たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『追憶のバルセロナ』-オンデマンド配信で視聴

2021年01月05日 22時27分48秒 | 宝塚
2019年宙組『追憶のバルセロナ』-ナウオンステージより(3)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/0a2ddb1e08b19f69bb93fb9c83ab0bdd


2019年宙組全国ツアー公演『追憶のバルセロナ』
正塚晴彦先生の完全オリジナル。熱く骨太な正塚ワールド。

「2002年に絵麻緒ゆうと紺野まひるを中心とした雪組によって上演された作品の再演。
時は19世紀のスペイン。バルセロナの貴族の嫡子フランシスコは、宣戦布告してきたフランス軍に立ち向かうべく、親友のアントニオと共に戦場へと向かう。激しい戦闘の末、フランシスコは瀕死の重傷を負うが、旅芸人一座の娘イサベルの献身的な介抱によって一命を取り留める。一座と行動を共にしながらも、フランス軍に占領された祖国の現状を憂うフランシスコは、カーニバルの賑わいにまぎれバルセロナへと潜入。そこで彼が目にしたのは、いまやフランスの協力者となったアントニオと、彼の妻となったかつての許嫁セシリアの姿だった……。
祖国の誇りを取り戻すため立ち上がる青年の、愛と戦いの物語。」(劇団HPより)


フランシスコ・アウストリア;真風 涼帆
イサベル;星風 まどか
アントニオ・ヒメネス;芹香 斗亜
ロベルト;桜木みなと
セシリア;華妃まいあ

『オーシャンズ11』のバディ感が素敵すぎたまかキキ演じる、それぞれの信念を持ちながらすれ違い、最後はまた志をひとつにしていく物語。このまかキキもほんとにかっこいいです。心に留まった台詞を全部書き残すのは無理で一部だけ。


🌹フランスとの戦いに赴く前の二人、

フランシスコ「生きて帰れたら今一度将来のために働こう」

アントニオ「君の親友であることを誇りに思うよ」

フランシスコ「僕もだ」

まだ見ぬ将来に乾杯する二人。


🌹フランスとの戦いで負傷して記憶喪失となったフランシスコを助けたロマ一族の親方ミゲル

「焦ることはない、お前は助かったんだ、生きていればいつかまた思い出す時がくる。この世に変わらないものはなにひとつない。自分がだれだか、どこからきてどこへいくのか、知っているものは一人もいない。生きてさえいれば・・・」

🌹一人でも多くの命を救いたいとフランスに降伏したアントニオと、祖国スペインを守るため「黒い風」となってフランスと戦い続けようとするフランシスコとの再会。

アントニオ「最近世間を騒がせている黒い風の情報を集めろと命じられている。
      たとえなんと言われようと一人でも死なずにすべばいいと思ってきた、
      だがその望みが入り込む余地はなくなるだろう」

フランシスコ「せっかく生き残ったんだ、自分の居場所を守りぬくことだ」

アントニオ「君はどうする? お父上の意志を継いで戦い続けるのか?」

フランシスコ「今では旅がおれのすみかだ、明日立てばいつ戻ってこれるか」

アントニオ「このまま戦いが続けばさらに大勢の人が巻き込まれるだろう、抵抗しているのは
     一部の勢力に過ぎないのに、彼らが人々を危険にさらしている。フランスの統治を
     受け入れれば」

フランシスコ「ここはスペインではなくなる」

アントニオ「人ではないのか」

(略)

フランシスコ「自らの血をもってあがなうしかない」

アントニオ「死んでしまってはなんの意味もない」

フランシスコ「意志を捨てて生きることになんの意味がある、今日の命のために将来から
       目をそむけるのは卑怯だ」


フランシスコ「生きていることの素晴らしさ♪」

イザベル「わかりあうことのいとおしさ♪」

フランシスコとロマ一族
「人に巡り合い、明日にあこがれ ふみにじられても消えはしないけど」

フランシスコ「奪われた誇りをこの手に取りもどせるその日まで暗闇に身をかくし」

フランシスコとロマ一族「今黒い風となってかけぬけてゆく」

 フランシスコの生死がわからない間に婚約者だったセシリアは自分の家族とフランシスコの家族を守るために手を尽くし思いを寄せてくれているアントニオと結婚していました。カーニバルで二人と鉢合わせしたフランシスコは、記憶喪失となっていた自分に対して「すべては遅すぎた」と悔し涙を流しますが、ラストは二人を祝福します。セシリアからアントニオを愛しているという言葉をきいたフランシスコは、アントニオの身の回りをロベルトに託し、思いを寄せてくれているロマ一族のイザベルと共に生きる道を選びます。イザベルもまたロベルトたちと別れ、フランシスコと共に歩んでいく決意をします。

ラスト、「この国の将来のために」と再び誓い合い、握手を交わして別れる二人。

 まどかちゃんのイザベル、可愛いと同時に男前のカッコよさ、ずんちゃんロベルトのターバン巻いてちと悪な感じもすごくカッコいいし、まいあちゃんのセシリア、清楚で美しい。わたしの稚拙な言葉ではとても語り切れませんがナウオンステージで話が出ていたようにぞれぞれ信念をもって力強く生きる人々の物語、みんな自分に対してぶれない生き方をしていると映りました。思いをまっすぐに伝えようとする言葉たちはまさに正塚ワールド。現実はゆがみきっていることばかりなので清く、芯を正されるような思いがします。現実にはこういう生き方はすごく損だったり、生きづらすぎたりするかなあと思いますが夢の世界にはこんな現実あっていいのかな、あってほしいなって。



 8日は『アナスタシア』東京宝塚劇場公演初日ですがどうなるのでしょう。このまま上演なら明日あたりお酢デザートが発表されるタイミング。舞台装置や衣装が運ばれてきていて準備が進んでいることと思います。大切なものは人それぞれ。どれが不要不急だとかんたんにはかれるものではない。どうか初日を迎えさせてあげてほしいし、わたしを劇場に行かせてほしい。こんなに場当たり的で先が見通せず準備ができない状況ではみんな心労が続きますね。いつどうなっても最高の舞台を届けられるようにその時々で最善を尽くす、そんな思いで、みんな今を懸命に生きているのかな。わたし、在宅ワークできるような業務ではないので観劇をうばってごっかんの空の下での通勤だけ残さないでほしい。どうなるのかと明日もお手洗いにいくたびスマホで宝塚ニュースをチェックかな。ただひたすらにどの舞台も無事に上演されてほしいと祈るばかり。

 ささやかなブログへの訪問、今日もありがとうございます。