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立憲主義論が、恐怖政治論に差し替えられた話   文科系

2020年08月03日 14時05分33秒 | 国内政治・経済・社会問題

 このブログでは最近、シンという方と僕との間で長い論争が続いて来た。その分量は、右欄外「コメント」欄のコメント記名を見ていただけば分かるが、日本の新旧二つの憲法とその原則との理解に関わる論争である。その最新の議論が煮詰まった部分を、ここの週累計アクセス4000端末ほどのお方にご披露し、一緒に考えあってみたい。ちなみに、ここの読者は、僕のようなリベラルもさりながら、9条改訂論者も多いから、ご披露の意味は大きかろう。互いの思考をより明晰に出来るという意味で。なお、僕の以下旧稿には、若干の補足をした。論旨が明晰になるように。

 

国民主権が僕の原則 (文科系) 2020-08-02 05:39:00
 僕らがどこでこれほど違うのかが、やっと分かってきました。以下のように語ればお分かり願えるかな。
 例えば、僕の考えでは貴方のお説は否定する。どこで否定するか。「天皇の地位は国民が決めるべし」という国民主権論からです。つまり「天皇(・臣民)」よりも、国民主権を国政の最上位に置くという考え方なのです。
 これはなにも、今の憲法があるから正しいとか、帝国憲法が有効だからちがうとか、そういったものではなく、国民主権を近代国政とその制度の根本原則だと考えているからです。ちなみに、国民主権を否定している大日本帝国憲法(特に第一条)だって、明治に作られたものです。国民主権原則からはこれには反対だと語ることもできるし、そもそもこれに従うべしという理由もありません。(以下略)

貴方の論理と僕の論理 (文科系)  2020-08-02 08:45:35
 もっと分かりやすく、貴方の論理を説明してみます。そこから、僕の論理も明らかになるのだから。
① 日本国憲法体系を無効とすれば、日本国家に残っているのは、大日本帝国憲法だけである。よって、日本は今でも天皇主権国家なのだから、「天皇は神聖にして犯すべからず」でさえ国民たる者、守らねばならない。これが貴方の論理?
② ①によれば、日本国憲法のような国民主権は、大日本帝国憲法と根本的に矛盾する。こういう両立しがたい両国家体制を前にした時、人はどういう立場を取りうるか。これについて僕はこんなことを考える。
③ 一つには、革命権という考え方がある。これが認められねば、古い国家体制と両立しがたい国家体制は絶対に生まれるべきではないとなるはずだ。が、現実世界では、君主制に対して共和制、民主制がどんどん生まれてきた。その時に人は、この革命権を唱えてきたかと覚えている。民の抵抗権という名の政治概念は、西欧ではすでに中世からあった。
④ 古い国家体制も人が作ったもの。神聖なものでもなんでもない。人が作ったものは、多数派になった人が覆せる。国民主権(による民主政体)とはそういうことなのだと思う。「天は人の上に人を作らず」と述べたら良いだろう。

国民の軍隊か?それとも天皇の軍隊か? (シン) 2020-08-03 02:21:21
>という考え方については、改めて、どう答えますか。お聞きしたいものです。
 という考え方というのは、国民と天皇が敵対関係にあるという考え方と受け取りました。私は、国民あっての天皇、天皇あっての国民という考え方です。あなたは、国民と天皇が敵対関係にあるという考え方と受け取りました。この場合、自衛隊を味方につけた方が勝利するのです。もしも、国会が自衛隊の廃止を決めたならば、天皇は、大喜びするでしょう。天皇は、自衛隊に国民に銃を向けるように命令し、自衛隊は喜んで従うでしょう。自衛隊を廃止しようとする総理大臣も国会議員もさぞや残酷な殺され方をするでしょう。銃さえ持っていないのに、最新装備に身を包んだ自衛隊と戦おうという人は、全体の何%でしょうか?おそらく99.99%の人が戦わないと思います。刃物で0.01%の国民が戦っても全滅しておしまいです。
アメリカが銃口を突きつけて改憲した日本国憲法が有効なのですから、天皇が銃口を突きつけて改憲する新憲法が有効である事は当然です。こうして、天皇主権の新しい憲法ができることになります。

とはいえ、ここで、こう言われると思います。聞いているのは、自衛隊の廃止ではなく、天皇の廃止だと。しかし、関連性はあると思うのです。自衛隊は、九条を維持する国民に嫌気が差しているし、自衛隊の忠誠心は天皇に向けられているからです。天皇の廃止を決めたなら、天皇は激怒するでしょう。自衛隊は天皇の側につくと思います。

天皇廃止を決めれば、負けるのは国民。日本は天皇主権の国としての新しい憲法がつくられます。

 独断が多すぎて・・・  文科系(今回ここに、初めて書いた文章)
 標記の独断とは、証明のない命題を指す。そして、こういう論争における証明とは、関連する世界史の実例や論理などを駆使して行うものだろう。ちょうど、明日の戦争の戦略・戦術は、過去の戦史や戦争諸論理から導き出してこそ、独断を免れて勝利できていくように。

①僕の考え方を「国民と天皇は敵対関係にある」とするものと語られた。②そこから、「僕らが自衛隊を廃止しようとしているのだから、天皇は大喜びで自衛隊を味方につけ、さらに③その自衛隊は9条国民に嫌気がさしているので天皇につく。よって、9条国民は「残酷な殺され方をする」から、④「天皇主権の国としての新しい憲法がつくられます」と結論された。

 さて、これらは全て乱暴すぎる「論理」というもの、貴方の推察に過ぎない。
① この「敵対関係」ってなんだろう。「残酷な殺され方」で相手を(天皇が)皆殺しにするようなそれとは? 歴史上古くはフランス革命のギロチンとか、近くはルーマニア元首のつるし首とかの逆を想定された? でも、真の国民主権にギリギリ平和裏に、黙って政権を明け渡した旧ソ連崩壊のような例もある。側面はちょっと違うが、第2次大戦後のイギリスは、世界の半分以上に及ぶその植民地を各国民に平和裏に委譲した。
②③ こういう政権移行に関わっては、軍隊がどちらにつくかが世界史上も常に決定的な問題だった。上のソ連の場合は結局、軍指導部ではなく国民の側についた。そのようにゴルバチョフ政権側が命令したからであって、文民統制が利いたゆえに旧政権首班ゴルバチョフは殺されはしなかった。こうして、「9条を守る国民には、自衛隊は必ず背を向ける」も、「天皇が自衛隊に皆殺しを命じる」も、独断というだけである。ちなみに、自衛隊幹部にも文民統制を信奉する幹部は多いはずだ。国会が自衛隊解散と決めたら、それに反乱を起こす幹部がどれだけいるのかを逆に訊きたいものだ。 
④ 以上すべてが不確かならば、④の結論は漏れの激しい瓶みたいなもの、決して水を貯めてはおけない。

 結論。こういう独断羅列の応対をなぜされたのだろう。それも、真摯に対応した僕のお応えには答えられずに。正直不思議なお答えだと申し上げるしかない。

コメント (10)
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