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外務省人事慣例が抜本改正?   文科系

2015年11月14日 22時24分13秒 | 国内政治・経済・社会問題
 元外務省官僚の天木直人が『11月10日発売の月刊文芸春秋の官僚人事ゴシップ欄である霞が関コンフィデンシャルを読んで驚いた。』と前置きして、こんなことを語っている。

『斎木次官が来年夏まで続投し、その後は一気に人事がすべて若返るというのだ。これまで巷間しばしば伝えられて来た、次期次官を含めたた外務省幹部人事がすべてふっとび、外務省の常識が通用しない人事が行われるという。
 もと外務官僚である私には、この記事がどれほど衝撃的な記事か、よくわかる。
 これまでの外務省の人事は、内部の出世争いによる派閥人事はあったが、それでも次官が決まれば、外務官僚の間で暗黙の了解と秩序が保たれた。
 そして、その次官は、派閥人事を行う一方で、自らの人事権をなんとか組織の為に使うことに腐心した。
 それが官僚組織の掟だった。
 ところが斎木次官の去った後の外務省は、もはや誰も次期次官の予想がつかなくなったのだ。
 次官が外務官僚を掌握するという時代は終わり、局長たちがみな次官ではなく政権を向いて動くことになる。次官の権限と権威が吹っ飛び、次官はただの幹部のひとりとなる。』

 僕は、天木直人がこういう変更に驚くという事実に、逆に驚いた。このブログでもずっとこう述べてきたからである。官僚は政権の方針に従うべきだ。特に外務官僚は、アメリカのスパイもどきという習慣を改めろ、と。今は安倍政権だが、新政権が出来た時に外務省がアメリカのスパイとしてその政権を潰すという、鳩山内閣に対して行ったような行為が出来なくなることはこの上なく良いことである。

 また、この変更が事実としたら、外務省のアメリカへのスパイ行為を流石の安倍政権も見るに見かねたのだろうとさえ、僕は推測した。もちろん、安倍政権らしい極右の立場からそう見たのだろうが、それにしても官僚が時の政権に従うなどということは当たり前過ぎることである。

 官僚自治共和国(利権集団)が、特にその牙城・外務省において潰れたとしたら、それはこの上なく良いことである。
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新聞の片隅に載ったニュースから(218)   大西五郎

2015年11月14日 19時15分01秒 | Weblog
駆け付け警護 見送り 今月派遣南ウーダンPKO部隊(15.11.14毎日新聞)

 中谷元防衛相は13日の記者会で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に今月から派遣する陸上自衛隊の施設部隊に対し、安全保障関連法に基く「駆け付け警護」の任務を与えない方針を明らかにした。
 南スーダンの部隊は半年で交代しており、今回の部隊の派遣は来年6月までの予定。一方、安保関連法は来年3月までに施行され、その後は法律上、PKOでの自衛隊の任務として駆け付け警護を追加できる。しかし、中谷氏は会見で「新しい法律に基く行動については具体的な検討や準備を進めている段階だ。今度派遣される部隊に新しい任務や活動を付け加えることは考えていない」と明言した。現在は駆け付け警護を想定した訓練も実施していないという。
 駆け付け警護では、離れた場所で他国軍部隊や非政府組織(NGO)職員などが襲われた場合、要請があれば、自衛隊が武器を使って救出できる。
 政府は当初、来年6月に派遣する部隊から新任務を与えることを検討していたが、来年夏に参院選があるため、不測の事態を考慮し、任務追加を選挙後に先送りすると見られる。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

 安保関連法案の国会の審議で安倍首相や中谷防衛相は友好国の軍隊などへの駆け付け警護は集団的自衛権の一環と説明してきました。その場合、自衛隊員が戦死するようなリスクを負うことになるのではないかが論議されましたが、安倍首相は「リスクが高まることがないようにする」で押し通しました。そして来年3月末までに施行される安保法に従がって来年6月に派遣される部隊から駆け付け警護ができるようにするというのが政府の方針でした。
 しかし中谷防衛相は「新しい法律に基く行動については具体的な検討や準備を進めている段階だ。今度派遣される部隊に新しい任務や活動を付け加えることは考えていない」と一転して駆け付け警護の実施に慎重な姿勢を示しました。
 しかし記事にあったように「来年夏に参院選があるため、不測の事態を考慮して任務追加を先送りした」といいますから、もしも駆け付け警護に行って不測の事態、戦闘に巻き込まれ、自衛隊員に犠牲者が出た場合には、法案審議の段階からあった「これまで平和憲法の下で、日本は一人の外国人も殺さず、一人の自衛隊員の犠牲者も出さなかった」という追求をかわし切れず、参院選に不利になるという判断からのようです。
 これこそ国民を欺く策術です。どの世論調査でも、安保法案に反対が多数です。それでも安倍首相は「丁寧に説明すれば判ってもらえる」と法案の採決を強行しました。しかし野党の臨時国会開催の要求(憲法には4分の1以上の国会議員から要求のあった場合には臨時国会を開かねばならないとなっている)も無視し、国民への丁寧な説明を行っていません。国民の意思に反しても自分がやろうとすることを押し通すという独裁的政治手法です。安倍首相は国民は「愚」だと思っているようです。もっと謙虚に国民の声を聞くべきです。
                                     大西 五郎
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琉球新報より  らくせき 愛知・自民を落とそう

2015年11月13日 09時20分28秒 | Weblog
どんな問題であれ、その弊害が特定地域に局限されていたら解決は難しい。世論の後押しが必要な外交課題であればなおさらだ。

 その意味で、この決議が、沖縄だけでなく全国に問題を可視化させた功績は大きい。全国町村議会議長会が日米地位協定の抜本的見直しを求める決議を採択した。嘉手納町議会の徳里直樹議長が提起したという。
 決議は「締結以来、50年以上も改正されていない。運用改善や環境補足協定はなされたが不十分」とうたう。協定自体の改定を求めているのは明らかだ。高く評価する。政府は改定へ動くべきだ。
 地位協定の問題は歴然としている。米兵が容疑者と判明しても、ほとんどの犯罪では逮捕できない。日本側警察が米軍に通報すれば基地内で「拘束」するというが、拘束には3種類あり、留置施設に入れるのはごくまれだ。隊舎内は自由に動けるものもあれば、基地内であればどこへも行けるものもある。そうなれば証拠隠滅、口裏合わせはやりたい放題だ。
 わずかに殺人と強姦(ごうかん)だけは身柄引き渡しも可能だが、それも米軍の「好意的考慮」次第だ。凶悪事件なのに放火も強盗も対象外で、事実上、犯罪隠蔽(いんぺい)に手を貸しているのが今の地位協定なのである。
 環境汚染が露呈しても地元は立ち入り調査すらできない。調査を可能にする「運用改善」をした後でも、「好意的考慮」次第だから、米側が拒んだ例はいくらでもある。環境補足協定も同じ規定だ。有形無実になるのは目に見えている。
 基地を返還する際にも、猛毒物質を地中に埋めて隠蔽したままで、返還後に発覚しても米軍は知らぬ顔だ。騒音防止協定を結んでも抜け穴だらけで、午前3時台に110デシベルもの「聴力の限界」に近い爆音をまき散らす。こんな不平等かつ人権侵害の協定が21世紀に現存すること自体が問題なのである。
 こうした実態は、基地が沖縄に集中しているから他県の人には見えない。見えないから問題意識も持たない。改定の意思すらない政治も外務省も問題だが、沖縄以外の国民には見えない構造自体が問題なのである。
 協定を改定しようと思えば米国相手に「力業」の交渉をしなければならないが、国民世論の圧倒的な支持がなければ本格交渉は困難だ。その意味で決議の意義は大きいのである。この動きを他の全国組織にも広げたい。






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新聞の片隅に載ったニュースから(217)     大西五郎

2015年11月12日 11時24分52秒 | Weblog
政府・自民BPO「圧力」批判に反論 野党「介入」と非難(15.11.10中日新聞)

 政府、自民党は九日、報道番組のやらせがあったとされるNHKの幹部に対する同党の事情聴取や、総務省による厳重注意を「圧力」と批判した放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会に反論した。谷垣禎一幹事長は記者会見で、今後も同様の問題があれば放送局の幹部を党に呼び説明を聴く可能性に言及した。野党は「報道介入だ」と強く非難し、政府、自民党の姿勢をただしていく構えだ。
 谷垣氏は「やらせをした時にどう対応を取るか。報道の自由があるから一切、口をつぐんでいるのがいいとは思わない」と表明。今後の問題発生時にも「来てもらって実情を聴くことはある」とした。理由について「放送は新聞と違い貴重な電波を使う。影響力も極めて大きい」と述べた。
 菅義偉官房長官も会見で総務省を批判したBPO検証委に関し「放送法に規定する番組を編集する際の遵守事項を、単なる倫理規範だと誤解している。総務省は必要な対応を行った」と主張した。検証委は六日、意見書を発表し、自民党の聴取について「放送の自由に対する政権党による圧力そのもの」などと指摘した。
 これに対し民主党の枝野幸男幹事長は九日、国会内で記者団に「行政や与党は報道に対して最も抑制的なければならない」と苦言。共産党の山下書記局長も会見で「政府や与党が口を挟むのは戦前の教訓を踏まえない誤った対応だ」と安倍政権を批判した。(以下略)

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

 この話の発端となったのは、NHKの「クローズアップ現代」の出家詐欺問題にやらせがあったとされる問題でBPOの放送倫理検証委員会が「重大な放送倫理違反があった」とする見解を6日に発表したことです。検証委員会はさらに、総務省がこの問題でNHKに厳重注意した問題や自民党の情報通信戦略調査会がNHK幹部を呼びつけて説明させたことなど、政府・与党が放送番組の内容について事情聴取したことは「放送の自由に対する介入だ」と批判しました。各新聞はこれを「権力による介入」と報じました(詳しくは東海放送人九条の会の<ものみやぐら>のコーナーをお読みください(東海放送人九条の会若しくはtokaicueで検索するとホームページを開くことができます)。新聞は“やらせ”の問題よりも“介入”の問題を重視した記事になっていました。(ただし読売新聞だけは“介入”には触れず、相変わらずの政権寄りの姿勢でした。)
 このため菅官房長官と自民党の谷垣幹事長が急遽記者会見を行なって「放送法の遵守を求めたもので、今後も問題があれば必要に応じて説明を求める」と表明しました。しかし放送法の放送基準は放送事業者が守るべき基準を明らかにしたもので、外部から強制すものではありません。
自律を基本としています。権力を持ったものが自分の尺度に放送を従がわせようとすることは許されません。政府と与党の幹部は日本国憲法が国民に保障している「言論・表現の自由」の本当の意味をよく噛みしめるべきです。
大西 五郎
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ハリルジャパン(33) 岡崎慎司の奇跡?  文科系

2015年11月12日 00時21分25秒 | スポーツ
 今、世界で最も古い歴史を誇るイングランド・サッカーリーグで、一つの歴史的記録が塗り替えられようとしている。
 10ゲーム連続得点というファンニステルローイのリーグ記録まであと1ゲームと迫っている選手がいる。岡崎慎司の同僚FWジェイミー・バーディーなのだが、この選手が、去年までは名もない28歳。それも、最近まで別の職業を持ったアマチュア選手だった。去年でさえ、このレスターというチーム内トップスコアラーは別の選手である。それが、今年化けた。現在12得点でリーグダントツの首位。何せ2位が7得点である。ちなみに、2位3人の内の1人にも、岡崎の同僚リヤド・マレズが入っている。このマレズ、アルジェリア時代のハリルの秘蔵弟子だとは、前に述べた。

 そして、レスターシティーというこのチームは、この2人の得点にも支えられて勝ち点25点の、堂々たるプレミアリーグ第3位である。トップのマンチェスタシティー、2位のアーセナルの勝ち点26に続いている。何度もここで語ってきたように、去年まではすーっと一部リーグにいることさえ珍しかったチームなのだ。それが3位で、バーディー選手のこの珍事! 岡崎ファンの僕は、ここに岡崎の功績があると思わないわけにはいかないのである。こんなふうに。

①岡崎のバーディー、マレズへの直接間接の「アシスト」が多いに違いない。 
②この二人が点取り屋としての岡崎から学んだことも多かったに違いない。なんせ、岡崎みたいな選手は外国人ではとても珍しいはずだ。ただ、鈍足の岡崎と違って、バーディーはもの凄く速い。50メートルほどまでのダッシュならばプレミアリーグナンバーワンのスピードと記録にあった。このスピードを「使う時」を岡崎から学んだのだろう。
③攻守両面で組織的に頑張る岡崎がチーム組織作りに与えた影響は甚大なのではないか。それが、監督の岡崎を巡る采配によく現れているように感じる。岡崎を非常に大切に使っていると見えるのである。ちなみに、バーディー選手は守備にももの凄く走り回るが、これも岡崎から学んだ点が多いのだろう。

 さてさて、僕がレスターのゲームを観たのは5ゲームほどに過ぎないが、守備をがっちりやる岡崎のボール奪取からカウンターが始まることが非常に多かった。岡崎って、こんなにボール奪取が逞しかったかなと驚いたほどだ。ここから、ショートカウンター(得点)が非常に多いチームになっているのだが、岡崎が奪取した瞬間に、いや奪取を予感して、バーディー得意の猛ダッシュと、そんな場面がよく見られた。

 岡崎慎司をますます好きになっている、と言う以上に凄い選手だとつくづく思う昨今だ。なんせ凄まじい闘争心を感じさせ、敢闘精神が大好きなイングランドを沸かせている。身体もずんぐりむっくりと逞しいその顔が、細い目ともあいまって、まさにサムライに見えてきたというのは、僕だけではないはずだ。 
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ハリルジャパン(32) 香川、守備に新境地  文科系

2015年11月11日 02時33分05秒 | スポーツ
 以下は、サッカー・マガジン・ゾーン・ウェブの記事の抜粋である。実証的でとても良い記事だと読んだもの。香川真司の守備が劇的に変化したことを示していると観たからである。

『 タックル成功率100パーセント! 香川がシャルケとのダービー戦で示したインサイドハーフとしての進化
Soccer Magazine ZONE web 11月10日(火)17時13分配信

 ドルトムントでリーグ戦全12試合に先発出場中の日本代表MF香川真司。ヨーロッパリーグやDFBポカールなど公式戦全体で見れば、19試合7得点7アシストと攻撃陣の軸として見事に機能しているが、そんな「背番号23」の充実ぶりが守備面にも及んでいることが、3-2で勝利した8日のシャルケ戦のデータから明確に示された。(中略) 激しさの求められる伝統の「ルール・ダービー」で、香川はそのタスクをしっかりと遂行していた。

 この試合で香川は、相手のボールホルダーにタックルを4度試みてすべて成功。100パーセントという確率はもちろん、(中略)タックルの成功回数4回もチームトップの数字となっている。
 特筆すべきは、このタックルすべてが後半2分にピエール=エメリク・オーバメヤンがチーム3点目を決めた後の時間帯に記録されている点だ。2点のビハインドを負ったアウェーのシャルケが前掛かりに攻めて来るなかで、香川はアンカーのユリアン・バイグル、左サイドバックのマルセル・シュメルツァーと絶妙な距離感を保ちながら、左サイドの守備強化に貢献していた。

 後半10分、シャルケの右サイドバックを務めるジュニオール・カイサラが中央にドリブルで切れ込んでくるところを、シュメルツァーと連動しながらストップ。7分後にはカイサラからのパスを受けたレオン・ゴレツカの縦への突破を、今度はバイグルと挟むようにして食い止めた。
 さらにチームが2失点目を喫し、相手が圧力をより強めてきた同34分には、タッチライン際でボールを持つゴレツカに、再びバイグルと連携してタックルを仕掛け、アディショナルタイムには左サイドの高い位置でヘンリク・ムヒタリアンが失ったボールを素早く回収している。

 試合後に「クラブにとっても負けられない試合だった」と香川は語っていたが、その言葉をまさに体現するような球際の気迫を見せていた。』


 ここのウェブ記事は読み物になるなと思われたことだろう。変な解説を付けずに、即物的に、あるいは数字を上げて報告している所がよい。乞うご期待というお薦めと言えよう。
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最近の世界、暴露続きに   文科系

2015年11月11日 02時30分15秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 最近の世界、いろんな暴露が続いて大事件になっているが、理論的にはこんなこともあり得ると前置きして、僕が見た夢を語ろう。

 まず、ワールドカップの役員収賄が大々的に暴露された。FIFA役員が大改造されるだろう。WC誘致目的で賄賂を送った国、例えばドイツなどが大問題になっている。ドイツがそうなら、南アやブラジルはどうなのかと言いたくなる。ドイツでは、サッカー協会会長が辞任したようだ。ドイツやブラジルや従来の役員国がFIFAへの発言力を弱めれば、WC利権のかなりがどこかに移るのだろうかなどとも、考えたくなる。なお、関連してドイツの運動具メーカー・アディダス社が贈賄側で上がっているから、VW問題とダブってくる。
 次いで、VWの燃費表示を偽造する工作が明るみに出て、これもドイツ。
 と観ていたら今度は、ロシアの国を挙げての歴史的大々的ドーピング事件が発覚した。去年の12月から内偵されてきたらしい。
 なお、あらかじめ言うが、以下のことを夢見るからと言って、これらの罪を決して容認するものではないと、これはくれぐれも前置きしておきたい。

つぎにそれでは、上記事件それぞれの発覚元自身を洗ってみよう。
 ワールドカップ収賄は、アメリカ出身のFIFA理事による暴露。とっかかりとか以下のように発覚してきた経過、原因とかは定かではないが、この理事が己の減刑と引き替えアメリカ司法との取引に応じて自白を始め、他人の収賄分などまで知っている限りを全て吐いてしまったことによると、報道された。
 VW事件はアメリカのある大学が、2013年に日本製の機器で不正を発見して、この10月になってやっと暴露されたということだ。
 ロシアの国家ぐるみドーピングは2014年12月に、選手や役員の告発に端を発して発覚したこととあった。選手や役員が世界反ドーピング機関に告発したらしいが、この機関が最近膨大な報告書をだしたということである。この選手や役員って、どういう動機でどのようにご注進に及んだのだろう。薬物使用者でなければ発言力がないだろうし、その場合は自分の成績とか記録も取り消されるだろうに。

 さて、これらすべてでも、僕はエドワード・スノーデンが告発したアメリカ国家ぐるみの世界的盗聴告発を想起する。この告発はこういう盗聴機関(国家安全保障局やCIAや国家情報局など)歴任のシニア職員が、以下のことなどをその証拠映像付きで証言したものである。ドイツのメルケル首相の携帯まで盗聴していると告発した。アメリカの最王手通信業者・ベライゾンビジネス社内のシステム上すべての国内外通話履歴を「毎日継続して」NSAに提出することが指示されていた。米インターネット九社(フェイスブック、グーグル、アップル、ユーチューブ、スカイプなど)のセントラルサーバーに、国家安全保障局(NSA)とFBIが直接アクセスしていた事実も発覚。外国人ターゲット追跡のために分析官が必要とするボイスチャット、ビデオチャット、写真、Eメール、ドキュメント、アクセスログなどなどを全て入手できるというのである。

 上記世界的不祥事判明連発全ての震源地、第一発信元には、すべてこのスノーデン告発にある盗聴が絡んでいるのではないか。これが僕が見た夢である。とすると、これからまだこの手の暴露がどんどん出てくるだろう。それも、すべてあらかじめ準備しておいて、「アメリカにとって最も都合の良い時期」に、「効果的な公表手段」を選んで。
 ドイツは、ユーロ統一でアメリカの憎しみを買ってきた。また、シリアやウクライナ問題などで、アメリカ最近の数々の横暴を抑える役割を果たしてきた。最近のロシアは言わずもがな。シリアやウクライナではアメリカに敵対し、中国への接近をどんどん強めている。そして例えば、ドイツとロシアの次にはイギリスが狙い目だろうなどとも、僕は夢見た。中国のAIIBにユーロを引き連れるようにしていち早く加盟し、イラク戦争有志国参戦の総括委員会報告書作製やブレア元首相の謝罪表明事件などでアメリカに煮え湯を飲ませたはずである。このイギリスの次には何よりも中国だろう。が、中国の前にBRICS諸国の例えばブラジルに何かあるかも知れない。ただこれはリオデジャネイロ五輪にアメリカが新たに食い込んでいき、一儲けした後のことになると観るのが順当な方向ではないか。アディダスの後釜にナイキが大々的に参入し直すとかによって。
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随筆  老い、一進一退    文科系

2015年11月10日 13時14分43秒 | 文芸作品
 随筆 「老い、一進一退」

 ある夜、電話に出ると、同人誌の女性のこんな第一声。ちょっと年上の人だが、なんだろう?
「○○さん(僕の名前)、ありがとねー。ほんま、嬉しかったわ!そんなに変わった!」   あっそうか、二~三日前に彼女に出した手紙、同人誌作品への批評文のことなんだ。
 即座に僕の口を突いて出た言葉はこうだった。
「いや、思った通りのことを書き送りたくなっただけ。ここ二~三年のできとは全く違うと思う。手紙に三つ四つ箇条書きした通りなんだけど、文に乱れがないし、今年は随分余裕を持って書けてたんじゃない? まちがいなく貴女の過去最高の作品だと読みましたが」
「うん。そうすると見抜かれてたんかなー。ここ二~三年の私のことも」

 と、これを入り口にして彼女が説明しだしたことは、こんな内容である。親類などで何人かの親しかった人が亡くなった。特に仲の良かった「とても良い人」たちがいて、凄いショックだったのだという。
〈そうだったのか。あの乱れは、そういうことだったのだ〉
 僕は一挙に思い出した。この彼女、本当におかしかったのである。心ここにあらずというか、僕よりちょっと先輩の女性としては事務仕事なども得意に見えた彼女が、重大な忘れ事をしたと苦笑いしてみせるなど、とにかくいろいろ抜けていることありありと見えた時期があった。そして、今思えば、それが文章にこそ、まずよく表れていたのである。そもそも原稿締め切り期日に間に合わないのである。僕自身が、彼女の初校の後に書き直しを随分手伝ったこともあった。今なら言えるのだが、その時に感じたことが、これだ。
〈記憶力がえらく減衰しているようだ。これが、書く妨げになっているのだろうな。語尾が不揃いでオカシイとか、多すぎる登場人物の説明不足とかも目立つし〉
 過去の自分自身も含めたいろんな体験から鬱病に詳しい僕には、その疑いさえあると観えた時もあった。そして、悲しい気持ちで考え込んでいた。この人、このまま老いていくのだろうか。

 さて、ここまでを一瞬にして思い出して初めて、僕の何げない手紙への彼女の感謝の内容、度合いの強さが、よーく分かった。
〈自分はどうも、ちょっとおかしいのではないか。これが老いという、避けられないこと、その最後の方の関門を通り過ぎつつあるということなのだろうか?〉
〈こんな文章でこんなに苦労し、書けない私ではなかったはずだ?〉などなど、自問を繰り返していたのだろう。生活のいろんな局面でも、ぼーっとして手が着かないことも多かったのではないだろうか。そこへ、今回の僕の批評文。うすうす「回復」してきたと思えてきたかの作品、自分自身を、他人が評価してくれた!
〈やっぱり難しいものが、立派に書けたんだ。ちょっと回復したというか、おかしくなくなったのだろう。逆に、やっぱり、あの時期が単なる老いでは無くって、おかしかったということなんだ!〉

 電話を切った後、僕は改めてこんな思いに耽っていた。亡くなった人がそれだけ彼女にとって大切な人だったんだ。「喪失鬱病」というのを聞いたことがあるが、ある人、人生にこれだけ惚れるって、素晴らしいことだな。亡くなった人はもちろん、彼女自身も素晴らしい人間だという証明のようなものかも知れない。


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随筆紹介 「人それぞれ」    文科系

2015年11月09日 07時00分40秒 | 文芸作品
 随筆 「人それぞれ」  S・Yさんの作品


 先日、夫の父母の法要(七回忌と三三回忌)をつとめた。
 夫は四人きょうだいで、すでに姉と妹が亡くなっているので、つきあいは弟家族に限られてくる。
 この弟家族が私から見るとかなり変わっている。今までにも苦い思いは何度も味わってきたが、それはまあいい。彼らは県外居住なのでそう顔を合せなくても済む。

 今回の顔合わせは三年ぶりぐらいだった。わが家にも孫が誕生しているが、弟家族からの祝いは無し。これもまあ予想範囲内だ。彼らは、頂いても返すということはない。
 さて、法要の前に三カ月前に結婚したばかりの息子が「俺たちどんな服装で出席すればいいのかな?」と問うてきた。「葬儀じゃないので喪服でなくてもいいけど、地味な服装でね」。私はそう返事した。同じく娘夫婦にも伝えた。

 当日、お寺の境内で弟家族を見て唖然。全員が洗いざらしのヨレヨレのシャツやズボンの普段着である。寺の本堂でも、その後の会席料理の席でもなんとも奇妙な感じだ。
「誰も変だとか言って、止める人がいなかったのかしら?」娘が私の横で呟いた。
 弟家族にはTPOは無関係、でもだからこそ似たもの同志で、弟一家は三世代同居でも仲良くやっていられるのだろう。食の好みも似ているのだろう、全員が肥満体型だし……。 この日、彼らは最高級のキャンピングカーで現れた。寺の駐車場に、わが家の古ぼけた車と対照的に並んだ。

 人の思いや価値観は、つくづくほんとに多様だと思い知る。
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「よたよたランナーの手記」(143) 10・2キロ!  文科系

2015年11月07日 20時27分22秒 | スポーツ
 ジムのランニングマシン30分×2回の1時間走行距離を、最近日々100メートルずつ延ばしてきて、11月5日に9・8キロまで来た。このことは先回に書いた。なお、30分×2回というのは、ジムのマシン使用時間に1回30分という制限があるからだ。

 そこから6日に外走りを1時間超やって、本日7日には、10・2キロに届いた。前半30分が5キロジャストで、後半が5・2キロだ。これは、12年9月に3年の病気ブランクからランニング再開以来において、1時間走行の最長距離になる。本年1月17日の10・1キロを抜いたのである。さらにこんなことも言える。ここから先はもう、07年1月21日の西春マラソン10キロ部門の記録54分18秒しかないはずだ。この記録自身は時速11キロ以上で走り通したことになるが、この大会前後の練習は、不整脈が出ていたせいでスピードを上げないLSDしかやっていなかったからである。ということだから、今日の1時間10・2キロは、この8年で最も速かったということ。この年でも、まだまだ前進できるという実感、希望に浸りつつ、とにかく嬉しかった。

 それにしても5日の9・8キロから、いきなり400メートルも延ばせたとは! つまり、まだまだ延ばせるということだろう。ちなみに、10・5キロ時の心拍数が150を切るようになっていた。また、後半30分をほとんど10・4キロ時で走ったのだが、この常用速度なんかもまだまだ延ばせると感じながら走っていたことだし。

 僕は他のランナーのことはほとんど知らないが、74歳でもこの8年ほどで最高記録って、なんか不思議な感じがした。なんせ、59歳からのランナー入門だったのだし。ひょっとして1時間11キロまでも届くかななどと、夢も膨らむ。

 さて、今日のやり方から、今後こんなことを目論むことができる。とにかく11キロ時以上で走る時間を増やしていこう。それがどこまで可能かで、先が見えてくる。
 またもう一度10キロを54分で走るというようなことができたなら、なんか10歳若返ったような気分になれるなー。 
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琉球新報より  らくせき 愛知・自民を落とそう

2015年11月06日 10時48分52秒 | Weblog

米国家安全保障会議(NSC)が1973~76年に、72年の沖縄復帰を契機とした政治的圧力で在沖米海兵隊を撤退する事態を想定し、海兵遠征軍をテニアンに移転する案を検討していたことが、機密指定を解除された米公文書などで分かった。遠征軍は米本国以外で唯一沖縄に拠点を置く海兵隊の最大編成単位。米海兵隊は普天間飛行場などを運用しているが、当時米側はその「本体」である海兵遠征軍ごと沖縄から撤退し、テニアンに移転することを想定していた。文書はテニアンに滑走路や港湾などを備えた複合基地を整備する必要性に触れ、同基地は「返還に向けて沖縄の戦略部隊や活動を移転できる」とした上で、対応可能な部隊として「最大で遠征軍規模の海兵隊」と挙げている。日米両政府が沖縄を海兵隊の駐留拠点にする理由として説明する「地理的優位性」の根拠が一層乏しくなった形だ。

 米軍統合参謀本部史によると、73年に在韓米陸軍と在沖米海兵隊を撤退させる案が米政府で検討され、国務省が支持していた。同文書もテニアンの基地建設に言及しているが、計画は74年に大幅縮小された。理由の一つに「日本政府が沖縄の兵力を維持することを望んだ」と記し、日本側が海兵隊を引き留めたこともあらためて明らかになった。
 文書は野添文彬・沖国大講師が米ミシガン州のフォード大統領図書館で入手した。野添氏は統合参謀本部史でも詳細を確認した。
 フォード図書館所蔵の文書はNSCが73~76年に作成した「ミクロネシア研究」つづりに含まれている。海外の基地は「受け入れ国からの政治的圧力に対して脆弱(ぜいじゃく)だ」と分析し、米領内での基地運用を増やす利点に触れている。
 一方、米軍統合参謀本部史(73~76年)は、ニクソン政権が73年2月の通達に基づき太平洋の兵力を再検討、在沖海兵隊と在韓米陸軍の撤退を含む4案を議論したと記している。国務省は77~78年度にかけ最大の削減案を支持、軍部は最少の削減を主張した。73年8月、大統領は「現状維持」を選んだ。統合参謀本部史は「沖縄返還で当初予想された部隊移転を強いられることにはならなかった」と振り返っている。(島袋良太)






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「よたよたランナーの手記」(142) 好調、及び、自薦エントリー  文科系

2015年11月06日 06時51分31秒 | スポーツ
 涼しくなったので、1時間走の距離を100メートルずつ延ばして来た。その結果は、10月28日に9・7キロまで来た。ここまでを、先回に書いた。以降は、29日20キロサイクリングのファストラン。30日は時間が取れなかったから50分で8・1キロ。31日と3日はLSDで、それぞれ9・5キロと戸外を1時間。5日にはちょっと頑張って、9・8キロに届いた。例によって前半は4・8キロの、後半が5キロ。だから、低速ウオームアップから始める前半の4・8キロの方がきついくらいで、後半はほぼ時速10キロとほとんど無理をしていない。現在の力でも、いますぐにまだ延ばせるということである。

 久しぶりの外走りは蹴る力など脚筋には確かに良い。が、心肺機能の方はここのところそんなに好調とは言えない。今日でも10・5キロ時で心拍数155前後になる。僕の継続限界値に近い数字である。せめて150を切って欲しいのだが、暑くなり始めてからは無理をせず10キロ時以上ではあまり走っていなかったから、今は仕方ないのだろう。11キロ時で走る時間をおいおい増やしていけば解消する問題だと考えている。

 先回書いたスクワットと爪先立ち、そして外走りは、老人のランニングには不可欠だと認識してきた。走っているだけではランに必要な筋肉強度が維持できなくなって、どうしても故障がちになるのだ。爪先立ちは両脚で100回と、片足ではそれぞれ20~30回をやる。


 なお、過去のこの「手記」のどれかがこのブログ・エントリーのアクセスベスト10に時々上がってきます。ついては、いくつかの自薦エントリーを上げておきたいと思い立ちました。
①第45回に僕のラン経歴が(そこのコメントも含めて)書いてあります。14年3月29日のエントリーです。09年末に慢性心房細動が起こって、それに対する「完治療法」としての心臓カテーテル手術(10年に2回)前後3年のブランクから、ラン再開をして以降のことを書いています。ランナーにはこの病気が多いそうですから、不整脈を抱えた方には特に参考になるのではないでしょうか。手術後の僕はラン禁止を言い渡されたのですが、それでも走り始め、不安がないという実績を認めてもらってここまで来られたという、その経過の一端が分かると思います。
②ランの生活全般への効能は凄まじいものです。これらは、ラン中断3年などを経験したものにとっては恐ろしく鮮烈なものでした。14年12月27日です。
③これから走れる身体かどうか、走れるとしたらどうしたらよいか。これは同年12月30日の第95回にあります。ちなみに僕はいろんなスポーツをやって来ましたが、ランナー入門は59歳の時です。
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朝鮮日報より  らくせき 愛知・自民党をおとそう

2015年11月05日 09時15分26秒 | Weblog

【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と日本の安倍晋三首相が2日に青瓦台(大統領府)で行った初の首脳会談で公式に確認されていない内容が日本メディアから相次いで流出していることについて、韓国政府が強い不満を示した。

 韓国政府当局者は4日、聯合ニュースの取材に対し、「韓日首脳会談と関連して日本側から歪曲(わいきょく)されていたり、事実と異なる話が相次いで出ている。これは朴大統領が首脳会談で真実と信頼を取り上げて強調した『誠信之交』にも反するものだ」と指摘した。

 また「朴大統領と安倍首相は期待していた以上に率直に話を交わした」と説明。その上で、「これをうまく生かし、韓日関係を改善し、旧日本軍による慰安婦問題解決のために努力するのが正しい姿勢だ」と日本側に信義と誠実に基づく対応を求めた。

 これは首脳会談によって生じた韓日関係改善の勢いが損なわれる可能性があるとの懸念と、日本側に対する警告メッセージが込められた発言とみられる。 

 日本では首脳会談の内容だけでなく、会談開催までの過程における韓日間の交渉内容などが政府関係者からの引用などの形で相次いで報道されている。慰安婦問題の解決法については法的責任ではなく人道的支援策などが提起されている。

 これに対し、韓国政府内外からは、日本側が慰安婦問題をめぐる今後の協議で主導権を握るため、攻撃を繰り出して反応を見て、世論を形成する作戦を取っているとの疑いの目が向けられている。

 また日本が米国などを念頭に置き、韓国政府が非協調的で否定的であるかのように見せかけようとする「非外交的、非紳士的行為」との指摘も出ている。

 韓国政府は外交ルートを通じ、日本側に問題提起をする一方、成熟した対応を求めたもようだ。

 また政府当局者は1日に行われた韓日外相会談で、岸田外相が慰安婦を象徴する「平和の少女像」の問題を取り上げたという日本メディアの報道について、「会談では少女像の『少』の字も出てこなかった」と指摘した。

 朴大統領と安倍首相の昼食会開催を条件に、韓国政府が慰安婦問題と関連した日本側の譲歩を要求したという日本メディアの報道についても、昼食会を条件に妥結を要求した事実はないと明らかにした。


 




聯合ニュース
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生きて帰ってきた男    らくせき

2015年11月02日 19時17分15秒 | Weblog
岩波新書の『生きて帰ってきた男ーある日本兵の戦争と戦後ー』を読みました。

この日本兵は、著者・小熊英二さんの父、謙二さん。
謙二さんは、大正14年生まれ。
東京で小さな商店を営む祖父の手で育てられます。
中学を卒業して就職。19歳の時に召集。満州へ送られて敗戦。
内地へ帰れると思った列車はシベリアへ。3年の抑留生活。

帰国してからも職を流転の人生、25歳の時に結核に。
療養所を退所した時は30歳。戦争と結核の20代でした。

この後も職を転々と変わります。そしてスポーツ用品店に就職。
折からの高度経済成長にのって、やがて自分の店を持ちました。

引退後は、アムネステイ・インターナショナルの会員。
「不戦兵士の会」への参加。戦後補償訴訟などの活動。
また、地域の自然保護活動などにも関わっていらした方です。

20世紀の日本の生き証人。著者は、最期に、こう問いかけます。
「未来がまったく見えない時に何が一番大切?」
しばらく考えたあとの答え。
「希望だ。それがあれば人間は生きてゆける」
              

シベリア送りになるとは思わず、列車に揺られて行った兵士たち。
人間は、最悪の状況でも希望的観測を持つものでしょうか。
人はなぜ希望を持てるのか?考えてしまいました。

私たちが娯楽として楽しんでいるドラマ、映画、小説など・・・
様々なバリエーションがありますが、結末はハッピーエンドです。
物語の底を流れているのは、同じメッセージです。
希望を持て。明日は良いことがある、と。

子供の頃から、無意識のうちに刷り込まれているもの。
これが危機的な状況の中で蘇ってくるのでしょうか?

人間がこころというものに目覚めたのは数千年前。
心を持つことの副作用も生じました。時には殺人といった暴走も。
その処方箋として登場したのが宗教。
釈迦や孔子は心をコントロールする術を説きました。
宗教が力を失った現代、代わりをつとめているのが
映画やテレビなどのエンターティメントではないでしょうか。

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新聞の片隅に載ったニュースから(216)   大西五郎

2015年11月01日 19時15分48秒 | Weblog
英警察 IS関係者取材したBBC記者のパソコン押収(15.11.1 毎日新聞)

 【ロンドン共同】英国の警察当局が反テロ法を根拠に、過激派組織「イスラム国」(IS)関係者を取材したBBC放送の男性記者のノートパソコン(PC)を押収していたことが29日、分った。BCCによると、同組織関係者との通信記録の入手が目的。
 英メディアや有識者らは、報道の自由を奪う行為として警察の対応を強く非難。情報源秘匿の問題も絡み、BCCはこうした捜査機関の圧力は「中東地域の報道を困難にするだろう」と懸念をしめした。
 男性記者は欧州で生まれ育った同組織の構成員について調査。インターネットを使ってシリアの同組織関係者らにインタビュー取材をするなどしていた。

□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

 これは取材・報道の自由にとって由々しき事態です。
 パソコンを押収したといいますが、記者が誰を取材し、どのような情報を得たかを探ろうとしたのでしょうが、本来政府機関が立ち入るべきではありません。誰を取材し、どのような話を聞きだしたかは、記者が必要に応じて記事として明らかにすべきことです。報道する前に権力機関がその内容を知ろうとするのは、取材・報道の自由を侵すものです。
 日本でも「取材源の秘匿」がしばしば問題になりました。新聞や放送で不法行為と報じられた者がその記事を書いた記者を裁判所に証人として呼び出し、そのようなことを事実と思った理由を問い質すというようなことが何回かありました。最高裁は当初報道の自由も公正・正確な裁判の要請に従がうべきだという見解(判決)を示していましたが、最近は「取材源の秘匿は国民の知る権利に基き、自由で正確な報道を確保するためには必要だ」という見解を示すようになってきました。刑事訴訟法には「医師、歯科医師、助産婦、弁護士、公証人や宗教の職にある者は、業務上依託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、証言を拒むことができる」となっています。報道で知り得た秘密(報道)もこれと同じような扱いをすべきだという考え方が裁判官の間にも生まれてきているのだといわれます(奥平康弘東大名誉教授)。取材源の秘匿を広く認めようという方向に向っているのです。
 またパソコンには記者がIS関係者以外にも誰を取材し、どのようなことを質問し、相手がどう答えたかの情報も入っています。個人の秘密を権力(警察)が勝手に覗くこともプライバシーの侵害に当たると思います。警察が権力を行使して記者のパソコンの記録を勝手気ままに覗き見るということがわかれば、今後取材しようとする相手は自由に話をしてくれなくなるでしょう。
あるいは取材そのものを拒否するかもしれません。自由な取材に対する権力による妨害行為です。
 イギリスではメディアや有識者が警察の行為を強く非難しているといいますが、当然でしょう。そして世界中のジャーナリストがこの問題に抗議の声を挙げるべきです。イギリスだけで起きた問題とだけとらえることはできないと思います。
                                                         大西 五郎
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