昨日、阪田知樹コンサートから出てきたときによしぞう曰く、
「音が立て込んで大きくなったときでもただ叩いてるんじゃない(クリアである、表現している)ところがいいね」
←阪田くんて、またろうと同い年だよ。信じられん
私「それって、要するにうまいってことなんじゃ??(^^;;」
でも、解像度の高さということでいえば、森下唯とか…あるいは若いころのポリーニとか? もっと上の人もいるような気はする。
阪田知樹のピアノの特徴は、ただ解像度が高いということではないと思う。まず際立っているのは音色の豊富さというか幅、そして表現したいことに沿ってそれが正確に使い分けられて立体的に音が立ち上ってくることだろうか。
そして表現される内容がかなり個性的で、「えぇっ、そう来る?」という感じ。
森下唯は、弾く曲が…ショパンの星とかガンバスター幻想曲とかアルカンとかで変わっているからヘンなピアニストと思われてるかもしれないけど、弾き方はものすごくオーソドックスで、本来やるべきことをすべて盛り込んでいるし、そこから奇をてらってハミ出すようなこともないという気がする。
阪田知樹はバッハのフランス組曲とかフツーの曲を弾いてるときにかなり変で、音だいぶ盛ってるし、極彩色なところは現代ピアノならではの響きでバッハさんがそう弾いたはずはないというか(もっとも、バッハに現代ピアノを与えたらどう弾いたのかは別問題だけれども)。
そして選曲もフツーではなくて、フランス組曲の前に、同じくバッハではあるけど「協奏曲ニ短調BMV974よりアダージョ」というちょっとあまり聞かない曲(もとはマルチェッロのオーボエ協奏曲)を弾いてそこからほとんど途切れずにフランス組曲に移行するような構成にしていた。
ほかもあまり聞いたことのない曲が並んでいた。リスト「詩的で宗教的な調べ」S.173/R.14より第三曲「孤独の中の神の祝福」とか。
私としては、「パガニーニの主題による…」みたいな超絶技巧なところをカッコよくこなしている阪田くんもそれはそれで楽しめるけど、特にいいなと思ったのは
「フォーレ=阪田知樹 2つのメロディー」
とかそういう曲。今年の「ぱちもん」オフに参加したみなさんは「=」を見るとぴぴっと反応するんじゃないかと思いますが…ほら、これは「ぱちもん」スイッチですよね。この場合、歌曲をピアノソロに編曲した印です。
ピアノで歌うというのは永遠の課題だけど、阪田くんそれがとてもうまいし、
静かに歌ってても
その背景となる伴奏部分がそれよりさらに静かで、極限まで小さい音でもすべてコントロールが効いてて、しかもとても豊かな響きで。
音数多い、音デカ系だって超絶技巧だけど、
音数少ない、音小さい系も別の超絶技巧だよね。
どっちもすごく自然で無理ない感じ。
音色豊富な阪田くんの本領発揮だよ。
そういえば、「四月は君の嘘」のときも、「愛の悲しみ」のピアノ独奏版があって、確かにあれもよかった。
けど、録音で聞いたときに最も私がわしづかみにされたのは、「愛の悲しみ」よりはスクリャービンとか、とりわけショパンのエチュード。録音で聞いたときの魅力と、生で聞いたときの魅力は、微妙に違うものかもしれない。
あ、スクリャービンはアンコールで弾いてた。四月は君の嘘のときより、「かっ速く」てこれでもかって感じ。まぁ「四月は…」のときには「うまい中学生のコンクール風景」という設定だから、リサイタルのアンコールよりは丁寧な感じで弾かないとね。
ともかく、多角的に阪田知樹の演奏の魅力がわかるようなプログラムになっていてとてもおもしろかった。オールスクリャービンも楽しみ(誰かいっしょにいかない??)
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社
←またろうがイラストを描いた本(^^)

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
「音が立て込んで大きくなったときでもただ叩いてるんじゃない(クリアである、表現している)ところがいいね」

私「それって、要するにうまいってことなんじゃ??(^^;;」
でも、解像度の高さということでいえば、森下唯とか…あるいは若いころのポリーニとか? もっと上の人もいるような気はする。
阪田知樹のピアノの特徴は、ただ解像度が高いということではないと思う。まず際立っているのは音色の豊富さというか幅、そして表現したいことに沿ってそれが正確に使い分けられて立体的に音が立ち上ってくることだろうか。
そして表現される内容がかなり個性的で、「えぇっ、そう来る?」という感じ。
森下唯は、弾く曲が…ショパンの星とかガンバスター幻想曲とかアルカンとかで変わっているからヘンなピアニストと思われてるかもしれないけど、弾き方はものすごくオーソドックスで、本来やるべきことをすべて盛り込んでいるし、そこから奇をてらってハミ出すようなこともないという気がする。
阪田知樹はバッハのフランス組曲とかフツーの曲を弾いてるときにかなり変で、音だいぶ盛ってるし、極彩色なところは現代ピアノならではの響きでバッハさんがそう弾いたはずはないというか(もっとも、バッハに現代ピアノを与えたらどう弾いたのかは別問題だけれども)。
そして選曲もフツーではなくて、フランス組曲の前に、同じくバッハではあるけど「協奏曲ニ短調BMV974よりアダージョ」というちょっとあまり聞かない曲(もとはマルチェッロのオーボエ協奏曲)を弾いてそこからほとんど途切れずにフランス組曲に移行するような構成にしていた。
ほかもあまり聞いたことのない曲が並んでいた。リスト「詩的で宗教的な調べ」S.173/R.14より第三曲「孤独の中の神の祝福」とか。
私としては、「パガニーニの主題による…」みたいな超絶技巧なところをカッコよくこなしている阪田くんもそれはそれで楽しめるけど、特にいいなと思ったのは
「フォーレ=阪田知樹 2つのメロディー」
とかそういう曲。今年の「ぱちもん」オフに参加したみなさんは「=」を見るとぴぴっと反応するんじゃないかと思いますが…ほら、これは「ぱちもん」スイッチですよね。この場合、歌曲をピアノソロに編曲した印です。
ピアノで歌うというのは永遠の課題だけど、阪田くんそれがとてもうまいし、
静かに歌ってても
その背景となる伴奏部分がそれよりさらに静かで、極限まで小さい音でもすべてコントロールが効いてて、しかもとても豊かな響きで。
音数多い、音デカ系だって超絶技巧だけど、
音数少ない、音小さい系も別の超絶技巧だよね。
どっちもすごく自然で無理ない感じ。
音色豊富な阪田くんの本領発揮だよ。
そういえば、「四月は君の嘘」のときも、「愛の悲しみ」のピアノ独奏版があって、確かにあれもよかった。
けど、録音で聞いたときに最も私がわしづかみにされたのは、「愛の悲しみ」よりはスクリャービンとか、とりわけショパンのエチュード。録音で聞いたときの魅力と、生で聞いたときの魅力は、微妙に違うものかもしれない。
あ、スクリャービンはアンコールで弾いてた。四月は君の嘘のときより、「かっ速く」てこれでもかって感じ。まぁ「四月は…」のときには「うまい中学生のコンクール風景」という設定だから、リサイタルのアンコールよりは丁寧な感じで弾かないとね。
ともかく、多角的に阪田知樹の演奏の魅力がわかるようなプログラムになっていてとてもおもしろかった。オールスクリャービンも楽しみ(誰かいっしょにいかない??)
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(今回もイラストはまたろう)