”奇想”だと考えている。それでも成長戦略という”奇想”に未来を託すのか、分配政策を見直し資本主義の純化に歯止めをかけるのか、あるいは資本主義という歴史的なシステムの崩壊を待つのか。いずれにしても喫緊の課題はデフレ脱却でもなく、財政再建でもなく、雇用の不安を止めることである』
(NHK出版新書 高橋伸彰立命館大学教授著「ケインズはこう言った」2012年8月発行)
 なお高橋氏はこうして、その最大主張としてこんな事を語っている。
『私は非自発的雇用の解決には労働時間の大幅な短縮が必要だと考えている。具体的には、週40時間、1日8時間の現行法定労働時間数を、週20時間、1日5時間に短縮するように労働基準法をあらためるべきだと考えている。企業による労働力の買い叩きを抑止するためには、年間実質1~2%の経済成長を目指すよりも、人為的に労働需要の逼迫を創り出すほうが有効だからだ。経済学者は、そんなことをしたら企業が倒産すると大合唱するかも知れない』
 週20時間労働? 全く現実性がないように思われる。が、イギリスで起こった資本主義は最初10数時間などと今から見れば途方もない労働時間だったことを僕は思い出していた。それが8時間になったのである。人類が必要と認めればこんなことも可能だということだろう。なお、高橋氏がこの本で最大問題にしている非自発的雇用とは年間2000時間働いても200万円に満たないワーキングプアや、週40時間を遙かに超える無給長時間労働を拒否できない正社員たちのことだ。これに関して高橋氏は、ケインズ理解、読み直しの基本として、こんな風に解説してみせる。
 ケインズは失業者をなくすために有効需要政策を創出し、論じたのであって、100年後の世界先進国に上で述べたような意味での非自発的雇用の膨大な群れが発生するなどという事態は彼の想定外の(酷すぎる)問題であったと述べているである。つまり、8時間労働制が実現したのだから将来の世界はもっともっと労働時間が少なくなるはずだと発想していたと、そうケインズを読むのである。ケインズにとっては自明の理すぎて、語る必要もない前提だったということだ。

(この回で終わるつもりでしたが、長すぎるので、2回に分けました。あと1回追加します。11回目が最終回と言うことです。)
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