これも、過去の拙エントリーですが、ここに再掲させていただきます。
『 世界史の『今』って? 2015年11月26日
パリ・テロに続いて、トルコ・ロシアとか、英仏の軍事大拡大傾向とかなどなどの事件が、「これが世界というものだ」と叫んでいるような世界史の今である。
全く別のこんな見方も出来るのだが、そんなことはどこ吹く風とばかりだ。
これは、以下のような近年世界長年、最大の困難、悩みをニュースからかき消すための悪あがき、画策ではないか。12~14日にニューヨークダウは563ドル急落した。これも中国経済不振も含んで、日米欧こぞって作った官製バブルが破裂する可能性もおおいに出て来たと言える。これでは、9年越し念願の米利上げなど、できるわけもない。なんせ、アメリカ国家の累積債務は65兆ドルであって、6100億ドルという年間軍事費が持続不可能なことは誰の目にも見えてきた。
いつものように、以下のコメントにもいくらかの加筆、補足を加えた。
【 「今という時代は?」 2015-11-25 10:51:43
上の中日新聞社説はこう締めている。
『世界史の中で今私たちは試されているのです』
そして、この文章に僕は思う。この「今」とは、どういう今か。文中の「世界史の中で今」とは、どんなものだろう。人間は過去を知り、それを思い出すことによって、未来を考えることができる。
「新自由主義経済の今」は、古典派経済学の自由競争が「さらに拡大した世界」ということだろう。それが世界大の激しい競争になるにつれて、そうなってきた。これに伴い、この陣頭指揮までをやり始める国家も、こう替わってきた。
古典派経済学の昔は夜警国家といわれたが、国家の安全だけに専心して、それ以外の金はなるべく使わないという国家があった。今の国家はこの夜警国家を更に越えて、自由競争にさらに制限を加えない(規制緩和)どころか、これをオンブにだっこでどんどん助長する為に金を使うだけの、福祉国家の正反対物になったということだろう。この福祉国家というのは、夜警国家の後に生まれたケインズ流需要重視国家や、イギリスの「ゆりかごから墓場まで」などのことを指している。ところが、今みたいに夜警国家に回帰し始めると、アメリカや最近のイギリスのように、軍事を新たに急増させる国も出てくるというわけだ。
この夜警国家傾向の行き着く先がどこか、それが怖い。が、世界史の教える所に依れば、やがてまた正反対の国家が生まれる。その反対物は、過去の福祉国家を踏まえつつ、今の「世界大」をも包摂した新たな「福祉世界」であろうとは、容易に推察は付く。
ただ、そのときまで今の悲劇がどの程度続き、深刻になるか。「世界史は人間愚行の陳列台」と述べたのはニーチェだったが、これも一面の真理。ただ、そういう時代だけに、過去の福祉国家、「民主主義」、「自由、平等、友愛」の歴史などはよーく覚えていたい。トルコ・ロシアや、シリアだけに目、心を奪われることがないように。】
【 ポスト資本主義世界 (文科系)2015-11-25 15:22:33
すぐ上のコメントを連れあいに話してみた。彼女がここのところ一か月ほど、こういう本を読んでいるから、僕もちょっと覗いてみたこの本の「世界史の今」を知りたかったからである。
『ポスト資本主義ーー科学・人間・社会の未来』(岩波新書 広井良典千葉大学法経学部教授著)。
上のコメントの内容をこの本がどう書いているかという討論になった。この本の近未来キーワードは、「緑の福祉国家」、「持続可能な福祉国家」、「地球倫理の可能性」ということのようだ。一応我が意を得たりという印象は持ったが、問題はどこから、どう変えていくのかだろう。今は既にこんな世界なのだからと、そんな話も彼女から当然のように出てきた。
徴兵制はなくとも、命の値段も金次第というわけで、貧乏人が「自ら」兵士になる時代である。彼らが金持ちと金持ちが所有する「国家を守る」のである。それも、65兆ドルの累積債務がある国家が、年6100億ドルを費やして。なんと不条理な世の中であるか。】
【 吹っ飛んだ所得再配分政治 (文科系)2015-11-25 20:45:32
上のコメント群をいくつか補足します。
『(定常型社会について)余分なものは作らないという「自給自足」程度の意味』というのは、こういう説明も要ると思います。国家としての自給自足ではなく、地球としてのそれね。
『社会思想は反民主主義としての「機会の平等」の否定と大格差の肯定』
ここは『貧富の世襲』と『中産階級の没落』と書くべきところかも知れません。
最後に、初めのコメントのこの部分。
『自由競争に制限をしないどころか、これをオンブにだっこで助長するのみの、福祉国家の正反対物』
これは例えばこういうこと、世界として金融資本の租税回避国、策動を認めているということ。さらに、資本を呼び込みたくって法人税値下げ競争の世界になっているということ。それで税収は少なくなり、個人への税がどんどん増えているということ、などなど。これでは、民主主義国家の根幹である「税による所得再配分政治」などは有名無実で吹っ飛んでしまいます。日米など世界最先端の先進国ほどこうなっているのが、その証拠。アメリカの貧乏な大学入学希望者は、軍隊入隊を経ることによって大学入学資金を得ています。イラクやアフガンで死んだのは、そういう人々でした。すべてアメリカの後を追いかけている日本も、安保法制の元ではそうなって行く可能性大と思います。。】 』
『 世界史の『今』って? 2015年11月26日
パリ・テロに続いて、トルコ・ロシアとか、英仏の軍事大拡大傾向とかなどなどの事件が、「これが世界というものだ」と叫んでいるような世界史の今である。
全く別のこんな見方も出来るのだが、そんなことはどこ吹く風とばかりだ。
これは、以下のような近年世界長年、最大の困難、悩みをニュースからかき消すための悪あがき、画策ではないか。12~14日にニューヨークダウは563ドル急落した。これも中国経済不振も含んで、日米欧こぞって作った官製バブルが破裂する可能性もおおいに出て来たと言える。これでは、9年越し念願の米利上げなど、できるわけもない。なんせ、アメリカ国家の累積債務は65兆ドルであって、6100億ドルという年間軍事費が持続不可能なことは誰の目にも見えてきた。
いつものように、以下のコメントにもいくらかの加筆、補足を加えた。
【 「今という時代は?」 2015-11-25 10:51:43
上の中日新聞社説はこう締めている。
『世界史の中で今私たちは試されているのです』
そして、この文章に僕は思う。この「今」とは、どういう今か。文中の「世界史の中で今」とは、どんなものだろう。人間は過去を知り、それを思い出すことによって、未来を考えることができる。
「新自由主義経済の今」は、古典派経済学の自由競争が「さらに拡大した世界」ということだろう。それが世界大の激しい競争になるにつれて、そうなってきた。これに伴い、この陣頭指揮までをやり始める国家も、こう替わってきた。
古典派経済学の昔は夜警国家といわれたが、国家の安全だけに専心して、それ以外の金はなるべく使わないという国家があった。今の国家はこの夜警国家を更に越えて、自由競争にさらに制限を加えない(規制緩和)どころか、これをオンブにだっこでどんどん助長する為に金を使うだけの、福祉国家の正反対物になったということだろう。この福祉国家というのは、夜警国家の後に生まれたケインズ流需要重視国家や、イギリスの「ゆりかごから墓場まで」などのことを指している。ところが、今みたいに夜警国家に回帰し始めると、アメリカや最近のイギリスのように、軍事を新たに急増させる国も出てくるというわけだ。
この夜警国家傾向の行き着く先がどこか、それが怖い。が、世界史の教える所に依れば、やがてまた正反対の国家が生まれる。その反対物は、過去の福祉国家を踏まえつつ、今の「世界大」をも包摂した新たな「福祉世界」であろうとは、容易に推察は付く。
ただ、そのときまで今の悲劇がどの程度続き、深刻になるか。「世界史は人間愚行の陳列台」と述べたのはニーチェだったが、これも一面の真理。ただ、そういう時代だけに、過去の福祉国家、「民主主義」、「自由、平等、友愛」の歴史などはよーく覚えていたい。トルコ・ロシアや、シリアだけに目、心を奪われることがないように。】
【 ポスト資本主義世界 (文科系)2015-11-25 15:22:33
すぐ上のコメントを連れあいに話してみた。彼女がここのところ一か月ほど、こういう本を読んでいるから、僕もちょっと覗いてみたこの本の「世界史の今」を知りたかったからである。
『ポスト資本主義ーー科学・人間・社会の未来』(岩波新書 広井良典千葉大学法経学部教授著)。
上のコメントの内容をこの本がどう書いているかという討論になった。この本の近未来キーワードは、「緑の福祉国家」、「持続可能な福祉国家」、「地球倫理の可能性」ということのようだ。一応我が意を得たりという印象は持ったが、問題はどこから、どう変えていくのかだろう。今は既にこんな世界なのだからと、そんな話も彼女から当然のように出てきた。
徴兵制はなくとも、命の値段も金次第というわけで、貧乏人が「自ら」兵士になる時代である。彼らが金持ちと金持ちが所有する「国家を守る」のである。それも、65兆ドルの累積債務がある国家が、年6100億ドルを費やして。なんと不条理な世の中であるか。】
【 吹っ飛んだ所得再配分政治 (文科系)2015-11-25 20:45:32
上のコメント群をいくつか補足します。
『(定常型社会について)余分なものは作らないという「自給自足」程度の意味』というのは、こういう説明も要ると思います。国家としての自給自足ではなく、地球としてのそれね。
『社会思想は反民主主義としての「機会の平等」の否定と大格差の肯定』
ここは『貧富の世襲』と『中産階級の没落』と書くべきところかも知れません。
最後に、初めのコメントのこの部分。
『自由競争に制限をしないどころか、これをオンブにだっこで助長するのみの、福祉国家の正反対物』
これは例えばこういうこと、世界として金融資本の租税回避国、策動を認めているということ。さらに、資本を呼び込みたくって法人税値下げ競争の世界になっているということ。それで税収は少なくなり、個人への税がどんどん増えているということ、などなど。これでは、民主主義国家の根幹である「税による所得再配分政治」などは有名無実で吹っ飛んでしまいます。日米など世界最先端の先進国ほどこうなっているのが、その証拠。アメリカの貧乏な大学入学希望者は、軍隊入隊を経ることによって大学入学資金を得ています。イラクやアフガンで死んだのは、そういう人々でした。すべてアメリカの後を追いかけている日本も、安保法制の元ではそうなって行く可能性大と思います。。】 』