バイヨン寺院には 四面仏顔塔が49基も林立している。
かつて 観音菩薩(四面仏顔)は 196体(49×4)あったが
今は173体になっている。
観音菩薩は、人々の音(声)を観て(聞いて)
その苦悩から慈悲を持って救済する菩薩であるので
人々の悩みに応じて千変万化の相となるといわれる。
それ故 どれ一つとして同じ表情のものがないものの
いずれも穏やかな微笑を見せている。
しかし 最近の調査では これは特定の宗教のもではなく
つまり 観音菩薩ではなく 「尊顔」としているようだ。
その中で最も有名なこの尊顔は
アーモンドアイと厚い唇の表情から造られた
神秘的な微笑は「バイヨンの微笑」といわれ
その造形美術は クメール独特の美意識によるものとされている。