中受ブログのほうで「NHK基礎英語1が難しくなってますね」にも書いたのですが、日本の英語教育はどんどん、「使える英語」や「グローバリゼーション(?)」にシフトしていくのですね。
←あなたの英語、「使え」ますか?
中学校の教科書や、教え方を見ていてもつくづく思うのですけど、文法や、しっかり構文を取ることとかはあまり体系だって出てこなくて、もっと実践的な会話文、よく使われるフレーズにどんどん(習うより)慣れていきなさい、という雰囲気です。
これは、私が英語を習った時代の教育の結果がいわゆる「使えない英語」であったことの反省に立つものでしょうし、それはそれで理解できるのですが、私としては、今の流れに諸手を挙げて賛成する気にはなれません。
ちなみに、私の英語はまさにその「使えない英語」ってやつで、そもそも英語で会話した経験はごく数えるほど。これまでの生涯でアメリカ滞在はトータル「三日」(^^;; それももっぱらプレゼンを「聞く」だけでおとなーしくしてたし、外人参加者との雑談も最小限にとどめてあとはなるべく日本人としゃべってました。
私はなぜか英語を使う仕事をしていますが、英語をしゃべれるようになりたいと思ったことはついぞなく、仕事としては読むだけです。それも正確に言えば、英日翻訳されたものの「日」の側を主に見て、怪しいところを「英」と照らし合わせるだけで、英語もそんなにたくさんは読みません。訳が間違っているかどうかの判定と、その部分について最終的に採用する訳を決められることが求められる英語スキルであって、それに関しては問題ありません。
昔、駿台で、英語の先生が、「君たちが今、勉強しているのは文献を読むための英語です。そのままで英会話できるようにはならないけど、でも、しゃべれるようになりたかったら、このテキストでいいから、ひたすら音読しなさい。口を慣らして、それから会話の実践を積めば、そんなに時間もかからないでしゃべれるようになりますよ。逆はたいへんです。ぺらぺらしゃべれるからって、いきなり文献がきちっと読めるようにはなりません」といってました。
私は多少の実践を積むところすらやってませんので、この先生の言ってたことが正しいかどうかわかりませんが、後半部分が正しいことは知っています。つまり、流暢に英会話できる人が、誤訳を見つけられるわけでもなければ、正しく直せるわけでもないこと、それに、そのためのフィードバックをして練習してもらっても、なかなかうまくはならないってことはイヤっちゅうほど経験しています。
だいたい、私がやっているのは、翻訳の検査・評価ですが、その元の翻訳をしたのは、プロの翻訳者です。しかしプロの翻訳者ってのもピンキリで、どうも「使える英語」しかできない人が混じっているようです。つまり、TOEICは900超かもしれませんが、英文がきちんと読めてないのです。英文に出てきた単語をテキトーにつないで空想訳を作っていたり(その英文解釈は文法上ありえません!!)、文脈から考えて論理的にありえない解釈をしていたり(おかしいと思わなかったの??)。
私の仕事をする上では、私の受けてきた英語教育(特に駿台の)は非常に役に立つものです。ある程度の年齢になってから外国語を学ぶ方法としてはリーズナブルだったと思います。文法重視+訳読で、効率よく、混乱せず、英文解釈を身につけていくことができます。ありうる解釈の範囲がきちんとわかり、正しい訳がわかります。私にとってはそれで十分です。
今後、たとえば長文をさっと流し読みして、どんな話題が書いてあるかわかる…ネイティブがくだけた会話で使うフレーズがわかる…その会話に参加できる、という、「使える英語」を身につけた人たちの中から、私のやってるような仕事でも「使える」人材がちゃんと育つのかどうか、ちょっと心配です。
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これは、私が英語を習った時代の教育の結果がいわゆる「使えない英語」であったことの反省に立つものでしょうし、それはそれで理解できるのですが、私としては、今の流れに諸手を挙げて賛成する気にはなれません。
ちなみに、私の英語はまさにその「使えない英語」ってやつで、そもそも英語で会話した経験はごく数えるほど。これまでの生涯でアメリカ滞在はトータル「三日」(^^;; それももっぱらプレゼンを「聞く」だけでおとなーしくしてたし、外人参加者との雑談も最小限にとどめてあとはなるべく日本人としゃべってました。
私はなぜか英語を使う仕事をしていますが、英語をしゃべれるようになりたいと思ったことはついぞなく、仕事としては読むだけです。それも正確に言えば、英日翻訳されたものの「日」の側を主に見て、怪しいところを「英」と照らし合わせるだけで、英語もそんなにたくさんは読みません。訳が間違っているかどうかの判定と、その部分について最終的に採用する訳を決められることが求められる英語スキルであって、それに関しては問題ありません。
昔、駿台で、英語の先生が、「君たちが今、勉強しているのは文献を読むための英語です。そのままで英会話できるようにはならないけど、でも、しゃべれるようになりたかったら、このテキストでいいから、ひたすら音読しなさい。口を慣らして、それから会話の実践を積めば、そんなに時間もかからないでしゃべれるようになりますよ。逆はたいへんです。ぺらぺらしゃべれるからって、いきなり文献がきちっと読めるようにはなりません」といってました。
私は多少の実践を積むところすらやってませんので、この先生の言ってたことが正しいかどうかわかりませんが、後半部分が正しいことは知っています。つまり、流暢に英会話できる人が、誤訳を見つけられるわけでもなければ、正しく直せるわけでもないこと、それに、そのためのフィードバックをして練習してもらっても、なかなかうまくはならないってことはイヤっちゅうほど経験しています。
だいたい、私がやっているのは、翻訳の検査・評価ですが、その元の翻訳をしたのは、プロの翻訳者です。しかしプロの翻訳者ってのもピンキリで、どうも「使える英語」しかできない人が混じっているようです。つまり、TOEICは900超かもしれませんが、英文がきちんと読めてないのです。英文に出てきた単語をテキトーにつないで空想訳を作っていたり(その英文解釈は文法上ありえません!!)、文脈から考えて論理的にありえない解釈をしていたり(おかしいと思わなかったの??)。
私の仕事をする上では、私の受けてきた英語教育(特に駿台の)は非常に役に立つものです。ある程度の年齢になってから外国語を学ぶ方法としてはリーズナブルだったと思います。文法重視+訳読で、効率よく、混乱せず、英文解釈を身につけていくことができます。ありうる解釈の範囲がきちんとわかり、正しい訳がわかります。私にとってはそれで十分です。
今後、たとえば長文をさっと流し読みして、どんな話題が書いてあるかわかる…ネイティブがくだけた会話で使うフレーズがわかる…その会話に参加できる、という、「使える英語」を身につけた人たちの中から、私のやってるような仕事でも「使える」人材がちゃんと育つのかどうか、ちょっと心配です。
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