新聞に出ていた標記の数字に驚いて、胸が痛んだ。日本の1.30も低いがそれにしてもと思って書いてある理由をよく読むと、その理由は日本とそっくり。雇用が不安定で、住宅費や教育費が高いなどから、晩婚化が進んでいる。特に女性が日本よりも遅れるようで、女性の初婚年齢も30歳を越えるとあった。日本も30歳近くのようだが、韓国ではひょっとして、女性の専業主婦願望が強いのだろうかなどとも考えてみた。今年1月から「親給与」という親になった人に政府から0歳児月額約7万円、1歳児はその半分与えられるのだそうだが、なぜこんなことになったのか。
日本の晩婚化が急になったのは、住宅バブルが弾けた1990年代の就職氷河世代からだと思うが、韓国では2000年代からなのだそうだ。韓国の2000年代というとすぐに思い出したのが、アジア通貨危機。1997年のタイ国バーツ空売りから始まって、タイにつぎ込んでいた韓国ウオンも大打撃を受けた。その時に救済を受けた国際金融機関から長く厳しい財政規律を課されたと覚えている。
「是非結婚したい」という結婚願望が強い人の割合も2割を割るそうだ。ただこういう数字は、今の男女が昔よりもずっと低年齢から互いを意識している姿を見るとき、到底信じられないものだ。本心は皆が強く結婚もしたいと思っていると確信する。それを自ら否定しているのは、人間特有の一種の強がり、自分に現状を納得させると言う人間特有の知恵なのだと思う。
韓国も、孫がいない老人夫婦がどんどん増えているのだろう。子を持ち、孫が生まれるという人がずっとやってきた自然であるはずの営みに、経済、空売りなどがこれだけの影響をもたらしてきたと考えると、何か悲しくなる。