九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

今夜「五輪サッカー代表」決勝戦   文科系

2019年06月15日 12時38分12秒 | スポーツ
 本日11時から、標記のサッカーゲームがNHK・BS第1で放映される。22歳以下の代表が、フランスはプロバンスの歴史あるトゥーロン国際大会において、同じく勝ち残ったブラジル相手に歴史に残る決勝戦を戦う栄誉を、日本代表では初めて獲得したのである。

 さて、僕は今の日本にとっては案外ブラジルを怖くないと考えている。だって、この代表はここまで、これだけの実績をくぐり抜けてきたのだから。
 初戦では過去この大会で2連覇だったかのイングランドを退けた。準決勝では、強敵と観られたメキシコを破った。ちなみに、メキシコとのあの戦い方は、両軍ともに現在世界最先端の得点法ゲーゲンプレスをがっちりと組み合った正に死闘。DFラインを非常に高く押し上げたコンパクト中盤の混戦の中を、ボールの奪い合いに走り回ると言う戦いだった。それも、相手に常に先行されて、その都度追いつくという落ち着き振った戦いの末に、PK戦勝利。あれだけの組織的戦いはメキシコだからできたのであって、個人技のブラジルにできるという保証は全くないのである。

 さー今夜も、グレンモレンジのハーフロックを傾けつつ、サッカー観戦だ。晩年の僕の生き甲斐の一つになっているものだ。
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アメリカはもう終わりだ  文科系

2019年06月15日 11時22分05秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 今朝の新聞を見ると、アメリカももう終わりだなと、つくづく思ったもの。イラン問題、その「イランが犯人という証拠」の幼稚さのことだ。朝起きてきたらすぐに僕の連れ合いが、この幼稚さを僕に語ったのである。まるで中学生のど素人芸!

 ちょっと前にはベネズエラの革命(触発)偽装工作があった。それも2回も。1回目は、アメリカからのベネズエラ国民生活支援物資を隣国コロンビアから大々的に運ぶから、「その時には国民の皆様、立ち上がって下さい」と言う趣旨の大宣伝が、アメリカ指名大統領ファン・グアイド名で発された出来事。この事件は、公道は封鎖され国民も立ち上がらず、物資の一部が燃えただけで終わっている。
 そして、ベネズエラの2回目は、軍が反乱を起こすと言う大宣伝で始まった。が、これはどうも、グアイドが政権側の誰かに欺かれて道化役になっただけで終わっている。アメリカが押し立てたこの人物、これだけ道化を演じさせられては、誰ももう付いてこなくなったろう。
 この2回とも、アメリカCIAなどがともに画策したことのはずだが、映画で観るような鮮やかさは全く見せられなかった。

 さてさて、イランと言いベネズエラと言い、ここで何回も扱ってきたが、いずれも石油をドルでなく別の通貨でも売るとして、「石油=ドル」世界通貨体制を崩し始めた国なんせ、原油埋蔵量が4位と1位の国である。イラクのフセインやリビアのカダフィもこれで殺されたとの指摘が多いのである。物貿易がすっかり駄目になったから保護主義を取り、金融、IT会社バブルと「石油=ドル」体制だけで持っているような今のアメリカにとって、石油独占価格支配という現物経済拠点は命綱なのであろう。

 こんな大赤字の貧乏国が、年間軍事費を70兆円も使っていては、今まで特権階級であった中西部白人労働者男性も含めて、国民が貧乏になるのも当たり前。貧すれば鈍する(?)で、CIA偽装工作ももう、中学生のお芝居並みになった? それもこの田舎芝居が、安倍首相のイラン首脳との会談中に起こったとのこと。こんなお芝居で9条の日本国をして、「命綱石油を、その通り道ホルムズ海峡を守る」べく日米集団安保発動に駆り立てようと狙った? 日本もなめられたものである。アメリカに腰が低い首相が素晴らしく映るせいだろう!
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随筆  「孫はなぜ面白くて、可愛いいか」   文科系

2019年06月14日 02時23分08秒 | 文芸作品
「じい、今日は満月なんだねー、いつも言うけど本当に兎がいるみたい……」。
 小学三年生になったばかりの孫のはーちゃんがしばらく夜空を仰いでいたが、すぐにまた「馬跳び」を続けていく。綺麗に整備された生活道路の車道と歩道とを分け隔てる鉄の棒杭をぽんぽんと跳んで行く遊びで、俺はこの光景が大好き。確か、四歳ごろから続けてきたものだが、初めはちょっと跳んで片脚だけをくぐらせるような下手だった……。我が家から五百メートルばかり離れた彼女の家まで送っていく道の途中なのだ。それが今では、学童保育に迎えに行って、我が家でピアノ練習、夕飯、宿題の音読に風呂も済ませて、俺は一杯機嫌で送っていく日々なのである。こんなことを振り返りながら。

 学童保育でやってくる宿題や、音読は好きだからよいのだが、ピアノ練習は大変だった。これがまた娘も俺も、勉強以上というか、ここで勉強の態度もというか、とにかく物事に取り組む態度を身につけさせようとしているから、闘争になってしまう。憎しみさえ絡んでくるようなピアノ闘争だ。はーちゃんは娘に似て気が強く、『嫌なものは嫌』が激し過ぎる子だしなー。ピアノの先生の部屋でさえ、そう叫んであそこのグランドピアノの下に何回潜り込んでしまったことか。そんなふうに器用でも勤勉でもない子が、馬跳びや徒競走となるとまー凄い執念。
と、最後を跳び終わった彼女が、ふっと、
「じいが死んだら、この馬跳びやお月様のこと、きっと良く思い出すだろうね」
 俺が死んだらというこの言葉は最近何回目かだが、この場面ではちょっと驚いた。死というのは俺が折に触れて彼女に口にして来た言葉だから?またこの意味がどれだけ分かっているのか? などなどとまた考え込んでいた時、「孫は、何故これほど面白く、好きなのか」という積年の問題の答えがとうとう見つかったような気がした。
『相思相愛になりやすい』
 一方は大人の力や知恵を日々示し、見せる。他方は、それに合わせてどんどん変化して行く姿を見せてくれる。それが孫と爺であってみれば、それまでの人生が詰まってはいるが寂しい晩年の目で、その人生を注ぎ込んで行く相手を見ているのである。これは人間関係に良くある相思相愛の良循環そのものだろう。これに対して、あのピアノには明らかに悪循環がある。憎しみにさえ発展していきかねない悪循環。という所で、ふっと気づいたのが、その証明のような一例。最近小学四年生だったかの女の子をDVの末に殺してしまった父親はどうも典型的な教育パパだったようだ。教育パパが転じて憎しみの権化になる。そう、俺らの良循環とピアノの悪循環は、あの父と子の悪循環と兄弟なのかも知れない。だから、思春期の子どもに起こって来るものと昔から言われてきた激しい家離れ、家への憎しみも、この兄弟の一方・悪循環の結果でもあるのだろう。「可愛さ余って憎さ百倍」、俺にもあった激しい家離れ、家への憎しみの時代を思い起こしたものだ。

 さて、以降の俺は、激しいピアノ闘争の後などに度々こう付け加えることになった。
「いつも言ってきたように僕ははーちゃんが大好き。だからこそ、貴女にとって大事なこととママたちと話し合って来たことをさぼると、特に強烈に、怒るんだからね」
 でも、このやり方が思春期まで成功するとは到底思えない。ゲームとか動画、録画とか、成長期にやり過ぎてはいけないものが今の世には溢れ過ぎている。今の子育てに、我々年寄りは何て不向きなんだろうとも、度々悩んできたところだ。

さて、こう言い続けてきたせいか、あるいは彼女がそういう年になったということなのか、暫くしてこんなことが起こった。自分からピアノに向かうようになったし、その時間も長くなった。そして、先日のピアノ・レッスンに久しぶりに俺が頼まれて連れて行ったのだが、初めてという光景を見ることになった。先生のいつにない静かだが厳しく、長い小言を我慢して聞いているのである。ピアノの下に潜っていかないか、トイレに逃げ出さないかと俺はハラハラしていたのだが、結局頑張り通した。そして、終わった後、帰りの車で静かに泣き出した。そう、これがちょっと大人に近づいた涙。これからはこれを一杯流して、素敵な大人、人間になってゆけ……。などと思いながら黙ってその横顔を見ていたら、俺も涙ぐんでいた。
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日本五輪サッカーは超有望という結果が・・・  文科系

2019年06月13日 02時02分18秒 | スポーツ
 昨夜、来年ある五輪サッカーで、日本が超有望という結果が出た。現在フランスのツーロンで行われている歴史ある五輪世代国際大会で、22歳以下の日本代表がメキシコとの準決勝戦に勝利して、決勝進出を決めたのだ。2対2の同点PK戦勝利だった。この大会の過去に3位と4位はあったが、決勝進出は初めてのこと。ここまでに来るグループリーグでは、連覇中のイングランドを2対1で負かし、次には年米の強豪チリに6対1で勝っている。決勝戦は、ブラジルとアイルランドの勝者と戦うことになった。この戦いを振り返って、日本の良さを考えてみよう。

 この試合自体は、終始メキシコが押していたように見えた。初めから攻守ともに猛烈な攻勢をかけていたからである。つまり、猛然と走り続けているのを日本が受けているという感じで進んでいた。得点も常にメキシコが先行。先ず前半5分に得点。これには、同27分に相馬の中距離シュートで追いつく。だが、後半40分にまたもメキシコが先行。それを直後の43分、磐田の小川航基の得点で追いつく。

 何が良かったのだろう。両軍ともにDFラインを押し上げてコンパクト陣形で闘うゲーゲンプレスの戦いになったが、日本の方が高位コンパクト陣形をよりきちんと保って相手よりより押さえて組織で戦っていたと観る。ゲーム後に2得点目を上げた小川が述べた戦評によれば、「あれでは相手が疲れて来ると思ったので、終盤などに得点チャンスが必ず来るはずだと・・・」ということなのだ。

 ちなみに、ゲーゲンプレスの戦いかどうかは、ここで分かる。DFライン、つまり守備位置が高いかどうか。前中後ろ陣にかかわらず、DFラインを押し上げてコンパクトになっていたかどうか。相手カウンター覚悟でこれにも備えつつのことだが、敢えてDFラインを上げるというのは、ゲーゲンプレスの「常に、また敵ゴール方面コンパクトでは特に、ボール奪取得点を狙う」という戦い方なのである。事実相手が疲れてきた後半は、高い位置でボールがどんどん奪えていたし。ちなみに、この戦い方は守備時に身方陣地まで常に戻ると言うことがないので、コンパクトが上手く行けばのことだが、疲れないのである。というように、このゲームはまー組織戦で勝ったということだろう。だからこそ、決勝も五輪も超有望と観る。選手にしても、自チームでレギュラーを張っている好選手が多い。小川航基(磐田)、田中碧(川崎)、相馬勇紀(名古屋)らのことだ。

 決勝戦も、もちろん五輪も、「史上初めてのこの成績」を引っさげての出場で、非常に楽しみになってきた。
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「借金と財務省の黒い繋がり」??(2)  文科系

2019年06月12日 13時04分17秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 表題の「 」文言は、今ネット世界で大々的に宣伝されているある本広告のキャッチコピー。右半身の安倍総理が右手人差し指を立ててこちらを睨んでいる黒い画像に被せて「借金と財務省の黒いつながり」と字幕が入った、真っ黒い広告である。これに付いている「こっちへ行け」マークをクリックすると、ある本の広告が最大画像で飛び込んでくる。その本を出した趣旨、内容が書かれているのだが、これが実は次の選挙目当てと露骨すぎて大問題。日本を「こんなに貧しくした」元凶、黒幕について、安倍と会食して聞いた見解を本にしたものだとあり、そのキャッチコピーが「借金と財務省の黒い繋がり」??
 
 さて、これについて先ず言っておきたいが、日本がこんなに貧しくなったというのを安倍が認めたというのは、まことに重畳。その上で、なになに?財務省が悪い?? としたら、以下のようにこんな強引なことをその財務省にやらせたのは誰だったのか? 日本国家財政史にかってなかった大事件として残るあるできごとを描いた書評拙稿を転載させて頂く。


【 書評、前置きと予告「平成金融史」と「平成経済 衰退の本質」

 今、2冊の本を同時進行で読んでいる。1冊は「平成金融史ーーバブル崩壊からアベノミクスまで」(西野智彦著、2019年4月25日発行、中公新書)と、「平成経済 衰退の本質」(金子勝著、同4月19日発行、岩波新書)だ。いずれも、僕のこういう動機から購入することになったもの。「アベノミクスの破綻が今後どう成り行くか?」ということ。

 例えば、西野本の「金融史」の決定的瞬間を覗いてみると、有名な安倍・日銀闘争の場面もある。白川方明総裁を中心とした日銀を、安倍政権が屈服させた結果の産物「黒田バズーカ」以降の今を築いた、その決定的瞬間のことだ。

『(2013年)1月22日、金融政策決定会合で2%の物価目標設定が決まり、このあと財務省、内閣府との連名で共同声明が発表された。声明には・・・・・1ヶ月以上の長い調整過程で白川がこんな言葉を何度か漏らしたのを、周囲が記憶している。
「この様な文書で、後世歴史の評価に堪えられるだろうか」
 2月5日夕、白川は官邸を訪れ、四月の任期満了を待たず、副総裁の任期が切れる3月19日に繰り上げて辞職する、と安倍に伝えた』

 さて、この時日銀を押し切ってまで強引に決まった「2%」方針が一向に成果を上げられないままの2018年、政権内部ではどんな問題整理論議をするようになったか。その下りがまた、スリリングでさえある。
『「黒田さん、達成時期が何度も先送りされるというのはどうですかね」
「達成時期」とは2%目標の達成期限のことである。2%はアベノミクスの「御旗」であり、黒田も就任時に「2%程度を念頭において、できるだけ早期に実現する」と約束していた。だが、5年経っても達成されることはなく、既に6回先送りされてきた。
 安倍の問いかけは、実は「2%の達成時期にこだわる必要はない」というシグナルだった。』

 この2%目標こそ、2013年白川が日銀と自分の職とを賭けてまで「後世歴史の評価に堪えられるだろうか」と政権と論争して押し切られた結末を悔やんでいるその焦点の文言なのである。この論争が、当時白川が述べたことの方が正しかったと安倍が認めざるを得なくなった瞬間でもあった。「黒田バズーカは敗北する」と言った通りと現状を認めたその瞬間に安倍が「期限などどうでもよい」と開き直るように、大転換したわけであった。
『実際、首相官邸ホームページの「アベノミクス3本の矢」の欄から物価に関する記述はいつしか消えていた』というのだから、日銀からこんな声が上がるのも無理はないという無責任さなのである。
『日銀幹部の1人は「政治とはこういうものなのかと驚いた」と回想する』


 そりゃそうだろうと思うばかりだ。物価目標第一を掲げて日銀を罵倒し、屈服させた政権が、そんな目標どころか物価という言葉さえどうでも良いと鮮やかに転換したのだから。開き直ったこの鮮やかさに接すれば、誰でも唖然とするだろう。

 ただし、こういう平成日本財政史を唖然として見ているばかりではとうてい済まないのは、言うまでもない。戦後史上初めて日銀(の独立性)を押さえ込んでまで作り上げた政府目標をずるずると実践し続けても失敗に終わったとあらば、その後遺症が小さいはずがないのである。それがいわゆる「量的緩和、官製バブルからの出口が大変」という難問。タイ経済バブルがはじけたことに端を発するアジア通貨危機や、リーマンショックの時のように、バブルある所に必ず起こる大暴落の結末。これだけ無責任な政権ならば、軍事大増強(経済)の末に大破綻を来したナチスや、金融が同じく物作りを駄目にして保護貿易を強行しながら70兆円にまで軍事費だけは膨らませているという今のアメリカの行く末(米中衝突狙いから、中国の金融資産を奪い取ること)と同様に、その悪循環の果てはただで済むわけはないのである。】

 さて安倍は今、これら総ての日本社会に己が作った悲惨な結末を「財務省が悪かったからこうなった」などと、選挙の中で逃げ回るつもりなのだろうか。これこそ、この「真っ黒な安倍」広告で宣伝している本の中身なのか。

 折しも、2018年度分の国民1人当たり購買力平価GDPがIMFから4月に発表されたが、日本は31位。台湾にはとっくに追い抜かれ、32位の韓国に抜かれるのは時間の問題である。
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「日本売り」をどう避けるの?  文科系

2019年06月11日 14時01分02秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
今年4月24日、会計検査院が、公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」のリスクの高い運用方法に対して異例の警鐘を鳴らしたと報道された。18年10~12月期に、四半期ベースで14兆8039億円もの赤字を記録して、GPIFの150兆円資産の約1割が吹っ飛んだことに関わったものである。
 ついては、日本政府はこのままでは近く必ず起こされる標記「日本売り」をこれから一体、どう避ける積もりなのか。今の日本は大変な官製バブルで、バブルのある所必ず空売り、日本売りが狙われているからである。有名なアジア通貨危機は、アジアや世界の金が集まってバブルが出来上がっていたタイ・バーツの空売りから始まったのだし、リーマンショックはサブプライムバブルから始まったなどなどは、今や周知の事実である。日銀までをねじ伏せて強行されてきた財政ファイナンスぐるみの日本官製バブルが弾けないわけがない。いや、強制的に弾けさせられない訳がないのである。狙っているのはもちろんアメリカのハゲタカたち。なんせGAFAの株価時価総額がドイツのGDPを抜いたというのだから。

 ちなみに、1997年に起こったアジア通貨危機の震源地、タイの通貨バーツ空売りの仕組みをご紹介したい。以下は、毛利良一著「グローバリゼーションとIMF・世界銀行」(大月書店2002年刊)からの抜粋である。

『通貨危機の震源地となったタイについて、背景と投機の仕組みを少しみておこう。タイでは、すでに述べたように経常取引と資本取引の自由化、金融市場の開放が進んでいた。主要産業の参入障壁の撤廃は未曾有の設備投資競争をもたらし、石油化学、鉄鋼、自動車などで日米欧間の企業間競争がタイに持ち込まれた。バンコク・オフショアセンターは、46銀行に営業を認可し、国内金融セクターが外貨建て短期資金を取り入れる重要経路となり、邦銀を中心に銀行間の貸し込み競争を激化させて不動産・株式市場への資金流入を促進し、バブルを醸成した。(中略) 投機筋は、まずタイ・バーツに仕掛け、つぎつぎとアセアン諸国の通貨管理を破綻させ、競争的切り下げに追い込み、巨大な利益を上げたのだが、その手口はこうだ。(中略) 1ドル25バーツから30バーツへの下落というバーツ安のシナリオを予想し、3ヶ月や半年後の決済時点に1ドル25バーツ近傍でバーツを売り、ドルを買う先物予約をする。バーツ売りを開始すると市場は投機家の思惑に左右され、その思惑が新たな市場トレンドを形成していく。決算時点で30バーツに下落したバーツを現物市場で調達し、安いバーツとドルを交換すれば、莫大な為替収益が得られる』

 見られる通り、一例として言えば、1億ドルで30億と安くなったバーツを普通に現物調達したうえで、結んであった先物予約の通りにドルを買えば、1億2千万ドルに換えられるのだ

 以上のような日本売りがアメリカファンドに狙われているのであって、政府日銀ぐるみのこの日本官製バブルは必ず弾けさせられると、これが「日本バブルの出口の恐怖」。GPIFだけでなく国債を大量に買わされた日銀までを動員して保っているに等しい株も円も国債も大暴落すると、そう懸念されて来たはずだ。それも、去年末15兆円の損失が既に出ているのである。あたかも、「その時、そのやり口」のシミュレーションでもするように。

 それどころか、この恐怖を避けるためにこそ、安倍がこれまでアメリカにいろいろ取り入って来たとさえ思う。日本の失われた20年とは、そういう背景があったのだとさえも、思い巡らすことがある。さらには、安倍が最近中国元とのスワップ協定まで結んだのは、これに備えてのことだと見てよいのではないか。だがそもそも一体、どんな防止法が可能なのか? 一旦バブルができてしまえば、先ずそんなものはあり得ない。ハゲタカは、バブルを次第に収縮させていくのを黙ってみていてくれることなどないのだから。 
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「借金と財務省の黒い繋がり」??  文科系

2019年06月10日 16時17分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
 表題の「」は、このブログに宣伝が載っている、日本をこんなに貧しくした元凶、黒幕について安倍と会食して聞いた見解を本にした、その宣伝文句なのだそうだ。
 先ず言っておきたいが、日本がこんなに貧しくなったというのを安倍が認めたというのは、まことに重畳。その上で、なになに?財務省が悪い?? としたら、以下のようにかってなかったこんな強引なことをその財務省にやらせたのは誰?

 財務省にどんどん国債を作らせて、それを、渋る日銀に無理矢理どんどん押しつけて買い取らせて来たのは? このこと、財政ファイナンスと言って、過去には理論上も実際もずっと禁じ手とされてきたこと。「それでも、円も日本国債も強いではないか。続ければよい」というのが今新たに出てきた新(珍)理論のようだ。が、こんな財務省を今更悪者にできるの? こういう日本「官製」バブル経済、財政を自分が作らせたからこそ、18年末には15兆円も国家資金が何処かのファンドに強奪されたというように、この「出口」に困り抜いていくであろう現在の日本政府で、悪いのは財務省??

 流石に、自分を忖度させて官僚らを堕落させ抜いてきた大将だけのことはある。一将功なりて万骨枯れるどころか、その万骨に総ての罪をなすりつけ始めるという、正にそんな将軍の面目躍如が、ますます輝いている。

 このお方一体、何様なのだろう。
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18年度厚労省人口動態に、最悪数字ぞろぞろ  文科系

2019年06月10日 15時19分27秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 厚生労働省が18年度人口動態統計を発表したが、過去とか戦後とか「統計開始以来」などなど、最悪の数字がぞろぞろと並んでいる。8日の新聞からそんな数字を拾ってみた。例によって『 』内は、新聞抜粋であることを示す。

 まず、
18年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、統計開始以来、最少となる918,397人(前年比27,668人減)となり、・・・』

 次いで、人口自身の増減は、
『出生数から(死亡数を)引いた人口の自然減は444,085人と過去最多。』
 最後に、結婚関係の数字だが、
結婚は6年連続で減り、586,438組(20,428組減)で戦後最少。』

 どうだろう、こういう数字はそれだけでは悪いものとは言えない。が、新聞などで垣間見えるこれらの数字に関連した国民の望み、生活状況からしたら、不幸なものばかりと言える。

 結婚数、出生数が戦後とか過去とかで最少というのは、日本住宅バブル破裂などがもたらした結婚したくてもできない就職氷河世代とか、その後のリーマンショックとか、酷い経済格差とか、それらと密接に結びついていると最近喧伝されるようになった引きこもり、8050問題とかを考えてみるべきである。これらは、今の赤ちゃんの祖父母世代をも含めて国民の不幸以外の何物でもないだろう。人口自然減が過去最多を更新し続けているというのは、斜陽国の徴。将来日本において労働力人口が支える高齢者が、今よりもっともっと増えていくということだから、今の2、30代にとっても大変な不幸なのだ。

 これらの数字の背後には、明らかに日本のこの世界比較数字が存在している。1995年前後には、国民1人当たり購買力平価GDPが世界3~4位だったこの日本が、2018年度分をIMFがこの4月発表したところでは、実に31位。台湾にはとっくに抜かれて、32位の韓国に抜かれるのも時間の問題という状況である。中先進国でこんな急激な落ち込みは日本だけという正に「失われた20年」である。

 失われた20年がもたらした子孫が絶える家庭が増えていくような国民のこの不幸を尻目に、選挙を控えたマスコミが、「就業率急増」とか「有効求人倍率最高」とかを大々的に叫んでいる。これだけ人口が減っていれば、こんなのは当たり前のことなのだ。日本の貧困化問題はむしろ、これだけ人口や労働力人口が減ってきても、国民1人当たりGDPが激減している点にこそ求められるべきだ。
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エルサルバドル戦評  文科系

2019年06月10日 02時09分36秒 | スポーツ
 まず、2対0で日本代表勝利は褒められるべきだし、嬉しかったが、やはりこのゲーム後半でもこの前のトリニダードトバコから得点ゼロという結果に現れた問題点が残ったままだと観た。トリニダードトバコ相手に得点ゼロの問題点を、岡崎はこう語っていた。

『勝つためには決めるべきところで決めるっていう、どこで決めるかっていうのは奪った後とか、キレイに崩すってことの決定機じゃなくて、ホントに決めなきゃいけないのは取った後とか、相手のミスを突いてってところのチャンスを仕留めていくってところが重要ですね。』

 この岡崎の見方からすると、前半の2得点はいずれも実に「キレイに崩」したもの。
 1点目は、原口のゴール左方向への走り出しに畠中だったかの速いグラウンダー・ロングパスが見事に合った上に、これをスライディングしつつマイナスに折り返した原口のグラウンダーも、それに走り込んでいた永井のシュートも、総て難度の高い、理想的な3人コラボ。
 2得点目がまた、右前方の永井に出した富安の縦パスも良かったが、何と言ってもそこで3~4人の相手を切り返しも交えてぶっちぎるようにして、ゴール正面シュート位置まで侵入して行った永井のスピードである。あんなプレーは、永井にしてももう一度やれと言われてもできないだろう。それほどに見事なものだった。
 2得点とも、傑出した個人のめったにない成功例と言える。前者は、原口のあの走りだしと折り返しの見事さ。後者の永井の切り返し付きぶっちぎりもまた、めったに観られないような得点例と見た。
 
 さてこれに対して後半は、大迫、中島、久保に柴崎まで出て来たのに無得点。今後のためには、このゲームのここを大問題にしたい。その問題点は、岡崎言う所の「ホントに決めなきゃいけないのは(相手ボールを上手く)取った後とか、相手のミスを突いてってところのチャンスを仕留めていく」。こんなにチャンスも多かったのに、そこで得点できない。その時に、岡崎のようにゴールに詰めるという原則をもっと多くの選手が実行しなければならないのではないか。つまり、泥臭くこぼれ球を狙う確率を高めるプレー。キレイにボールを繋ぐ動きに関わっていなくとも、シュートへの気配を感じたら、1歩でも2歩でもとにかくゴール前へ皆が詰めて行く。岡崎が言うのはそういうことだと思う。「綺麗なゴール以上に、ゴールの前で起こる何かを期待して、とにかく詰める」ということだろう。「ゴールの匂い」も、いつも一歩でも詰める者にしか匂ってこないということではないか。岡崎やゴン中山のように、泥臭く泥臭く。

 言うならば、「格下の相手とやる時にも、綺麗に決めようとばかりせず、ゴール前に人数かけて」と、岡崎は言っているのだと思う。ちなみに、アジアなどの格下の相手はいつもゴール前に引いて人数かけて守ってくる。そんな時に日本は案外苦戦することが多い。
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「求人率劇的増!」は、安倍忖度論議  文科系

2019年06月09日 13時26分56秒 | 国内政治・経済・社会問題
 最近、新聞でもテレビでも、標記の議論を何回も聞き、読む場面に出くわして、驚く経験が多い。今日の中日新聞でもこの主張に出会って、これを書く気になった。

 読書欄に、金子勝著「平成経済 衰退の本質」を中沢孝夫・福井県立大学名誉教授が書評をした文章が載っている。この本はこのブログでも触れたもので、書評全体が、誤りと言えないことを「針小棒大」に膨らませて批判しているという意味で、僕としては全く同意できない。その典型が標記の下りであり、先ず中沢の当該文章自身を抜粋してみよう。

『ただ、本書が強く批判している安倍政治に関しては、必ずしもその視線は公平ではない。直近ではたしかに景気に陰りがあるが、近年(過去六年)で見れば、就業者数が劇的に増加し、失業率が下がり、倒産件数も下がる、という肯定すべき現象もあった。そのことについては、著者は関心を持たないようだ』

 さて、これがこの本への正当な評価と言えるだろうか。なによりもまず、金子が「平成経済全体」を論じているのに、中沢の反論、反証は「近年(過去六年)で見れば・・・」というスパンの現象に過ぎない。

 次に、平成を通じた問題としたら、国民1人当たりGDP世界順位を見れば、一桁前半から、見るも無惨な貧乏国に凋落という数字もある。それも、これだけ長期に渡る確実な労働人口減少の中でのことなのだから、中沢が言う「失業率が下がり」などは、政権にとってなんの功績にもならない。
 さらに言うと、中沢が言う「近年(過去六年)で見れば」という数字は、あの100年に一度と世界中で語られた07~8年のリーマンショック恐慌の後のことである。それもそこから少しずつ立ち直って来るなどというのは自然現象であって、きわめて恣意的な反論期間設定と言える。

 要するに、こんな数字などを取り上げてこの書を批判し、まして安倍を擁護するに至っては、「針小棒大」のためにする批判、議論という他はない。


 なお、中沢氏と同様のこのような金子勝批判をテレビでも聞いたことがある。「史上最高の求人倍率!」というのも、忖度官僚らがちかごろどんどん流してきた資料なのだろう。

 これから安倍が「5回勝った!」と国会野次で豪語し返す選挙を前にして、こんな自己宣伝の一大キャンペーンがどんどん繰り広げられるに違いない。「史上最高の求人倍率!」とともに、中沢氏のこの表現をよーく覚えておきたいと思う。
『就業者数が劇的に増加し、失業率が下がり、倒産件数も下がる、という肯定すべき現象もあった』

また、このように反論する論点には、ここまで述べてきた「もっと長期的に、失われた20年単位で見る」、「日本の労働人口の歴史的激減を考慮する」の他に、こんな反論論点もある。「非正規労働者と、長時間労働の正規」とから、時間単位給料の激減。つまり日本の絶対的な貧困化である。一昨日ここで紹介した「国民1人当たりGDP42位」という孫崎享の警鐘が、安倍忖度経済・賃金論議への何より雄弁な反論になるだろう。確か90年代後半には世界3位だった時もあったはずだ。
 なお、この孫崎の数字がどこから出ているのか調べても分からなかったので、僕が調べた数字をここに載せておく。IMFの19年4月12日更新の「国民1人当たり購買力平価GDP」で、データは2018年度のものとのこと。日本は31位、近隣では台湾17位、韓国32位とあって、それぞれ44,227、53,023、41,351ドルである。台湾、韓国の急成長は中国との接近にあることは明らかで、日本が韓国に抜かれることは時間の問題だろう。
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『トランプの「使い走(っぱ)」』イラン学者が安倍批判  文科系

2019年06月09日 01時40分16秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 読んでいる人は、既にお気づきでしたでしょうか。一昨日7日の中日新聞に、イラン訪問をする安倍首相にきわめて厳しい成果予想と苦言を呈しているイラン学者の論評が載っていました。前文を掲載して、この新聞を取っていない全国の方々にご披露したいと思いたちました。

『米に偏らぬ姿勢 大切
 イラン外交に詳しいテヘラン大学のムハンマド・マランディ教授の話
 イラン政府としては、友好国の日本と会談するのは何の問題もない。しかし、日本が米国と主従関係にあるのは周知で、その影響力は減退している。安倍首相が仲介役を務めようとするなら、米国に偏らない頼れるパートナーであると示すことが大切だ。具体的には日本が米国の経済制裁前の水準で石油購入を再開するのを期待している。
 そうでなければ、米国の圧力に屈する日本を歓迎することはないだろう。ただ、結局の所日本が影響力を持てるかどうかは、トランプ大統領が安倍首相に託すメッセージ次第だ。イランの交渉条件は変わらない。もし米国が核合意に復帰する方向に傾けば、日本の果たす役割はあるだろう。』

 どうだろう。「米国と主従関係にある」とか、「米国の圧力に屈する日本」とか、言われ放題ではないか。さらには「日本が影響力を持てるかどうかはトランプ大統領が安倍首相に託すメッセージ次第」などと言われるに至っては、安倍がトランプの「使い走(つぱ)」と見られている。世界第3位経済大国(というのも間もなく怪しくなるだろうが)としては、どこに独立国の誇りがあるのか、この屈辱。アメリカに支えられてこそ長く続いた政権と、中東にも見抜かれているわけで、何が「日本の歴史と伝統」か?!

 この誇り高い独立国に、この対米主従国が、一体何を説けるというのか。せいぜいこんなのが関の山。
『イラン原油輸出代金はドルで受けるようにお願いしますよ。そうすれば、我が国も貴国の原油輸入をアメリカに許されて、救われるんですが、いかが?』
 
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硬骨官僚、孫崎享「日本GDP42位」と!   文科系

2019年06月08日 13時36分27秒 | 国内政治・経済・社会問題
 孫崎享という、元外務官僚がいる。忖度官僚の正反対、こういう硬骨漢だ。元外務省国際情報局長という対外情報の日本総元締めという位置にいたからこそ、イラク戦争を機に「日本は対米従属を止めるべき」と反自公政権に転じた元駐イラン大使も勤めたお方だ。この人物のサイトに「孫崎享チャンネル」というのがあって、本日7日にこんな記事が載っていた。

『 日本は何故、電子分野で競争力を失ったのだろう。労賃だけの問題ではない。半導体シェア―1980年代後半には50%を超え、2017年に7%。今一人当たりGDP日本世界の42番で $42,900、台湾は28番で $50,500、韓国は$39,500。

1:日本は産業の各種分野で競争力を失っている。

 かつて日本は半導体で世界を席巻していた。今やや見るかげもない。
「半導体市場調査企業である米IC Insightsは、同社の調査レポート「McClean Report 2018」(4月度改訂版)にて、半導体企業の本社所在地域別の市場シェア推移を公開した。それによると、1980年代後半には50%を超え、1990年に49%であった日本勢のIC市場シェアは2017年に7%まで低下した。1990年代以降、さまざまな官民挙げた日本半導体の復権施策(コンソーシアムや国家プロジェクト、企業M&Aなど)が立案、実行されてきたがそのほとんどが奏功せず、長期低落を続けていることが浮き彫りになった。」(出典服部毅著「2017年の半導体市場、日本勢の世界シェアは7%に下落」

2:しばしば、日本に比し、台湾、韓国の賃金が安いと指摘される。そうなのだろうか・・・

 皆さん、ここに書いてあるように、この30年ほどで日本ほど貧しくなった先進国はどこもありません。いち早く中国とともに経済発展する道を選んだ韓国に国民1人当たりGDPが近く抜かれることも、先ず間違いないでしょう。なぜなのか。この30年間の日本が、ただアメリカが怖いが故に「対米貢ぐ君」政治をやってきたからです。そもそも、これだけ国民が貧しくなっているのに、どうしてアメリカの兵器を大量に買い込み、イラン制裁という名の「アメリカによるイラン私刑」にも易々と従って「イラン石油輸入取りやめ」となるのでしょうか。それも、契約時よりも何割も高くなるアメリカの言い値でいつも兵器を買い、日本にとって死活問題の石油輸入もアメリカが釣り上げる値で買い続けてきた。こういうことの結果が巡り巡って、結婚もできず、子どもも作れない、就職氷河期以来の若者達の群れと、世界有数の少子化現象! 

 今安倍政権はアベノミクスなど過去の基本政策の誤りを認め始めました。ただし、その責任が自分や自公政権にあるのではなく、悪い奴が他にいたからだという一大キャンペーンに打って出ています。この件については、昨日のエントリー二つをご覧いただければ、嬉しいです。
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直前の「本の広告」エントリーのあとがき  文科系

2019年06月07日 00時37分56秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 直前エントリー冒頭にこう書いた。
『ここの読者の皆さん、お気づきだろうか。僕の日米政治関係エントリーには、このごろ必ずこの広告が付いてくることを。安倍総理が人差し指を立ててこちらを睨んでいる画像に被せて「借金と財務省の黒いつながり」と字幕が入った、黒い写真の広告である。これに付いている「こっちへ行け」マークをクリックすると、ある本の広告が最大画像で飛び込んでくる』

 さて、この広告は今までどんな目的どんどんこのブログにやってきていて、このエントリーの後では一体どう変わるのだろう? なんせ、「載せたい」エントリーには縦に2枚重ねてこの「真っ黒な安倍」が載ってくるのだから、非常に興味がある。そして、今まではこうだったのだから今後はこうなるだろうと確率の高い予想もしたくなるというもの。

 ブログ広告って何のために載せるか。その商品に興味ありげな人に送る。この本の広告に「興味ありげな人」ってどういう人かということで、色々試してみたらこんなことが分かった。結局「脅している」のである。

 こんな広告は大嫌いという確信犯エントリーには載せず、これに釣られそうなエントリーや人、「これを恐がりそうな人」に載せている。つまり、一種の脅し広告だと分かった。道理であの画面が真っ黒で、右を前にした半身の安倍総理が右手人差し指を挙げてこちらを睨んでいるわけだ。そう合点したのである。

 さてこれからどうなるか。確信犯エントリーには案外載せる事が多くなるかも知れない。これを読むなと言う意味で、エントリーご本人以外を脅すために。それとも、確信犯エントリーには今まで同様載せることを避けるのかな? 

いずれにしても面白い。今後の変化をまた、エントリーしよう。


このエントリーの掲載直後の追加です。
 「本批判」エントリーの方には、「真っ黒な安倍」は載っていません。が、この「あとがき」自身の方には載りました。これはつまり、確信犯には載せず、「判別無し未定」にはさし当たって載せる? でも広告って「観てくれればいい」と馬鹿だから、ダボハゼかも知れない。反対でも賛成でも、観てくれそうなエントリーにはなんでも、どんどん載せる、と。

その5分後の、追加です。
 やっぱりダボハゼだ。それも、確信犯にもどんどん載せるようになった。このダボハゼ「真っ黒な安倍」は、やはり読もうとする人への脅しを始めた?等々とにかく面白い。今後も注意してダボハゼを挑発してやろう。
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2%目標など総崩れの責任逃れ本   文科系

2019年06月07日 00時20分17秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 ここの読者の皆さん、お気づきだろうか。僕の日米政治関係エントリーには、このごろ必ずこの広告が付いてくることを。安倍総理が人差し指を立ててこちらを睨んでいる画像に被せて「借金と財務省の黒いつながり」と字幕が入った、黒い写真の広告である。これに付いている「こっちへ行け」マークをクリックすると、ある本の広告が最大画像で飛び込んでくる。

 総理と会食したら「協力して欲しい」と頼まれたから書いた本なのだという。三橋貴明という何処かの研究所の方と言うが、先ず学者なんかではない。だって、こんな無責任極まる宣伝文句が入っているのだから。それも「1980円の本を送料だけ550円でお渡しする」と約束する著者なのである。
『情報を掲載するにあたり、細心の注意を払っていますが、掲載されたすべての情報の内容の正確性,完全性及び安全性等を保証するものではありません』

 学問的吟味に堪えられるお方ならばこんな注釈を付ける本などあり得ない。ちょうど、百田尚樹が、その「日本史」本とかに「史実とは違う」と批判箇所が数々指摘されたのに対して、こんな弁解文句を叫んだのと同じことだろう。
『僕は歴史家ではありません。小説家ですから、僕が面白いと思うように書きました』
 という本を日本史の事実と思って読む読者がアホなのだと言わんばかりの、これ弁解になってるの??

 さて、三橋ご本人が書いた本の宣伝文句のさわりを長く引用してみよう。


『 総理の告白、「3つの敵が邪魔になっている」

どうしても、私だけでは難しい部分がある。協力して欲しい。この会食を通して、そんな声を受け取ったように感じた。そして、総理が今最も苦戦しているのは、ある3つの敵がいるからだと打ち明けてくれた。
1つ目:この勢力は、何をやっても「常に安倍総理の敵」であるとのこと。
森友問題や加計学園問題などのリークをしてあるゆる形で安倍総理を引きずり降ろそうとしています。
2つ目 : この勢力のせいで、日本は欧米から食い物にされ、日本の格差はどんどん広がっています。
3つ目:この勢力は、あらゆる政治家や官僚に根回しをしていて非常に厄介だと言います。この敵こそ最後の任期で何とかして、”彼らによる洗脳”を解き、日本を正しい方向へ導きたいと…


これらの3つの敵とずっと闘ってきたが、中々手強く、総理もここまでとは思っていなかったようである。ただ、最後の3つ目の勢力に対しては、何とかしてでも対処していかないと、本当に日本が手遅れになるかもしれないと危機感を感じていた。なぜか?
それは、2年後に迎えるかもしれない「日本経済2020年危機」を迎える可能性が極めて高く、それに対応できないからである。(中略)もし、この危機を迎えてしまうと、日本国民の給料がさらに下がり、今以上に生活が苦しくなり、貧困化が加速します。(中略)それだけではなく、超円高となり日本株が大暴落して世界的な金融危機を迎える可能性もあります。オリンピックが騒がれている一方で、水面下では「日本経済2020年危機」が進みつつあるのです。』


 さて、三つの敵というのが全部嘘である。それぞれの原因をきちんと押さえてみよう。
 第一に「森友問題や加計学園問題などのリークをして・・・引きずり下ろそうと」とのことだが、リークをした人が悪いのか、こういう問題を作った安倍自身が悪いのか。答えは自明であって、官僚にこうさせた安倍と、忖度した官僚が悪いに決まっている。リークをした人は例えば元文科省次官のように、むしろ正義の硬骨漢と言える。
 二つ目の敵が「日本は欧米から食い物にされ、日本の格差はどんどん広がって・・・」とのことだが、この責任も第一に安倍初め自公政権にあることは自明である。時価評価など会計世界基準や、「時価高額の株で株を買う仕組み」などを導入して外資の自由参入を許し、日本の物作りをアメリカ同様に駄目にしたのは一体誰だったのか? 
 正体をぼかしてこう書いてある「第3の敵」も実はご自分のことなのだ。「あらゆる政治家や官僚に根回しをしていて非常に厄介」。 ここ30年を観ても、ほとんどの政権は自民党。そして、小選挙区制と政党交付金ができてからは、自民党総裁の自民党内権限が強大になりすぎている。これは政治論議の常識に属すること。そして官僚はもちろん、安倍政権への忖度ばかり。この忖度がまた、安倍自身が元締めをやっている新設内閣人事局の高級官僚人事権によるもの。この世界に対して、安倍以上に「根回しをしていて非常に厄介」な存在などあってたまるものか。でなければ、忖度官僚があんなに生まれるわけがないのである。

 どうだろう、三つの敵なるものは,実は総てご自分がやったことをさしているのである。三つそれぞれの分野でご自分より強いものは誰もいないというそんな事項、領域ばかりだから。そこの失敗を他のせいにするためにこの本が出されたのだ。それも、アベノミクスが全て失敗し、「2%目標」やインフレターゲット自身を投げ捨てざるを得ないどころか、いまやこのためにやったずぶずぶの金融緩和、官製バブルのしっぺ返しが怖いそのことを、総て他人のせいにしようという、実に悪辣な本である。
 日銀や政府が国債や株を買う官製バブルに対する、外資からの空売り攻撃が怖いその時が近づいたからこそ、こんな本を書かせているのだろう。この時が近づいているどころか、既に去年末、日本政府は15兆円ほどと過去最大の損失を出しているのだ。ドイツのGDPを凌駕するGAFA株価時価総額が、日本のバブルに売り浴びせを始めたらと今になって恐怖にかられ、その布石として他に責任転嫁するという予防線を、安倍が張り始めた。上に引用した長い宣伝文句の最後の部分は、そういう長年懸念されてきた「長期にわたる大型金融緩和の出口に待っている危機」のことをわざわざ取り上げて、予告弁解をやっている。いままでは出口危機論に対しては必ずこう応えてきただけである。「2%が達成され緩やかなインフレ状況になれば、総てが上手く行く。必ず達成します」。この安倍自身の言葉は、今はもうみじんも残っていない。
 ・自分の永年の目標、アベノミクスは全て失敗した。
 ・その目標を下ろした瞬間に、その失敗を認めると同時に、そのすべてを「敵」のせいにする。


 何と情けない政治、政治家であるか。いつも言っているように、何の責任感も感じさせない軽すぎる言葉で、ただ選挙に勝ちさえすればよいというだけの「政治」をやってきたのである。これこそが、彼の本質なのだ。マスコミ工作とパフォーマンスだけの政治。そういえば、安倍の先輩に「小泉劇場」というのもあったな。彼はあの内閣の最高幹部、「劇場」性だけを学んだのだろう。
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三世代のサッカー代表戦観戦から   文科系

2019年06月06日 15時20分22秒 | スポーツ
 今月に入って、三つの年代の日本代表戦が相次いで行われた。U20W杯韓国戦、U22トゥーロン国際大会チリ戦、フル代表トリニダードトバコ戦なのだが、僕は偶然三つのゲームを総てみることができた。前二つは普通にテレビ放映があって、それをビデオにしたもの。フル代表戦はトヨタスタジアムの良い席で観戦できた。それぞれ、0対1、6対1、0対0と言う結果だったのだが、勝てなかった二つの戦いがとてもよく似ていたと観るのは、僕だけではないだろう。ごく短く表現すればこんなふうな。

『圧倒的に攻めてシュート数でも圧倒していたが、シュートがことごとく上手く行かない』

 この特徴は我が代表にずっとついて回ってきたものだが、そもそもどうしてなのか。他の2者よりも相手が遙かに強いはずなのに圧倒的な勝利を納めたU22のチリ戦と比較すると、その理由がよく分かったような気がしたものだ。
『格上チームにも格下チームにも、同じ得点法、戦い方をしている。弱いチームとやる時は違う得点法も狙うべきだ』

 現在の世界的な得点潮流は、言うまでもなく、コンパクト守備をきちんと取って、時に高位コンパクトでボール奪取から速い攻撃で得点を狙う。これが高い位置のコンパクト布陣を取り合って闘う強いチームに対するもので、チリ戦ではこれがことごとく成功した。ちなみに、その上で、チリの中盤プレスが弱かったことがこの大量得点に繋がったという面があった。

 だが、格下チーム相手なら違うだろう。どうしても引いた上でゴール前を固めてくるから、ボール奪取得点は狙えず、ゴール前へと数をかけて攻めなければ得点にはならない。格下ばかりのアジアでは、これができなければ得点が難しくなる。だからアジアでは、ゴール前に殺到する得点法が特に必要なのだ。相手がゴール前に6~7人も固めていては、最低4人ほどで突っ込んでいかなければ得点にはならないだろう。相手をゴール前に押し込めてこれを囲い込んだ上で、こちらの半数ほどがどんどん相手ゴール前へと速いパス回しで、侵入していく。ちょうど、名古屋か横浜のような戦い方である。失点を恐れていてはこんな戦い方はできないが、そこはそれ「挑戦したミスは許される」というのが、練習マッチ。そういう失点からもこういう戦い方が学べて、鍛えられるということだ。

 もっとも、中村憲剛と全盛期の香川のような、精密なピンポイント・パサーと、動きながらパスを受けてシュートまで持って行けるアジリティーとという絶妙のコンビが鍛えられていれば別なのだ。が、今は全盛期の香川のような選手がいないから、そんなコンビはいないとも言える。
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