雪組『Lilac(ライラック)の夢路』『ジュエル・ド・パリ!!』-東京宝塚劇場休演者復帰 - たんぽぽの心の旅のアルバム (goo.ne.jp)
2023年6月20日(火)18時~、東京宝塚劇場2階B席
片道1時間45分、だるい体を動かしてなんとか無事に往復することができました。開始時間が18時30分から18時に変更となったので久しぶりに夜公演を観劇。5月25日の宙組公演観劇以来で乗った電車の中は背筋が凍りつくような寒々しい空気だったので目をつぶって休みながら過ごしました。シャンテでいつも通りちゃんぽんを食べてからキャトルレーヴへ。意味なく星組時代のしどりゅうのスチール写真を購入したりとか、もうやめようと思いつつ、また手が出てしまいました。開演30分前に劇場へ。バランス悪すぎる体は鎮痛剤の副作用もあり限界かなあと思いましたが入場すれば気持ちもあがり、開演20分前に無事公演デザートをいただきました。以前より小ぶりになったかな。スプーンは木製。あっという間、甘すぎずおいしく食べられました。
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現実は次から次へと絶望的なニュース、日本は本当にもうダメだろうと思いますが、劇場の中にはまだ夢と希望がありました。芝居、ショー共に色とりどりの花で彩られたニ本立て。現実を忘れて楽しいひとときでした。わたしの勝手な想像ですが、どちらもコロナ騒動の終わりがまだみえない頃の企画で、それでも希望を持って生きてほしいという演出家の思いがたっぷりとつまった作品になったのかなと思いました。
オケピットの黒い蓋がなくなり、また演奏者の方々のお姿がみえるようになりました。指揮台は踊る指揮者塩田明弘さん、宝塚は2年振りでしょうか。ノリノリの楽しそうなお背中でした。淡い色目がどれも素敵な衣装は芝居、ショー共に加藤真美さん担当。夢々しい、これぞ宝塚という世界観。舞台装置も素敵でした。
トップ娘役となった夢白あやちゃんが当然といえば当然ですが出番多くて若さ弾ける活躍、さらなる可能性を秘めた堂々たるヒロインぶりは実に気持ちのいいものでした。咲ちゃんとのコンビ感も大劇場作品一作目とは思えないバランスの良さで熱量のある舞台になり大盛り上がり。『異人たちのルネサンス』の時、一時的に星風まどかちゃんの代役として真風さんとデュエットダンスを踊った時の夢白ちゃんへの風当たりの強さが思い出されました。さっさと退団してくれとまでネットに書き込んでいる人もいて目に余るものがありました。今の夢白ちゃん、誰がみても納得。もうそんなことは言わせないという強さをわたしは感じました。そういうツヨツヨなところが夢白ちゃんらしい。終演後、客席のあちこちから「可愛い~」っていう声。
もともとは雪組生だった美穂圭子さんが芝居、ショー共に出演して美声を披露。雪組の舞台出演はいつ以来なのかな。『エリザベート』の初代マダム・ヴォルフ。専科生としてここまで活躍されるようになるとは正直思っていませんでした。
『Lilac(ライラック)の夢路-トロイゼン家の誇り-』
謝珠栄さんらしいこだわりのつまった作品。宝塚でなければ許されない美しきトンチキ。ひとつひとつの台詞に伝えたい思いが溢れすぎているのだろうなと感じました。咲ちゃんの台詞、貴公子が似合うようになった咲ちゃんでなかったら許されないと思いました。鉄道建設というモチーフは100年以上前の宝塚少女歌劇の始まりを振り返れば阪急電車が母体となる宝塚歌劇団の原点。ドイツ語圏の人々の心をひとつにし豊かな国にしたいと鉄道事業に情熱を注ぐ咲ちゃん演じるハインドリヒの姿はどこか小林一三翁と重なるものがあるのかもしれません。展開が早くて季節感も満載。クリスマスの場面が特に印象的でした。衣装替えも多く芝居仕立てのファッションショーのようでもあり、次々と繰り出されるダンスで魅せていく芝居仕立てのショーようでもありといった感でしょうか。全編情感あふれるダンスナンバーの連続。いずれも踊りこなすのはすごくハードでしょう。夢人たちが特に素敵、製鉄所の職人たち、農民たちのダンス、こうなるのかという謝珠栄さんならではの振付だったでしょうか。どう着地していくのかなと思ったら、夢白ちゃんエリーゼが足りない分の出資してハインドリヒとエリーゼは結ばれ大団円。希望のある爽快な結末はお披露目らしくていいですね。
ライラック色の舞台装置と衣装は今まで宝塚にありそうでなかった色のモチーフ、素敵でした。早逝する五男ヨーゼフが新進気鋭の華世京くん、これからの可能性を大いに感じました。野々花ひまりちゃんは2番手娘役として力をさらに発揮して存在感を増していました。あーさとお似合い。
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芝居が終ると、ショーに向けて舞台装置が動く場面に遭遇。劇場で観劇している醍醐味、音も含めて舞台好きにはたまりません。
『ジュエル・ド・パリ!!-パリの宝石たち-』、
憧れのパリをめぐる、こちらも宝塚の原点回帰のショー、現実のパリはもう荒れまくっているので、あくまでもレビューが誕生した時から宝塚が憧れ続ける夢の街パリ。咲ちゃんが越路吹雪さんのシャンソンを歌ったり、ロケットが「モン・パリ」だったり、デュエットダンスが「愛の宝石」だったり、宝塚にはすっかりお馴染みの曲が満載でした。第1場のあーさを中心とした男役7名による銀橋での歌はルノワールをはじめとする画家たちに扮していたのでした。パレットを持ち筆を運ぶ振付、なるほどそういうことでしたか。第2場で大階段登場、咲ちゃんが歌うと次はもうラインダンス、ミモザ色の衣装が素敵でした。大劇場では初舞台のために振付られたダンス、みんな小柄で可愛かったのは次の男役燕尾にそなえて娘役さんで構成されているからでした。男役さんたちは燕尾服にシルクハット、娘役さんたちはドレスさばきで魅せる場面はこれぞ宝塚のパリレビューといった豪華さ、衣装の色目はエッフェル塔のイメージしたものだったようです。
噂の和希そらちゃんのクレオパトラ、せり上がりでの登場でした。すっごい腹筋、タカラジェンヌはまさに美しきアスリート。組長の奏乃はるとさんがエジプト王をイメージした扮装に鞭を持って歌い始めるので、どうなってしまうのだろうとドキドキしました。歌詞がけっこうすごかったかな。クレオパトラが鞭を体に巻いて踊るような振付になりました。プログラムをみると第8場コンコルド広場、「エジプト風の音楽に乗せてオベリスク女Sを中心とした妖しくも熱いダンスナンバーとなる」とあります。
咲ちゃんがフェルゼンのような貴公子の衣装で登場したのは第9場・第10場ルーヴル美術館、ドーファンが自分のコレクションを披露するという場面で娘役さんたちはドーファンのコレクション、ダルマに豪華な髪飾りをつけた夢白ちゃんとのデュエットダンスが色っぽさと可愛さの親和性が絶秒でインパクト大。愛すみれさんと久城あすさんの代役をつとめた男役さん(残念ながら名前を認識しきれず)との歌のかけあいも見どころ、聴きどころ。
咲ちゃん、あーさ、そらちゃんの三人で歌う場面が兄弟のようにみえたのはどこだったかな。全然個性が違うのに不思議と似ている雰囲気、かつて一路真輝さん、高嶺ふぶきさん、轟悠さんが、全く違うのに三人で並ぶと似ているようにみえたことを思い出しました。
第11場ノートルダム大聖堂、第18場サン・ジェルマン・デ・プレ教会B、平和への祈りと希望が込められているように感じた場面、素敵でした。
第19場カルチェ・ラタン、最初夢白ちゃんが一人で登場するので大カンカンとはわからない始まり方。衣装がとりわけ可愛い。夢白ちゃんと少数の男役さんのダンス、その後カンカンレディたちが次々と登場、男役さんがドレス着てました?とプログラムを確認するとまなはるさんを筆頭にカンカン娘になっていました。咲ちゃんが銀橋から客席に拍手を求めてとっても楽しそう。咲ちゃんと夢白ちゃんを中心に組子全員がずらりと並んで足を上げる場面は壮観でした。夢白ちゃん、ずっと踊りっぱなしで、技も披露して、終われば銀橋に残って全く息もあがらず歌っていました。細い体で肺活量どうなっているのか。
フィナーレ、エトワールは未来のヒロインであろう音彩唯ちゃん。大羽根の色もパリをイメージしたレビューショー、とってもいい熱量の舞台、宝塚をみたという満足感と久しぶりに夢々しいトップコンビの誕生で清々しく、楽しいひとときを過ごすことができました。
画像・写真|【宝塚・雪組】彩風咲奈 夢白あやを迎えて《新トップコンビお披露目公演》19世紀初頭のドイツを舞台に夢を追う青年の爽やかな恋、温かな家族愛を描く 連載:宝塚 すみれ色の未来へ 彩風咲奈・夢白あや|芸能|婦人公論.jp (fujinkoron.jp)
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劇場内のキキちゃん、キャトルレーヴの宙組トップスターコーナーは監修グッズの展示待ち状態でカレンダーやプロマイドがディスプレイされていました。2017年『金色の砂漠』、10数年ぶりで宝塚に戻ってきた時すでに二番手だったキキちゃん、トップスターになったんだあとじわりきました。同期の咲ちゃんとの並びがどこかでみたい。
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劇場外のキキちゃん、
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星組の東京宝塚劇場は当選できなかったので次に日比谷を訪れるのは二か月後、これが井上芳雄さんを拝見するのも帝国劇場に入るのも最後となる可能性が高い『ムーランルージュ』、平原綾香さんと芳雄さんの組み合わせ。B席で9000円はびっくりですが、著作権に衣装と舞台装置もお金かかっているのでしょう。この世にいる間だけなのでそれまで死ねない、いちばん暑い季節は外気と冷房との差が鎮痛剤をのんでいる体に一段とこたえるので可能な範囲で配信を楽しみます。
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