アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

またろうの作り方: 初めての小学校・学童日記より(30)

2013年07月23日 | 小学生活
今回のは、かなりどんよりする話、かつ、長いので、心して読んでください。

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* * *

2000年5月20日(土):授業参観

初めての授業参観。親も楽しみだけれど、またろうもはりきっている。参観できるのは2時間目の国語と3時間目の体育。

親がぞろぞろと教室の後ろに入っていくと、当然のことながら振り返ってうれしそうに手を振るまたろう。もっともこれはたいていの子がそうなので、先生もまず「後ろ向いていいですよーお母さんやお父さんみえた?」としばし挨拶タイムを設定。「さ、それでは始めましょう」

先生が、「筆箱だけ出してあとは机の中にしまってください」など導入や説明にかかっている間、またろうは終始、折り紙で作った紙飛行機をぶーんとやって遊んでいる。聞いてない様子。


今日の国語は「体の部分にも名前がある」というお話から入りました。「まず首から上ですよー。教えてくれる人?」と先生が声をかけると、待ってましたと「はい!」「はい!」の大合唱。みんな自分を当ててもらいたくてすっごい元気に手を上げています(立ちあがっている子も)。

またろうも手を上げて、トータル3回当ててもらって言った答えは「おでこ」「ほくろ」「じんぞう」。「みみ」とか「あし」とかいう普通の答えでないものを探そうとしてはりきっている様子が窺えますね。もっとも、先生は授業展開の予定が頭にあるので、見えないものや決まってないもの(「ほくろ」「じんぞう」「しんぞう」「ち」「のうみそ」など)は発言があっても黒板には書かない。

先生「腎臓?よく知っていますねー。外からは見えないけれど、どこにあるのかわかる?」
またろう「このへんだよ(シャツをめくって指差す。おおよそはあっている)」
先生「そうですね」
とだけいって書かずに先へいってしまいます。

黒板にたくさん溜まったところで、プリントが配られる。首から上と下にわけて、黒板の字をみながら「みみ」「て」「おなか」などと書くのが課題。私がいるところから見えるしおちゃん、かなちゃんなどは言われた通りささっと書いちゃって、字もびっくりするほどきれい。その他、すぐ書き始めたけど字が気に入らないのか、何度も書き直していてはじめの1個から進まない子もいるみたい。

またろうはというと、プリントをみんなが始めたのに気付かないのか、無視しているのか、ともかくずっと折り紙をぶーんしていて取りかからない。先生は席の間を回りながら書けたものにマルをつけてやったりしている。またろうのところに通りかかったときなにごとかささやいていって、またろうもようやく書き始めた。いくつか書けるとすぐ、パパママのところへ飛んできてプリントを得意げに見せるのであわてて席に追い帰す。集めるときにもたぶんまだあらかた残っていたはず。

さて次は、教科書を出して、読む練習を始めました。ほとんどの子が言われた通り教科書を出して、、そりゃそうだよね、今日は親に見られてはりきってるんだから、普段ずんだれている子だって、今日くらいは言われた通りやるもんだ。ところがまたろうはまだ気がつかないのかずーっと教科書を出さないで遊んでいる。

結局個別に声をかけられてやっと教科書を出す。当てられて音読するときははりきってちゃんとやるんだけど。

またろうも他の子と同様、親にいいとこ見せようという気持ちはあるみたいなのだ。それでも折り紙でずーっと遊んでいたり、立ち歩いたり、先生の話をぜんぜん聞いていなかったり、、そういうのをやめようって発想にはならないようですね。なんでだろう??

さて、次は体育の授業。予想されたことではあるが(-_-;;みんながとっくに着替え終わっても、またろうはてれてれと色鉛筆をいじっていたりしていっこう着替える様子がない。机の上にはまだ国語の教科書。なるべく口を出さずに見守りたかったのだがつい結局親が声をかけて着替えさせてしまった。

体育の授業は「城山体操」「変身リレー」「こおりおに」と進み、またろうもさすがに楽しそうにちゃんと体操したり走ったりしているのでかなり安心してみていられる。と、思ったが。

最後の「じゃんけん列車」が実は鬼門であった。これは音楽に合わせて走って、相手を決めたところでじゃんけんして、負けた方が勝った人の後ろにつながる。で、だんだん長くなってくるというもの。親も参加しての「じゃんけん列車」、子供たちもうれしそう。

これで終わりに「列車の先頭」になっている子がじゃんけんに勝ちつづけた子、ということで先生に「ぐるぐる」してもらえるという習慣があったらしい。一度目のじゃんけん列車では、長ーい列車の先頭になった子のほか、腕組みしちゃってじゃんけんに参加しなかった「ひとり列車の先頭(?)」の子も「あら、**くんも先頭なのね」とぐるぐるしてもらったのだ。またろうはそのとき、「違うよー**くんはぜんぜんやってなかったんだよ」と重ねて抗議していたが聞き入れられずそのまま進行したのがいたく不満だったらしい。

2度目のじゃんけん列車では、またろうは体育館のすみっこにいってしまって参加しなかった。で、「ひとり列車」として残ったわけだが、今度はそういう子が何人かいたし、先生は長い列車の先頭の子しか「ぐるぐる」してくれなかった。

その後、またろうはぺそーっとしてだらだら無気力モードに入ってしまった。教室に戻ってみんな着替え終わり、お帰りのしたく(持って帰るものをランドセルに入れるなど)をして席につき、さて「帰りの会」というときになってもまたろうの机の上にはまだ「こくご」の教科書と色鉛筆、ランドセルの棚にはまたろうのだけが残っている状態。

今度こそは口を出さずにはらはらして見ていると、またろうは「帰りの会」の間もそのまま何も支度をせず、配布されたものをしまうそぶりもない。結局、帰りの会が終わって先生がまたろうに声をかけてやっとのろのろと支度を始めた。「さようなら」とお友達はみんな親といっしょに帰ってしまい、教室にはまたろうと先生と、我々家族だけがぽつんと残された。

そこで少し先生と話をしたのだが、
・いつも持ちかえるプリントは「結果として」ちゃんと埋まっていて花マルなんぞついているが、実はみんなといっしょに済んでいるのではなくて、居残り(!)してやってることが多い
・個別にかかわってほしいという気持ちが強いようだ
・最近だいぶ席についていられるようになった(あれでも(-_-#))。当初はよく黒板前にある机(教具などが乗っている)の下にもぐったりしていた
ということがわかって、もうなんと申し上げたらよいか、、

先生は決して、上記のことを非難がましくいったのではなく、「回りと比べるということでなく、またろうくん本人の状況から出発しなければと思っていますから」「今日はまたろうくんのよいところもたくさん見ていただけてよかったと思います」「最近よく、メモを作ってくださっているでしょう、、またろうくん、あれをみて一生懸命やっていますよ」などと終始温かい調子。

そういえば、授業中も、みんながざわざわしているときに「ほら、とても姿勢のいい人がいますね。誰でしょう?」とか必ず肯定的な言い方で注意を引いていました。昔(私が子供だった頃)の先生なら間違いなく、「ほら**くん!こっちを向きなさい」「しずかにしなさい」ってストレートに言ってたと思うんですが。

今時の先生はそこまで要求されているということなのかしら。そういえば、またろうの他にもなかなか一筋縄でいかない子がたくさんいそうなこのクラス、しかも39人もいるのを(叱りつけもせず)ずいぶんうまくまとめて授業していました。すごいなー。ほんとに頭が下がります。

帰りながら夫が、「またろうは、国語の時間にがんばって手を挙げたり、体育の時間に城山体操を元気良く踊ったりしたから、ほめてあげたいんだけど、なかなかそういうわけにもいかないなー」などと話し始めると、急にぽろぽろと泣き始めるまたろう。

またろうとしてはいいところを見せようとあれこれがんばったつもり(?)でいるのだけど、授業中折り紙で遊んでいたり支度をしなかったり、、などの点で難があった(ありすぎた)ことの方を、先生や親たちは実は大きくとらえているんだということを突然悟ったのでしょうか。ほんとにショックだという風情でしおしおと泣きつづけていました。

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コメント (25)
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