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パイプライン爆破は、米海軍の仕業   文科系

2023年02月20日 03時46分23秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 この2月8日、元ニューヨークタイムズ記者で、調査報道の専門家シーモア・ハーシュが標記のニュースを詳しくすっぱ抜いた。氏は、ベトナム戦争ソンミ村虐殺事件の調査報道によってピューリツア賞を受けるなど「伝説の報道記者」と語られてきた著名な調査報道記者である。

 このニュースによると、昨年6月、ノルウエー海軍の支援を受けた米海軍のダイバーらがノルトストリーム1、2の海底80mと浅い箇所に爆薬を仕掛けて、9月28日に4カ所で爆破させた。結果、約50mに渡って厚い金属が極端な力によって破壊された、とある。このノルトストリームがロシアから欧州へ天然ガスを運ぶパイプラインであって、「欧州のロシア依存、アメリカ・エネルギー産業の影響力低下」を妨げるべく、ウクライナ戦争以前からアメリカから計画が漏れ出ていた話でもあったから、事が大変なようだ。

 なお、この事件の後遺症がまた意外に大きい。ドイツでは、原発を一部再稼働するというのが大きなニュースになっていたのだから。ウクライナ戦争勃発によってすでにこのパイプラインは閉鎖されており、22年末までに全ての原発を停止するというドイツの計画が23年までお流れになっていた上に、この事件がかさなったのである。

「アメリカはここまでやるのか!」。アメリカにとってロシアのお仲間にしてこれよりも遙かに大きな「敵は本能寺」、中国に対する最前線に置かれた日本としても、新たにとんでもない問題を突きつけられたと言えまいか。それも、中国の一帯一路(の前進)とか、南米などの反米親中気運の盛り上がりとか、イスラエル絡みから来るアラブの米離れとかを前にするとき、「台湾侵攻は2020年代に必ず起こる」と叫んでいるアメリカが限りなく不気味に映るのである。その覇権を守るためには何でもやるぞと開き直った確信犯のように見えるから。
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