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アメリカの国際情勢論 2 「日本は自前の軍拡を!」  文科系

2019年07月08日 19時34分53秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日から、ニューズウイーク最新号の日本版コラムニスト論文「日本の進むべき道」を要約している。アメリカの日本への要求が分からなければ日本の情勢が何も見えて来ないに等しいからだ。この金融グローバル時代に、アメリカの動きを見ないで右翼ポピュリズム政治を説く勢力などは、結局国を売ることになる輩だと思う。

 さて、調べてみたらこの筆者は、CIAの日本方面幹部であって、今はニューズウイーク日本版コラムニストでもある人物だ。去年日本記者クラブでも講演したというから、いわゆる日本ハンドラー最前線部隊の1人という、米最深部からの「日本当面の国際路線」なのだろう。

 前回要約したように、論文の前半「国際情勢論」は、まー随分身勝手な物と読んだ。まず、こんなことを言う。現在の世界は、「パクスアメリカーナ」、米国の傘の下に世界の安定、平和があるなどと。アフガン戦争、イラク戦争、シリア内乱工作など関連死含めたら200万人の悲劇とか、そこから流れ出した難民による世界大混乱などは、何もなかったようではないか。また、20世紀に米国自身も主導して作った国連など二つの世界平和組織は無視されて跡形もないような論文である。イラク戦争前に示されたように、米国の軍事横暴にとって国連はもはや邪魔者にしかなっていないという扱いなのだ。イラク戦争開戦に見るように、現在世界唯一のこの国際平和組織を邪魔者扱いしていることこそ、アメリカが国際民主主義を蹂躙していると何よりも証明している。その口で説く「世界平和」を信用する人間の方が可笑しいのだ。日本のマスコミなどもアメリカの報道や批判において、もう少しこういう常識を採用したらよい。

 さて、先回まとめた国際情勢論から「日本の進路」が4項目示されることになる。日米関係、国際関係、経済力、軍事なのだが、その要はアメリカらしく、何よりも軍事優先でこういうものだ。中国の台頭もあって傾きかけた世界安定米国傘をば、アジアの一角から日本はもっと熱心に支えろ、と。

『米軍による傘は今後もずっと、日本の安全保障の中核であり続けるはずだ。ただし、現在この傘は戦後最も不確かに見える。中国の軍事力増強だけを考えても、不安定な状態はこれからも続くだろう。・・・日本は今や自前の軍事力強化が必要な時期に来ている』

 しかもこの路線をば、外交以上に軍事強化を図って推進すべきとまで述べているのである。
『国際社会における不確実性の増加を軍事力強化と外交によって埋め合わせることは日本の国益にかなう』

『従って、ステルス戦闘機F35の購入や護衛艦「いずも」の事実上の空母化は、日本にとって賢明なステップだ』

 先回述べたような国際情勢論から必然的に出てくるこのような「日本の進路」こそ、「米中衝突最前線に米国の尖兵として日本が立つべきだ」ということになるのだろう。軍事はもちろん、外交一般も経済も・・・。なぜそうなのか? 米国が過去に取った行動から観ると、こんな理解は僕にはとても信じられない。中国の軍事強化がアメリカほどに世界を不安定に乱す時が来るとしても、まだまだ先の話だろう。アメリカのあちこちの大きな戦争は、21世紀になってすでに3回も起こっているのだ。しかも、それぞれの戦争の理由はいまだにきちんと説明さえされていない。
 そういうすべての戦争を踏まえて、これから中国に対するアジアの尖兵に、どうして日本がならねばならないのだろう。
コメント (5)
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