言葉の意味から発想して素人考えでいうと、
「原典版」…作曲者が作ったままの姿
「解釈版」…指使いやペダルや表現記号を足したりしてわかりやすく使いやすく工夫したもの
なのかなと思ってしまうけど、
←時間は有限、お金も有限、弾きたい曲は無限(なはずはないのだが)
話はそう単純じゃなくて、「原典版」と称するものがいくつも出ていてそれぞれ中身が微妙に違う、なんて話を聞くとほんと何のこっちゃ。原典版って何なの??
…もちろん「作曲者の意図がそのまま伝わる」を目標に編纂されてはいるんだろうけど、
作曲者の生原稿(というか自筆譜)がなければ、どれを信用するかというのも難しい話になるし、
自筆譜があったとしても、どれが単に乱雑に書いただけでどれがうっかり間違い(あるいはインクの染み)なの?? とかは解釈が分かれそうだし、
まぁ現実問題、いろいろと微妙なところは出てくるのでしょう。
本気で作った「原典版」も、あとから自筆譜が発見されたりしたら覆ったりするんでしょうし、たいへんよね。
新しく、かつ権威ある(らしい)「エキエル版」
---
ワルシャワ音楽院教授でショパン音楽アカデミー名誉博士であるエキエル氏の校訂による「ナショナル・エディション」はショパン自筆楽譜、本人による確認が入った写譜、初版本楽譜といった入手可能なあらゆる原稿を基に、最新の学術的手法で編集され、原典版であると同時に研究本でもある世界初のショパン全集です。ショパン国際ピアノコンクールの規定でも、参加者に「ナショナル・エディション」の活用が奨励されています。
---「世界のピアノ楽譜 クレシェンド」より
でさえ、ツッコミどころはずいぶんあるようで、
「音楽の大福帳 クラシックの真実は大作曲家の「自筆譜」にあり!」(中村洋子著)
を読んでいたら、興味深い事例がいろいろ書かれていました。
折しも、今弾いてる(そしてエキエル版に乗り換えたばかりの)エオリアンハープについて書かれていて、おぉgoodなタイミング♪
そもそも、私の持ってた全音版がよくなかった理由は、スラーのかかり方とかがずいぶん出鱈目だったというのが大きいですが、スラーのかかり方はエキエル版と自筆譜でもずれているのです(とはいっても全音版ほどは違わないよ)。(注1)
スラー
松葉
ペダルの踏む、離す
指使い
音符のしっぽの向き
強弱記号の位置
そういったことが異なっています。そして、その微妙とも見える違いに、非常に大事なメッセージが含まれているというのがこの本の著者の主張です。
その「メッセージ」解説はひとつひとつかなりわかりやすく、少なくとも私はかなり説得されました。とはいえ、それを活かすように実際弾くことができるかは別問題なのですが、より素敵なエオリアンを弾くために役に立つカモ!!(←もうちょっと弾けるようになったらの話)と思えるヒントはいくつもありました。
それでこの著者のお奨めは、手持ちの楽譜と(参照できる限りの)自筆譜を見比べて気づいたことを書き込んで練習していくようにすること…って(注2)
まぁそれも結構だけれど
時間がいくらあっても足りないよ!!
ピアノ弾く時間がなくなっちゃっても困るんですけど。
ちゃんと専門家さんがもっと「精度のいい」原典版を作ってくれればいいじゃないか~
(注1) ちなみに、上記のようなズレが生じてしまう理由は、形が整った…というか定型的な(たとえば拍の切れ目でスラーが閉じるように)ところへ引き寄せて「編集」するからということのようですが、これは印刷の都合? なのか、そういうブレがショパンの書き方の乱雑さ(意味のないもの)と思って親切で整えてあげている? のかどっちなんだろう。
#あと、自筆譜のほかに、清書譜、初版楽譜、レッスン時の書き込み、お弟子さんなどのメモなど膨大な資料をまぜこぜにする統合するから混乱するという面もあるらしい
(注2) だからといって自筆譜(があっても)そのまま見て弾く人はあんまりいないと思う。さすがに見にくいし、逆に詳しくない人が見たら読み間違いするところのほうが多い気はする。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社
←またろうがイラストを描いた本(^^)

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
「原典版」…作曲者が作ったままの姿
「解釈版」…指使いやペダルや表現記号を足したりしてわかりやすく使いやすく工夫したもの
なのかなと思ってしまうけど、

話はそう単純じゃなくて、「原典版」と称するものがいくつも出ていてそれぞれ中身が微妙に違う、なんて話を聞くとほんと何のこっちゃ。原典版って何なの??
…もちろん「作曲者の意図がそのまま伝わる」を目標に編纂されてはいるんだろうけど、
作曲者の生原稿(というか自筆譜)がなければ、どれを信用するかというのも難しい話になるし、
自筆譜があったとしても、どれが単に乱雑に書いただけでどれがうっかり間違い(あるいはインクの染み)なの?? とかは解釈が分かれそうだし、
まぁ現実問題、いろいろと微妙なところは出てくるのでしょう。
本気で作った「原典版」も、あとから自筆譜が発見されたりしたら覆ったりするんでしょうし、たいへんよね。
新しく、かつ権威ある(らしい)「エキエル版」
---
ワルシャワ音楽院教授でショパン音楽アカデミー名誉博士であるエキエル氏の校訂による「ナショナル・エディション」はショパン自筆楽譜、本人による確認が入った写譜、初版本楽譜といった入手可能なあらゆる原稿を基に、最新の学術的手法で編集され、原典版であると同時に研究本でもある世界初のショパン全集です。ショパン国際ピアノコンクールの規定でも、参加者に「ナショナル・エディション」の活用が奨励されています。
---「世界のピアノ楽譜 クレシェンド」より
でさえ、ツッコミどころはずいぶんあるようで、
「音楽の大福帳 クラシックの真実は大作曲家の「自筆譜」にあり!」(中村洋子著)
を読んでいたら、興味深い事例がいろいろ書かれていました。
折しも、今弾いてる(そしてエキエル版に乗り換えたばかりの)エオリアンハープについて書かれていて、おぉgoodなタイミング♪
そもそも、私の持ってた全音版がよくなかった理由は、スラーのかかり方とかがずいぶん出鱈目だったというのが大きいですが、スラーのかかり方はエキエル版と自筆譜でもずれているのです(とはいっても全音版ほどは違わないよ)。(注1)
スラー
松葉
ペダルの踏む、離す
指使い
音符のしっぽの向き
強弱記号の位置
そういったことが異なっています。そして、その微妙とも見える違いに、非常に大事なメッセージが含まれているというのがこの本の著者の主張です。
その「メッセージ」解説はひとつひとつかなりわかりやすく、少なくとも私はかなり説得されました。とはいえ、それを活かすように実際弾くことができるかは別問題なのですが、より素敵なエオリアンを弾くために役に立つカモ!!(←もうちょっと弾けるようになったらの話)と思えるヒントはいくつもありました。
それでこの著者のお奨めは、手持ちの楽譜と(参照できる限りの)自筆譜を見比べて気づいたことを書き込んで練習していくようにすること…って(注2)
まぁそれも結構だけれど
時間がいくらあっても足りないよ!!
ピアノ弾く時間がなくなっちゃっても困るんですけど。
ちゃんと専門家さんがもっと「精度のいい」原典版を作ってくれればいいじゃないか~
(注1) ちなみに、上記のようなズレが生じてしまう理由は、形が整った…というか定型的な(たとえば拍の切れ目でスラーが閉じるように)ところへ引き寄せて「編集」するからということのようですが、これは印刷の都合? なのか、そういうブレがショパンの書き方の乱雑さ(意味のないもの)と思って親切で整えてあげている? のかどっちなんだろう。
#あと、自筆譜のほかに、清書譜、初版楽譜、レッスン時の書き込み、お弟子さんなどのメモなど膨大な資料を
(注2) だからといって自筆譜(があっても)そのまま見て弾く人はあんまりいないと思う。さすがに見にくいし、逆に詳しくない人が見たら読み間違いするところのほうが多い気はする。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社

「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)