あかない日記

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ベトナム紀行(83) オースチン車

2014-08-29 | ベトナム紀行

  

 格納されているオースチン

 

 何故!外国車がこんなところにと 場違いとも覚えるような

境内の一角に古い車が展示されている。 

これは ゴディンジエム政権の時代 政府高官や軍幹部全てはカトリック教徒で

 人口の大半を占める仏教徒を迫害し 

自分たちの権益だけを守ろうとしていた 1963年の6月11日に

仏教の弾圧に抗議して焼身自殺した住職ティック・ファン・ドンのものだそうで

 ここからサイゴンまで自ら運転して乗っていったオースチン車で

 遺品として残されているのだという。

ガソリンをかぶり 燃え盛る炎の中でも座禅姿を

崩さなかった焼身のニュースは全世界に発信され 写真をみた記憶がある。 

フエの人は穏やかなと 先に紹介したが

先にも話題にした開高健の「ベトナム戦記」でも触れられており

 フエ 古都は知性と宗教 学者と高僧の町であることから

古都ながら反逆と情熱に満ちた町と紹介し 

時の独裁政治に抗議し焼身供養を敢行した僧もここの出身

 また軍事独裁打倒の狼煙をあげたのもこの町の学者と僧であったと。

穏やかであっても こと大事な時には

立ち上がる正義と勇敢さを持つ人々のようである。